破壊屋ブログ

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2016年最高の映画と、オススメの映画、その画像

150人の選者が2016年最高の映画と最低の映画を決める『映画秘宝』が発売中です。俺のベストとワーストも載っています。結果は既にニュースになっているので、ここにも書いてしまいますがシン・ゴジラ』がベスト・ワーストの両方に入っています
映画秘宝 2017年 03 月号 [雑誌]
毎年、映画秘宝のこの号は売り切れてプレミアがついてしまうので、書店で見かけたらサルベージするといいかも。



もう一つ、楽天市場の「それどこ」でオススメ映画を紹介する記事を書きました。
srdk.rakuten.jp

今回は俺が挙げたオススメ映画の画像をここで紹介します。

ロボコン

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「それどこ」の記事で一番ネット上の反応が激しかった映画。「それどこ」のコラム書くときに「そういえばあのオタク学生って誰が演じていたっけ?」と思って調べたら小栗旬でビックリしました。

ロボコン

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ロボコンのエンドクレジット。ひたすら高専の名前が出て来る。

ギャラクシー・クエスト

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劇中のコミコン(アメリカのコミケ)で、オタクや出演者たちがバカにされるシーン。今ではオタクへの愛が詰まった映画は珍しくないけど、『ギャラクシー・クエスト』の公開時は新鮮だった。

ゴーン・ガール

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夫が部屋を片付けずにプレステの戦争ゲーム『バトルフィールド3』で遊んでいたら、妻に怒られる。そこで夫が反論するシーン。この映画で一番好きなシーン。
このゲーム画像は、『バトルフィールド3』の中でも名シーンなのが笑える。

50回目のファーストキス

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字幕は隠しておいたけど、『シックス・センス』のネタバレをするシーン

ホットショット2

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『ホットショット2』のエンドクレジットは、最後にエンドクレジットでクイズが始まる。俺は過去にエンドクレジットに関するコラムを何度か書いてきているけど、今まで一番衝撃だったのは『ホットショット2』のエンドクレジット。詳細は「それどこ」を読んでください



ちなみにそれどことは

楽天市場が運営するお買いもの情報メディアです。

「それ どこで買ったの?」
「それ どこがおもしろいの?」
「それ どこがスゴイの?」
と、思わず言いたくなる「それどこ」なコンテンツをお届けします!

というサイトです。

2016年のネットは「それどこ」の面白企画が何度も話題になっていたので
「俺が映画を紹介するだけの文章じゃ話題にならんだろ」
と思っていました。でも割りと好評だったので大変嬉しいです。

2016年の映画ベスト100(Twitter投票を集計しました)

2016年最高の映画

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Twitterユーザーが選んだ2016年最高の映画は『シン・ゴジラ』になりました。



まずTwitterユーザーの2016年映画ベストテンをまとめました。
togetter.com

そしてこれをポイント制で集計してみました。有効投票者は1111人です。本当は2000人以上いたんだけど、集計の途中で力尽きました…。

2016年の映画ベストテン

順位 タイトル 得点 投票人数
1 位 シン・ゴジラ 4568.5 670
2 位 この世界の片隅に 4170 571
3 位 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 2933 439
4 位 シング・ストリート未来へのうた 2405.5 339
5 位 ズートピア 2321.5 407
6 位 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 2193 368
7 位 オデッセイ 1601.5 334
8 位 君の名は。 1479 278
9 位 デッドプール 1430.5 282
10 位 ヒメアノ~ル 1272.5 228

ベストテンの解説

[asin:B009DBYLLG:image:large]

邦画が豊作

いやー、まさかベストテンに邦画が四本も入るとは!「2016年は邦画が豊作」を実証したとも言えるでしょう。ちなみに2014年も2015年もベストテンに邦画は皆無でした。

バズる映画が有利

シン・ゴジラ』『この世界の片隅に』『君の名は。』は公開中にバズったことでも有名です(SNS上の上で口コミが広がること)。SNS上の口コミがここまで影響与えるとなると、俺達の口コミは力を持っているぞ!と言いたいところですが、もう一つバズった映画『HiGH&LOW THE MOVIE』は109位と圏外でした。

TOP3をちょっとだけ解説

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ』の劇中で日本が崩壊していく様、そして日本人たちが抗う姿は東日本大震災を連想させました。震災のときに日常が崩壊した感覚をゴジラを使って観客に追体験させる。『ゴジラ(1954)』と同様に、怪獣映画の枠を越えた映画でした。

この世界の片隅に

最近2016-12-18という企画がありましたが、あらゆる戦争映画を押しのけて『この世界の片隅に』が一位を獲得していました。さらに28年振りにアニメがキネ旬ベストワンになるという快挙も達成。今後21世紀の各種映画ランキングを荒らし続けるであろう傑作映画『この世界の片隅に』の誕生です。

