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超人対決!『MONSTERZ』

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今週末公開の『MONSTERZ』を観た。超人対決!というか「ほこ×たて」みたいな映画だった。以下序盤のネタバレ。



『MONSTERZ』は韓国映画『超能力者』のリメイクだ。『超能力者』については超能力者(ネタバレ)|三角絞めでつかまえての解説が完璧でわかりやすい。

『超能力者』の設定は平凡な主人公(日本版だと山田孝之)が、全ての人間を操れる超能力者(日本版だと藤原竜也)と戦うというものだ。何で戦うのかというと主人公だけが何故か操られないのだ。といっても敵は全ての人間を操れるので、必然的に主人公の周囲の人間全てが敵になる。無敵の存在である超能力者を相手に主人公は健気に戦う!というのがサスペンスのポイントになっている。

日本版も韓国版も、全ての人間が動きを止められた空間の中で主人公だけが動き始めて超能力者がビックリするシーンがある。マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』第三部でDIOのザ・ワールドが時間を止めた中で承太郎だけが動けるシーンにも通じる緊張感がある。



今から『超能力者』のネタバレを書くけど『MONSTERZ』のネタバレではない



韓国映画『超能力者』では主人公は何とか超能力者を倒すわけだが、そもそも無敵の存在である超能力者を相手にどうして主人公が勝てたのか?という疑問がある。それは映画が終わる瞬間に明らかになる。主人公も無敵の超人だったのだ。映画『超能力者』は明らかに『アンブレイカブル』から着想を得られた作品である。

それに対して『MONSTERZ』はどういう映画かというと、タイトルがモンスターの複数形になっている。つまり『超能力者』のネタバレだった「敵も超人だが、平凡な主人公も実は超人」という要素は映画の序盤というか宣伝で既に明らかにされている。

「全ての人間が操れるなんてチートだろ!話が成立しない!」と思ってしまうが、主人公の能力は「死なない」である。どんだけチートの能力があろうが相手が「死なない」以上勝ちようがない。その一方で敵は全てを操れるので、そっちにも勝ち目の無さを感じる。日本のマンガ的な能力者バトルというか、『ほこ☓たて』っぽさも感じる映画だ(実施は死なないではなくて回復力の高さなんだけど)。

ただこの映画。中盤まで設定の面白さで引っ張るんだけど、後半からは「ええええ!」と叫びたくなる納得のいかないシーンが満載。普通リメイク映画って元ネタ映画の脚本上の欠点を直しているんだけど、本作は逆にとにかく酷い展開に話を転がしていいく。色んな意味で人間を無視したモンスターな映画だった。もしも『アンブレイカブル』の続編が作られたのならこういう映画になったかもしれない。



  • 『MONSTERZ』は超能力を表現するのにマンガ『AKIRA』を使うという点が面白かった。まあ世界中の人が共通に認識している超能力っつたらそれだよな。
  • 『MONSTERZ』は人海戦術を駆使した撮影が複数あるのが良かった。撮影が死ぬほど大変そうだけど。
  • ちなみに『超能力者』の英語タイトルは『HAUNTERS(出没者たち)』