破壊屋ブログ

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パトレイバーのサポート切れ

「パトレイバーはリアルだ!」ということを俺はガキの頃から20年以上にわたって主張し続けているけど、その根拠の一つに劇中のパトレイバーがすごい勢いで時代遅れになっていくという点がある。今回はそのお話。

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例えばアイアンマンは毎回バージョンアップしていて、映画『アイアンマン』の時点でマーク3にまで進化、『アイアンマン3』ではマーク42まで登場する。ガンダムの場合はマークⅡ→Zガンダム→ZZガンダムと次々に後継機が出てくるけど最新機を使うのは常に主人公だ。

ところが『パトレイバー』だと主人公たちはいつまでも同じレイバー:AV98式イングラムを使い続けている。劇中ではレイバー産業が盛り上がっているという設定なので主人公たちは時代遅れの機体で戦い続けることになる。だいたい2年くらいで同じレイバーシリーズの次世代機が出てくるので、進化の早さはスマホに近い。

パトレイバーの第一話

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パトレイバーにはマンガ版、テレビアニメ版、アーリーデイズ版(劇場版以前のエピソード)と色んな世界があるんだけど、それぞれの第一話で共通しているのは「1998年」という点と「最新型のAV98式イングラムが登場する」という点だ。AV98式イングラムは人型ロボットみたいな外見で世間にインパクトを与える。

新レイバーと新OS登場

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作中では2000年。マンガ版のパトレイバーではAV98式イングラムの次世代機のAVSが登場する。さらに同じ年にレイバー用の新OSが登場してレイバー業界に騒ぎが起きる。ちなみに連載していたのは1992年。当時のメカといえばスーファミが限界だった俺にOSなんて理解できるわけがない。

ゼロ登場

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テレビアニメ版、マンガ版ともに最終回直前に最新型のゼロ(零式とも呼ばれる)が登場する。画像はホラー映画のキャラみたいに暴れまくる『劇場版パトレイバー1』の零式で、パトレイバーファンに強烈なインパクトを残している。

テレビアニメ版のゼロの特徴は「足元の車などを勝手に避けてくれる」という当時の小学生でも理解できる設定。マンガ版のゼロの特徴は「衛星から位置情報を取得している」という当時の中学生なら理解できる設定。ところが劇場版パトレイバーのゼロの特徴は、OSアップグレードじゃなくて最初から最新OSをインストールすることを想定したという当時の大人でも理解できない設定。80年代の作品とは思えない。

ちなみにテレビアニメ版の最終回は、AV98式イングラムが大好きなヒロインが次世代レイバー・ゼロの登場にショックを受けるという内容だ。

イングラム引退

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2002年を舞台にした『劇場版パトレイバー2』では、AV98式イングラムは時代遅れどころか引退してデータ採取用の機体になっている。AV98式イングラムの後継機はヴァリアントという機体で二代目と呼ばれる隊員たちが乗っている。ヴァリアントが劇中大破するので、旧式のイングラムを使って戦うというクライマックスだった。イングラムは画像のようにリアクティブアーマーをつけていて、この渋いビジュアルが衝撃的だった。

実写版パトレイバー

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AV98式イングラムが登場するのは1998年、実写版パトレイバーの舞台は2014年。つまり主人公たちの乗るイングラムは16年前の機体。そんなの動くのか?と心配していたら、心配していた通りだった。AV98式イングラムは改造のしすぎでメーカーのサポートを受け入れられず、動かせばどこかが壊れるので動かさないように命令されている。もし動かした場合の駆動時間はウルトラマンよりも2分長い5分間だ。でもドラマの第一話からイングラムが動くシーンがあるのでご安心を。



以上、WindowsXPよりも長く活躍するAV98式イングラムでした。ところでWebマガジンでパトレイバーに関する短期連載を書いています。時代が変わってもリアルであり続けるパトレイバー|大人のためのパトレイバー入門|破壊屋|cakes(ケイクス)。映画同人誌Bootlegに載せた内容の加筆修正です。

おまけ:以前のサイトで書いたパトレイバーのエントリ。
機動警察パトレイバー:Lの悲劇 | 破壊屋