ローグ・ワン

皆さんわかっていると思いますが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のラストは『スター・ウォーズ』第一作である『新たなる希望(A NEW HOPE)』のオープニングです。つまり『ローグ・ワン』は希望を絆ぐ映画、といえば聞こえはいいですが…何が起きるかは未見の人のために黙っておきます。

マイナー系

大量な選者によるベストテンなので、ヒット作にはどうしても組織票的な力が発生してしまいます。そんな中、興行収入ベスト100にすら入ってない『シング・ストリート 未来へのうた』の4位は奇跡レベル。また今回の集計で一番驚いたのは『ヒメアノ~ル』が10位と大健闘したことです。

その他

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『デッドプール』が入っていてマーベル系は相変わらず強いです。2015年でも『スター・ウォーズ』は2位だったので、スター・ウォーズのブランド力も強い。そして最強のブランド力を発揮しているのが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『ローグワン』を作った上に『ズートピア(5位)』も出してきたディズニー社です。

11位から100位まで

順位 タイトル 得点 投票人数
11 位 ハドソン川の奇跡 1180 225
12 位 キャロル 1081.5 185
13 位 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 1029.5 197
14 位 ルーム 962 172
15 位 怒り 957 161
16 位 レヴェナント:蘇えりし者 891 169
17 位 アイアムアヒーロー 876 190
18 位 ヘイトフル・エイト 874 168
19 位 ボーダーライン 847.5 147
20 位 エクス・マキナ 796.5 160
21 位 映画「聲の形 693 122
22 位 サウルの息子 690 127
23 位 ザ・ウォーク 647.5 112
24 位 バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 619 122
25 位 ドント・ブリーズ 601.5 129
26 位 ちはやふる 上の句 574 110
27 位 ゴーストバスターズ 565.5 113
28 位 永い言い訳 550 101
29 位 スポットライト 世紀のスクープ 536 106
30 位 マジカル・ガール 534 100
31 位 リリーのすべて 522.5 94
32 位 PK ピーケイ 517.5 87
33 位 ブリッジ・オブ・スパイ 513.5 100
34 位 リップヴァンウィンクルの花嫁 483 85
35 位 クリーピー偽りの隣人 473.5 91
36 位 スター・トレック BEYOND 449.5 85
37 位 ブルックリン 447.5 89
38 位 X-MEN:アポカリプス 439.5 96
39 位 何者 411 84
40 位 葛城事件 401.5 69
41 位 淵に立つ 388 69
42 位 湯を沸かすほどの熱い愛 386.5 65
43 位 イット・フォローズ 384 78
44 位 海よりもまだ深く 353 69
45 位 ディストラクション・ベイビーズ 345 64
46 位 帰ってきたヒトラー 336 70
47 位 スーサイド・スクワッド 329 83
48 位 裸足の季節 313 62
49 位 FAKE 283 56
50 位 エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に 277 47
51 位 ロブスター 275 58
52 位 ファインディング・ドリー 257 55
53 位 死霊館エンフィールド事件 238.5 45
54 位 オーバー・フェンス 237 45
54 位 ちはやふる 下の句 237 50
56 位 パディントン 231.5 44
57 位 スティーブ・ジョブズ(2016) 228 52
58 位 グランド・イリュージョン 見破られたトリック 219 42
59 位 クリード チャンプを継ぐ男 197 34
60 位 ロスト・バケーション 194 44
61 位 溺れるナイフ 188 40
62 位 ジャングル・ブック 186 34
63 位 マネー・ショート 華麗なる大逆転 180.5 45
64 位 日本で一番悪い奴ら 174 39
65 位 ちはやふる 上の句/下の句 168 34
66 位 グランドフィナーレ 166 27
67 位 COP CAR/コップ・カー 157 38
68 位 無垢の祈り 156.5 22
69 位 貞子vs伽椰子 142.5 37
70 位 レッドタートル ある島の物語 133 27
71 位 セトウツミ 130 28
72 位 ディーパンの闘い 129.5 22
73 位 10 クローバーフィールド・レーン 121.5 31
74 位 ソング・オブ・ザ・シー海のうた 114 24
75 位 高慢と偏見とゾンビ 111 23
76 位 ジェイソン・ボーン 110.5 27
77 位 クリムゾン・ピーク 109.5 24
78 位 エンド・オブ・キングダム 108.5 29
79 位 ブルーに生まれついて 103 18
80 位 ソーセージ・パーティー 101 23
81 位 GANTZ:O 97 26
82 位 ダゲレオタイプの女 94.5 16
83 位 ザ・ギフト 93 23
84 位 手紙は憶えている 92 21
85 位 ヴィクトリア 91.5 22
85 位 聖の青春 91.5 18
87 位 キング・オブ・エジプト 87.5 18
88 位 エヴォリューション 87 17
89 位 イレブン・ミニッツ 86 16
90 位 SCOOP! 84 18
90 位 アスファルト 84 16
92 位 オマールの壁 83.5 16
93 位 インフェルノ 82.5 19
94 位 ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 80 14
95 位 さざなみ 79.5 15
96 位 エージェント・ウルトラ 78.5 16
97 位 グッバイ、サマー 76.5 16
98 位 ビューティーインサイド 76 17
99 位 モヒカン故郷に帰る 75 16
100 位 インサイダーズ/内部者たち 74.5 14

マンガの実写化で成功

マンガの実写化は鬼門!という状況を通り越して、マンガの実写化はファンにとって恐怖新聞みたいな状況でしたが、2016年はマンガ実写化映画が批評的に成功しました。

いや失敗作も色々あったんだよ。「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞」で解説するけど。

DC映画

あれだけ悪評を浴びたDC映画も何だかんだで得票は高かったです。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が24位、『スーサイド・スクワッド』も47位。アメコミブームはまだまだ盛り上がりそう。

非英語映画

非英語の外国映画ではハンガリーサウルの息子』の22位が最高順位。他にスペインの『マジカル・ガール』の30位、インドの『PK ピーケイ』の32位が健闘。韓国映画は『ビューティーインサイド』の98位と『インサイダーズ/内部者たち』がかろうじて100位に残りました。10年前は「邦画は全然ダメ、韓国映画観よう」って風潮だったのに、ここまで逆転するとは。

バズる映画はとても有利

俺は『シン・ゴジラ』『この世界の片隅に』『君の名は。』が大好きな映画だけど、バズった映画を批判できない風潮には心底うんざりしています。特に
「『君の名は。』をベストテンに入れないなんて…」
とネット上でイヤミを言う人が多かったです。2016年に日本で公開された商業映画は1000本近くあるんだよ…。

この結果に納得の行かない人

内緒だけど、今回のベスト100は俺が嫌いな映画が多数ランクインしていたりします。他にも今回の結果に納得の行かない人は、coco賞2016 - Twitter上の映画ファンが選ぶ2016年映画ランキングが現在投票受け付け中なので参加してみてください。
ちなみに俺の集計では投票数が10本未満の人は除外していますが(鑑賞本数が少ない人が参加するとヒット作が有利になるため)、COCO映画賞は5本からでも投票できるので窓口が広いです。

他のベストテン

映画評論家たちが投票でベスト映画を決める2020年 第94回キネマ旬報ベスト・テン|KINENOTEは発表済み。キネマ旬報ベストテンと双璧を成す映画秘宝ベストテンは今週末発表です。掲載されているかはまだわかりませんが、俺の映画ベストテンも映画秘宝に送ってあります。

あとスクリーンと映画芸術もこれから発表です。

これらの雑誌のベストテン号はどれも面白いので、みなさん是非読んでみてください。俺は子どもの頃から毎年むさぼり読んでいます。

集計ルール

  • 持ち点は一人55点で、一位が10点、二位が9点、…、十位が1点と割り振る。
  • 「順不同」の場合は5.5点。

2016年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞 投票開始!

「ゲス不倫」が流行語大賞となった2016年、映画界でこんな事件が起きました。ファンキー加藤が主演する映画『サブイボマスク』の公開直前にファンキー加藤の不倫&托卵出産が発覚、ゲス不倫ブームもあって世間の彼への怒りが爆発しました。投稿形式のレビューサイトではサブイボマスク』に最低点をつける人が続出、公開前で誰も観ていないのに『サブイボマスク』の評価は最低となりました。

サブイボマスク [DVD]


私は『サブイボマスク』を映画館で観ましたが、意外と面白かったです。観てない映画をネタにするのは全く構いませんが、レビューサイトの評点を操作するような行為は慎むべきです。そのような怒りの発散は『この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞』ですべきです。


というわけで2016年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞開幕です!


皆様の投票をお待ちしております。「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞(誰映画)」とは、その年に公開された映画から存在に疑問を感じるような映画に投票するイベントです。


2016年はトンデモ日本映画が少なかったので、例年よりは盛り下がると思いますが、それはそれで良いことだと思います。もしかしたら『ドラゴンボール・エボリューション』以来の外国映画ベストテン入りが実現するかも?*1


過去の誰映画大賞

誰映画の過去の結果はコチラです。


年次 大賞作品
2015年 ギャラクシー街道
2014年 ルパン三世
2013年 ハダカの美奈子
2012年 新しい靴を買わなくちゃ
2011年 こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~
2010年 矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ
2009年 DRAGONBALL EVOLUTION
2008年 銀幕版 スシ王子! ~ニューヨークへ行く~
2007年 恋空

ギャラクシー街道 DVD スタンダード・エディション
ルパン三世 DVDスタンダード・エディション
ハダカの美奈子(R-18)
『新しい靴を買わなくちゃ』DVD[通常版]
こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ! [レンタル落ち]
矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~メモリアル・エディション [DVD]
Dragonball: Evolution / [Blu-ray] [Import]
銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜 並 [DVD]
恋 空 スタンダード・エディション [DVD]


ちなみに2014年の誰映画で『アナと雪の女王』が15位だったとき、アナ雪好きの人たちがメッチャ怒って色々と俺が謝った記憶がありますが、2016年はそれ以上の惨劇が起きそうな…。

*1:過去にベストテン入りした外国映画は日米・日韓合作など

最高に気持ちいい邦画

珍しく宣伝記事。今週発売の東京グラフティ「最高に気持ちいい邦画BEST75!!」に俺も参加しています。

http://grfft.com/uploads/contents/img_01_H1.jpg

「東京グラフティなんてオシャレな雑誌が選ぶ気持ちいい邦画って何だろう…」
と思っていたら、こんな邦画が選ばれていました↓

  • 仁義なき戦い
  • ゆきゆきて、神軍
  • 太陽を盗んだ男
  • GONIN

「それ映画秘宝じゃないの?確かにどれも気持ちいい邦画だけど、その気持ちよさって覚せい剤的な気持ちよさだろ!」
とツッコミ入れたくなるラインナップでした。いや、他のラインナップはちゃんとしていますよ。皆さんも是非確認してください。

ちなみに俺が選んだのはファンタジー邦画です。ファンタジー邦画ということで
「大林宣彦と相米慎二は外せないかなー」
と思っていたのですが、東京グラフティ編集部からは
「あなたが本当に好きな映画をお選びください」
という依頼でした。

大林宣彦は苦手なので外し、相米慎二もDVDにプレミアがついていたのでので外しました(簡単に入手できる映画にしたかった)。だから自分が本当に好きなファンタジー邦画を3本選びました。ちなみに他の人は大林宣彦や相米慎二を選んでいたので外して良かった。やっぱり大林宣彦と相米慎二は気持ちの良い邦画を作り続けてきたんだなぁ。

ハロウィン2016雑感

今年のハロウィンは29日~31日と毎日10時間は外出し続けてハロウィンを楽しんだ。そこで雑感。

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ハロウィンで商売に悪影響

渋谷ハロウィンだと俺はバーをハシゴする。例年だったらバー内の客も仮装で盛り上がっているんだけど、今年は驚くほど少ない!二軒目で店員さんに訪ねたところ歩行者天国が原因とのこと。そりゃそうだ。歩行者天国でみんなで楽しめるのに、わざわざバーに入る必要はない。店員さんは
「歩行者天国で儲かるのはコンビニと格安居酒屋だけ」
とも言っていた。歩行者天国を見たら、みんなコンビニで買ったお酒を飲んでいた。来年以降は他の自治体みたいにハロウィンで地域が儲かる形になればいいんだけどね。

中国人と台湾人

今年の渋谷ハロウィンは中国人と台湾人が多かった!彼らは仮装をしておらず、高級カメラでひたすら仮装客を撮っていた。そして意外なことにマナーがめっちゃ良い
仮装している俺は中国人や台湾人に声をかけられすぎて移動もできない状態だった。そういう時はちょっと無視したかったけど、彼らはたどたどしい敬語で礼儀正しくお願いしてくるので、ついつい応えてしまう。

常連コスプレ

ハロウィンを楽しむ人間には二種類いる。

  • 毎年仮装を変える人
  • 毎年同じ仮装な人

俺は後者だ。10年以上ハロウィンやっていると後者タイプは常連化するため、常連同士で再会できると
「あ、今年もお会いしましたね」
って会話が出て来る。俺たちは長年ハロウィンやっている戦友なのだ。お互いの素顔は知らないけどね。

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(基本的にヴェノムの格好する。子どもと会うときだけは怖がらせないためにスパイダーマン)

川崎ハロウィン

コンビニ本の『ハロウィン入門書』では「最高レベルの仮装が要求される」とまで書かれている川崎ハロウィン。ハロウィン嫌いの人でも映画好きなら観に行ったほうがいい。
例えば今年は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のネタバレコスプレがいた。また『スーサイド・スクワッド』のハーレクインとジョーカーが多かった。カタナもいたので記念写真。
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なんとマイナーキャラのキラークロックのコスプレまでいた。こうなったらスーサイド・スクワッド全員を探して写真撮りたかったけど、リック・フラッグとスリップノットはいても気が付かないよね。

世間の空気

世間の
「ハロウィンなんて嫌だ!」
という空気が一番強かったのは二年前で、今年は益々ハロウィンが受け入れられて来たと思う。仮設更衣室やゴミ拾いなども普及してきた。俺も
「もう仮装姿で街歩いても大丈夫な時代だろ」
と判断して、今年の俺は有料更衣室を使わずについに自宅から仮装することにした。マスク脱げばただのオッサンだし。

ただ俺が行こうと思っていた原宿や六本木のハロウィンパーティーが事前に中止になっていた。たぶんチケットが売れなかったり、公道か会場の使用許可が出なかったんだと思う。みんながハロウィンに手を出してきたので、試行錯誤の状態になってきた。

アンチハロウィン

アンチハロウィンの意見、二年前の時は
「ハロウィンは宗教イベントのはず!」
ってのが多かったんだけど、今年は
「ハロウィンは子どものためのイベントのはず!」
ってのが多かった。アンチハロウィンの中でもハロウィンの意識が変わってきている。

横浜ハロウィン

今年は横浜アリーナで大規模ハロウィンパーティーがあったので行ったんだけど、ファッションショーを模した芸能人パーティーで95%が女性客。ブースは美容関係だらけで、仮装客も少ない。男性トイレは笑えるほどガラガラ。俺のお目当てはDJダイノジのショーだったんだけど、こんなデカい状況でのDJダイノジは初めて。客の目当ては次に出て来る佐藤健なんだけど、そんなアウェイの中でDJダイノジが客をドッカンドッカンに盛り上げていた。

ハロウィンのトラブル

エグザイル系事務所のLDHがやっているハロウィンパーティーがあるんだけど、現在そのGOLD TICKETが払い戻し中である。公式サイトによると
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本イベント運営に関して事実確認を行わせていただきましたところ、 GOLD TICKETの特典の一部であります「グッズ販売専用レーン」「Bar専用レーン」が設営されていなかった

って書いてある。まさかの設営忘れ!

ちなみにこのハロウィンパーティー、他にもトラブルが続出したらしく、一番笑ったのは開場22時で開演も同時刻。しかも7000人以上いる客が整理番号順に10人づつ入場だったため、お目当てのアーティストが終わってから入場できる人が続出したらしい。
matome.naver.jp

今年のハロウィン最大級のトラブルだと思うんだけど、一切ニュースになっていない。さすがレコード大賞を買収したLDH、マスコミ対策は万全ですね!

地味で予想外のミステリー『ディスクローザー』

超地味なミステリー映画『ディスクローザー』を観た。セクハラを題材にしたデミ・ムーアの『ディスクロージャー』とは違う。今年日本で公開された2013年のオーストラリア映画だ。主演のジョエル・エドガートンジェイ・コートニーがハリウッドで活躍中なので、日本でも公開されたのだろう*1

ディスクローザー [DVD]

ジェイ・コートニーは『ターミネーター 新起動』の新カイルや、『ダイ・ハード5』のマクレーン刑事ジュニア、他にも『スーサイド・スクワッド(キャプテン・ブーメラン)』やアメリカのティーン女子に人気な『ダイバージェント』シリーズに出演するなどやたらゴリ押しされているハリウッドの山崎賢人だ。

設定

上記のポスターだと三人の男が陰謀を競うミステリーのように感じるけど、実際は

という地味なお話。と思ったら予想外のクライマックスとオチがあったので、今回はその解説。


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このシーンで主人公は正直に「少し飲酒している」と答える。調べてみてたら、オーストラリアは少量なら酒飲んでも運転できるらしい。

序盤

  • 主人公は麻薬組織を壊滅まで追い込んでいる優秀な刑事
  • 飲み会の帰りにホロ酔い気分で車を運転していると、隣の車線を走っていた自転車が軽く接触して転倒した
  • 自転車に乗っていた少年は意識が無い。主人公は救急車を呼ぶ。


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軽い接触だったので、車にも何も痕が残っていない。


中盤

  • 現場に駆けつけた上司は飲酒検知器の結果を捏造する。
  • 主人公もひき逃げの目撃情報をでっち上げてしまう。
  • 自転車に乗っていた少年はインド系の移民で、意識不明のまま死んでしまった。
  • 誰も主人公を疑わないが、若手刑事が疑いを持ち始める。若手刑事と上司が対立する。
  • その一方で主人公は自分の罪に耐えきれない


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一瞬の沈黙を見逃さない若手刑事。怖い。


加害者側の事情

飲酒運転に厳しい日本から観ればとんでもない話だ。だけどこの映画は加害者側にも同情できる要素が用意されている。

  • 主人公がいないと麻薬組織が野放しになる
  • 主人公がいないと家族がバラバラになる
  • 捏造した上司は過去に息子を交通事故で亡くしている。だが上司は罪の意識で発狂した加害者の姿を見ているので、交通事故の加害者を攻める気になれない

告解

こういう「白人の主人公がマイノリティに対して罪を犯す」という映画はよくあるパターンだ。オチはたいていこんな感じ↓

クライマックス、主人公にとって最も都合の悪いタイミングで、白人の主人公があえて自分の罪を告白。主人公は辛い贖罪の道を歩むが、人間としての正しさを取り戻したのだ…完。

これは罪を告白する「告解」という概念のあるキリスト教圏ならではのパターンだ。なので俺は『ディスクローザー』もそういうパターンの映画だと思いこんでいた。ところが予想外の展開を見せるのだ。ラストまでネタバレ。

終盤

  • 罪の意識に耐えられなくなった主人公は、上司と若手刑事を呼び出す。
  • 主人公は出頭して自供すると伝える。
  • 自暴自棄になった上司は、インド系の女性に惚れている若手刑事に「肌が黒い女とファックすると性病移されるぞ!」と人種差別発言する。
  • ブチ切れた若手刑事は、上司をヘッドロックする。
  • 上司は発作を起こして廃人になる
  • 主人公は若手刑事にヘッドロックの件は黙っておくよ」と伝える。
  • 主人公はインド系の母親の元に行き「俺がやった」と伝える。
  • 警察が集まるが、母親は「あの人は息子を介抱した人です」と伝える。



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若手刑事が主人公を迎えに来たところでラストシーン

解説

ツッコミたいところが3つある。
まずは、ほとんど不慮の事故とはいえ母親は息子を失っているじゃん!何で許すんだよ!と言いたいけど、これも前述の「告解」の概念だと思う。告解で許しを与えることができるのは神の代理人のみ。インド系の母親をそのような象徴として描いている。マイノリティが白人を救うのもよくあるパターンなのだ。

もう一つは廃人になってしまったヘッドロック事件だけど、欧米の映画界では人種差別する人は死んでOKというのが常識なので、むしろ廃人程度で済んだとも言える。

そしてラストシーンはどういう意味なんだよ!と思うけど、車の上に載っているコーヒーカップが答えだ。この映画では「自分のコップを渡す」行動に「相棒として繋がる」という意味がある。劇中にある若手刑事が上司からのコップを拒否するシーンもそういう意味だ。だから若手刑事が主人公のコップを用意するラストシーンは、お互いの罪を共有するという意味なのだろう。


最初から最後まで地味だったけど、予想外の展開に驚かされた作品だった。

*1:未体験ゾーンの映画たち

『L.A.コンフィデンシャル』のわかりにくい点を解説

「90年代最高のアメリカ映画は?」と聞かれたら、一番多い答えは『ショーシャンクの空に』かな。俺の場合は『L.A.コンフィデンシャル』だ*1。大学生のときに劇場で観て衝撃を受けて、原作も読むほどハマってしまった。

L.A.コンフィデンシャル 製作10周年記念 [DVD]


でも『L.A.コンフィデンシャル』の公開当時の感想には

  • 普通の刑事ドラマじゃない?
  • 物語が複雑すぎてわからない!

というのが多かった。まあその通りだと思う。

L.A.コンフィデンシャル』の物語はとにかく複雑だ。どれくらい複雑かというと、この映画を観た人に劇中の強盗事件の真犯人は結局誰だった?と聞いても答えられる人は少ないと思う。ググってネタバレ解説サイトを何個か読んだけど、どれも真犯人のことは無視していた。

最近『L.A.コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソン監督が死んでしまったので、久しぶりに『L.A.コンフィデンシャル』を再見した。せっかくなのでこの映画の物語を時系列で解説しよう。時系列で解説するため、すぐネタバレしちゃうので未見の人は気をつけて。

和名表

映画をわかりやすく説明するために、登場人物には俺が勝手につけた和名を使います。

正しい役名 演じた人 和名
ホワイト刑事 ラッセル・クロウ 暴力刑事
ヴィンセンス刑事 ケビン・スペイシー 汚職刑事
エクスリー刑事 ガイ・ピアース 出世刑事
ステンスランド刑事 グレアム・ベッケル 悪徳刑事
シド ダニー・デヴィート マスコミ
ピアス デヴィッド・ストラザーン 億万長者
マット サイモン・ベイカー イケメン俳優
スーザン アンバー・スミス リタ・ヘイワースに似た娼婦
パオロ・セガンティ アンバー・スミス 用心棒
エリス検事 ロン・リフキン 検事


時系列解説

血のクリスマス事件

  • 映画のオープニングはクリスマス。
  • 主人公の一人:暴力刑事のホワイトは酒を買いに行く途中で以下のメンツと会う。
  • 主人公の一人:汚職刑事はマスコミと組んでイケメン俳優を逮捕する。そしてイケメン俳優の手帳から「白ユリの館」の名刺を手に入れる。
  • 警察官たちがメキシコ人をリンチにする「血のクリスマス」事件が勃発する。
  • 主人公の一人:出世刑事はリンチに関わった警察官たちを告発してクビにする。おかげで彼は出世したが署内で嫌われて孤立する。
わかりにくいポイント


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バズが黒幕の一人なのに序盤しか出てこないのがわかりにくいよね。


マフィア 対 警察

  • ミッキー・コーエン(実在のマフィア)が逮捕され、ロサンゼルスの縄張り争いが激化する。
  • ダドリー警部は地方からロサンジェルスにやってくるマフィアたちをリンチにすることでロサンゼルスを守ろうとする。リンチ担当は暴力刑事。
  • だがダドリー警部の真の目的はマフィアの商売を全て自分のモノにすることだった。
  • 殺し屋がマフィアの幹部を殺しまくる。殺し屋の正体はダドリー警部の命令を受けた暗殺部隊だ。
わかりにくいポイント


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マフィアの幹部を殺しまくっている暗殺部隊の正体がはっきり描かれない。悪徳刑事、バズ、ブルーニング刑事、カーライル刑事の4人が暗殺部隊です(他にもいる)。ブルーニング刑事、カーライル刑事とはこの画像の左の二名。

マフィアのヘロイン

  • 暗殺部隊の一人のバズがマフィアのヘロインを奪う。
  • 悪徳刑事とリタ・ヘイワースに似た娼婦は恋人同士だった。彼女の家で悪徳刑事とバズはヘロインを巡って争い、悪徳刑事はバスを殺す。
わかりにくいポイント


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ミッキー・コーエン→バズ→悪徳刑事→ダドリー警部の順序でヘロインの持ち主が変わっているのもわかりにくい。このセリフだけでバズと悪徳刑事の関係に気が付かなきゃいけないのも初見では厳しい。


ナイト・アウルの虐殺

  • 茶店ナイト・アウルで3人組の強盗が客を皆殺しにする。被害者には悪徳刑事とリタ・ヘイワースに似た娼婦がいた。
  • 真犯人はダドリーの部下のブルーニング刑事とカーライル刑事。強盗に見せかけて悪徳刑事を殺してヘロインを奪うのが目的だった。
  • ダドリー警部が用意した冤罪容疑者は黒人のチンピラ三人組だ。
わかりにくいポイント


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ブルーニング刑事とカーライル刑事がナイト・アウルの真犯人。でも各種ネタバレサイトですら、このことは書いてない。


ナイト・アウルの虐殺の捜査(汚職刑事)

  • 汚職刑事は独自の捜査でチンピラ三人組の居場所を知る。
  • ブルーニング刑事とカーライル刑事はチンピラ三人組を冤罪にハメるために、彼らの車にナイト・アウル事件の証拠を置く。
  • ブルーニング刑事とカーライル刑事はチンピラ三人組を殺そうとするが、そこに汚職刑事が到着してしまう。チンピラ三人組は普通に逮捕される。

ナイト・アウルの虐殺の捜査(暴力刑事)

  • 暴力刑事は、クリスマスの夜に犠牲者のリタ・ヘイワースに似た娼婦を見かけたことを思い出した。彼女と一緒にいた億万長者を尋問する。
  • 億万長者の正体は女優に似た娼婦を集めた売春組織「白ユリの館」のオーナーだった。
  • 暴力刑事は億万長者の用心棒と会う。

ナイト・アウルの虐殺の捜査(出世刑事)

  • チンピラ三人組にレイプされていた被害者が「ナイト・アウル事件のときにチンピラ三人組たちは外出していた」と証言した。
  • チンピラ三人組は逃走し、銃撃戦になる。カーライル刑事は殉職、容疑者たちを射殺した出世刑事は英雄となる。
  • 死んだチンピラ三人組がナイト・アウルの容疑者であることが確定。ナイト・アウルの虐殺事件は解決した。
わかりにくいポイント


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ここで真犯人の一人、カーライル刑事が死んでいるんだけど、俺も「あ、カーライルここで死んだのか」と最近気がついた


億万長者がロスを支配する

  • 億万長者はリンとマスコミを使って、政治家の淫行写真を撮る。
  • 億万長者はその淫行写真を使って政治家を脅迫。高速道路建設公共工事を牛耳ることに成功した。
わかりにくいポイント


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億万長者、警察、マスコミがグルになって政治家をコントロールして公共事業を牛耳っている。


イケメン俳優の末路

  • 汚職刑事は政治家のパーティでイケメン俳優と再開する。イケメン俳優を誘導尋問して「白ユリの館」の元締めが億万長者であることを知る。
  • 汚職刑事とマスコミはイケメン俳優を騙して、ゲイの検事のスキャンダル写真を撮ろうとする。
  • 億万長者はスキャンダル写真を使ってゲイの検事を脅迫する。それをうっかり聞いたイケメン俳優は殺される。
  • 汚職刑事は行きつけのバーで自分の汚職っぷりに嫌気が指した。彼はイケメン俳優を止めようとするが既に死体になっていた。

頑張る暴力刑事

  • ブルーニング刑事と暴力刑事は相変わらずマフィアをリンチにかける。
  • 暴力刑事はナイト・アウルの真犯人がチンピラ三人組でないと気がついていた。しかし捜査せずにマフィアをリンチしてばっかりの自分に嫌気が指す。
  • 暴力刑事は娼婦リンに「あなたもやれば出来るわ」と励まされて、ナイト・アウルの現場写真を再度検証する。

真相に近づく(暴力刑事)

  • 暴力刑事は喫茶店で悪徳刑事が真っ先に殺されていることに気がつく。
  • さらに喫茶店の食べ物の位置から悪徳刑事とリタ・ヘイワースに似た娼婦が恋人同士だったことに気づく。
  • 暴力刑事はリタ・ヘイワースに似た娼婦の家に行き、バズの死体を発見する。
  • 暴力刑事は億万長者の用心棒を拷問してバズがヘロインを持っていたことを知る。
わかりにくいポイント


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この映画で観客が一番混乱する原因は、重要人物のバズが死体になっているので、重要人物っぷりがイマイチわからないということ。


真相に近づく(出世刑事)

  • レイプ事件の被害者が「証言はレイプ犯たちを殺させるためのでっち上げ」と出世刑事に伝える。
  • 真犯人が別にいる可能性を疑った出世刑事はナイト・アウルの虐殺事件を再び捜査しようとする。
  • 出世刑事は汚職刑事にナイト・アウル捜査の助っ人を頼む。
  • 汚職刑事は出世刑事が自分の手柄をぶち壊そうとするのが理解できない。
  • 出世刑事はロロ・トマシについて語る。
逆にわかりやすいポイント


ここでは解説しないけど「ロロ・トマシ」は複雑な物語を一気にシンプルにする見事なトリック。

出世刑事と汚職刑事が手を組む

  • 汚職刑事は出世刑事に「白ユリの館」に関する情報を全て渡す。
  • 二人は用心棒を尋問しようとして、うっかりラナ・ターナー(実在の人物)を…。
  • 二人は億万長者を尋問する。空振りに終わるが、警戒した億万長者はマスコミに連絡する。
  • 出世刑事は娼婦リンの誘惑に引っかかり、セックスする。これをマスコミに撮られる。


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劇中何度も登場している用心棒のジョニー・ストンパナートだけど、彼が事件にあまり関係ないのもわかりにくいポイント。実はジョニー・ストンパナートは実在の人物。ギャングの用心棒だが、ラナ・ターナーの愛人でもある。この知識が無いと「誰これ?」状態になる。


真相に近づく(汚職刑事)

  • 汚職刑事は警察署内の12年前の記録を調べて悪徳刑事とバズが手を組んでいることに気づく。
  • 汚職刑事は出世刑事をバーで待つが、出世刑事は女と遊んでいる。
  • しょうがないので汚職刑事は悪徳刑事とバズの上司だったダドリー警部に会いに行く。
  • ロロ・トマシが登場する。
わかりにくいポイント


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12年前の記録がダドリー警部に繋がる記録だ。これがダドリー警部がわざわざ手を汚した動機。


ロロ・トマシの暗躍

  • ダドリー警部は12年前の記録を盗んで処分する。
  • ダドリー警部は暴力刑事にマスコミを拷問させる。でもこれはマスコミとダドリー警部の演技で、暴力刑事が娼婦リンを出世刑事に寝取られたことを気づかせるのが目的。
  • ダドリー警部とブリーニング刑事はマスコミを殺す。
わかりにくいポイント


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ダドリー警部が12年前の記録が盗んで処分しているのは、初見ではまずわからない。


暴力刑事と出世刑事が組む

  • 12年前の記録は無くなったが、出世刑事は過去の業務日報を調べることでダドリー警部、悪徳刑事、バズがグルだったことに気づく。
  • 12年前、彼らは億万長者のピアスを取り調べておきながら不起訴にする。そしてこのときにピアスやマスコミともグルになった。
  • 暴力刑事は悪徳刑事とバズの関係を出世刑事に伝える。
  • 出世刑事は汚職刑事が持っていた情報を暴力刑事に伝える。
  • 全ての情報が出揃い、彼らは組む。
わかりにくいポイント


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事件の真相である「刑事たちがグルになってマフィア化していた」という点にもうちょっと伏線貼って欲しかった…。でもロス市警とマフィアの癒着は有名な実話なので伏線がいらないのかも。


クライマックスへ

  • ゲイの検事が暴力刑事の拷問によって全ての情報を喋る。
  • 億万長者もダドリー警部に殺される。これで全てがダドリー警部のものになる。
  • そしてクライマックスへ…。
わかりにくいポイント


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もう一人の真犯人:ブルーニング刑事は暴力刑事に撃たれて死ぬ。クライマックスのブルーニング刑事は一番ハッキリ顔が写っている画像でこの程度。リピートしないと気がつくのは無理。

最後に

この映画のわかりにくさは欠点では無いと思う。情報が極端に多いからこそ、3人の刑事がそれぞれの情報を持ち寄るシーンにミステリー的な興奮が発生する。そもそもこの映画を理解するために今回解説したポイントを抑える必要はない。理解すべきなのは三人の刑事の行動原理だ。

  • 出世刑事:出世をふいにしても真犯人を捕まえたい→やっぱり出世のために全て利用してやる
  • 汚職刑事:汚職に疲れた→ちゃんと捜査することで償いたい
  • 暴力刑事:マフィアをリンチするのが嫌だ、俺も捜査したい→やっぱりぶっ殺してやる!

名演技を見せる三人の行動が少しづつ真相に近づいていく。これが90年代最高クラスのアメリカ映画たる所以だ。



アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子 (幻冬舎文庫)
L.A.コンフィデンシャル』の汚職刑事と暴力刑事を足して割らなかった女性警察官が主人公の作品。米倉涼子で映像化された。

*1:IMDBの映画史上最高の100本にもランクインしている