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破壊屋ブログ

ネタ系映画ブログです。管理人はこの人→http://hakaiya.com/giccho

これが真のスパイ映画だ!

2015年の映画界はスパイ映画復活の年だった。以下に羅列する。

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

大ヒットシリーズ。トム・クルーズの不死身っぷりがターミネーターを超えてきた。
【Amazon.co.jp限定】ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ブルーレイ+DVDセット(2枚組)(キャラクターカードセット付) [Blu-ray]

キングスマン

若きスパイが、世界を破滅させる悪の大富豪の陰謀を阻止する。古典的スパイ映画と現代映画の融合。
KINGSMAN / キングスマン(初回限定版) [Blu-ray]

コードネーム U.N.C.L.E.

スパイモノのドラマシリーズ『ナポレオン・ソロ』の復活。
【チラシ付き、映画パンフレット】コードネーム U.N.C.L.E.監督  ガイ・リッチー キャスト ヘンリー・カビル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、エリザベス・デビッキ、ジャレッド・ハリス、ヒュー・グラント

007 スペクター

スパイ映画の真打ち。
http://img.cinematoday.jp/res/T0/01/99/v1443692833/T0019916p1.jpg


どれも面白かったけど、主人公たちはスパイというよりも単なる超人だった。単なる超人という言い方もおかしいけど。今のスパイ映画は、美女や男の友人とイチャイチャしながら世界を救っている。リアルじゃない。主人公がどんなヒーローでも結局は人を殺す公務員という点も気になる。*1

もちろん骨太なスパイ映画もたくさんあるけど、やっぱり外国が舞台だとリアルに感じられない。だからといって日本人が主人公のスパイ活劇って言われると、俺の脳内にはアマルフィの織田裕二が出てくる。

でも日本には真のスパイ映画があるじゃないか!真のスパイ映画とは在日朝鮮人工作員を扱った映画だ。


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『ミッドナイト・イーグル』より

というわけで、今回は俺が知ってる限りの朝鮮人工作員モノの日本映画を紹介する。差別用語で説明するとチョッパリとチョンを描いた映画である。

かぞくのくに

かぞくのくに [DVD]

作品名 かぞくのくに
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 北朝鮮
映画の内容 北朝鮮から一時的に帰国した兄と、日本に住む家族たち交流を描いた名作。
スパイの活動内容 北朝鮮から日本に帰国した者を監視する。
演じた人 ヤン・イクチュン(息もできない)
正確には工作員じゃなくて監視員。幸せな家族を監視する無愛想で冷徹な男と思いきや、監視の仕事が終わると日本のビジネスホテルに行きビールを飲みながら日本のAVを見る
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憎き監視員とはいえ、そんな姿を見せられたら
「お仕事ご苦労様です、あとで飲みに行きませんか?」
と声かけたくなる名シーンだ。画像だとだらけきっている監視員だけど、このあと北朝鮮からの指令を伝える電話がかかってくると急にシャキッとなるので笑える。


黄金を抱いて翔べ

黄金を抱いて翔べ  コレクターズ・エディション(2枚組)(初回限定版) [DVD]

作品名 黄金を抱いて翔べ
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 無し
映画の内容 6人の強盗が、大量の金塊強奪計画を立てる。
工作員の活動内容 日本での破壊工作。
演じた人 チャンミン(東方神起)

この映画の工作員設定はかなりアツい。工作員の名前はモモで得意技術は爆破工作。日本に住んでいたが同胞に裏切られて北朝鮮から処刑命令が出た。祖国に尽くしたのに同胞たちから命を狙われる羽目になったのだ。そんなモモを拾ったのは日本の強盗たち。強盗計画のためにはモモの爆破工作が必須なので、強盗たちはみんなでモモを守ろうとする。最初は
「俺は祖国のために働いていたのに何で日本で泥棒やらなきゃいけないんだ…」
と思っていたモモも、強盗たちに絆を感じる。祖国よりも仲間のために働くことに喜びを見出すのだ。そして強盗(妻夫木聡)とモモのアツい絆はBL的な意味でアツい関係へ発展し…。

ちょっと残念なのは演じたのが東方神起のチャンミンだということ。BL的には大正解のキャスティングなんだけど、チャンミンの整形顔は北朝鮮の工作員に見えない。


外事警察 その男に騙されるな

外事警察 その男に騙されるな [DVD]

作品名 外事警察 その男に騙されるな
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 あの国
映画の内容 北朝鮮の核テロ計画を公安部外事課が食い止める。
工作員の活動内容 日本国内で北朝鮮に関する密輸を担当する会社の社員。
演じた人 キム・ガンウ


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NHKの映画とはいえ差別用語も登場する。

朝鮮人が日本人と結婚して貿易会社を設立。だがその実態は密輸を担当する会社だった。外事警察は日本人妻(真木よう子)を味方に引き込み会社を捜査する。そのためにジャマとなる社員を占有離脱物横領罪で逮捕する。ネタバレは脚注に書きます*2

汚い手を使って捜査する日本人たちを主人公にしていて、見応えのあるサスペンス。社員が占有離脱物横領罪で逮捕されるんだけど、その横領罪とは「捨ててあったビニール傘を拾った」だけ。別件逮捕したのだ。中々怖いシーンである。そういえば最近も靖国神社爆発音事件の犯人が「建造物侵入容疑」で逮捕された。まあ「神社内に参拝などの目的外で侵入」ということなので別件逮捕というわけじゃないけど。


KT

KT 特別版 [DVD]

作品名 KT
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 北朝鮮
内容 日本で起きた金大中誘拐事件の映画化。
活動内容 韓国テロのために韓国語の勉強。
演じた人 無名の役者

劇中に登場する北朝鮮工作員は序盤のちょっとしか出てこないが、かなり過激な展開だ。

  1. 北朝鮮は韓国に送り込むテロリスト候補として在日朝鮮人に目をつけた
  2. しかし彼は韓国語をキレイに発音できない。
  3. そこで在日韓国人を韓国語の家庭教師につけて発音を教える。
  4. 日本国内で暗躍する韓国のKCIAが、無関係の家庭教師も一緒に拉致しようとする。
  5. 日本の陸上幕僚監部が、家庭教師を見逃せば拉致を見逃すと取引を持ちかける。
  6. さらに日本の陸上幕僚監部は北朝鮮を牽制するために韓国のKCIAに協力する。

金大中事件当時の日本・韓国・北朝鮮の複雑で危険な関係がよくわかる名シーンだ。この「日本で工作員活動→韓国側が逮捕」という流れが起こした悲劇で最近こんなニュースがあった。
http://www.asahi.com/articles/ASHCD433FHCDPTIL00F.html


劇中で『仁義なき戦い 広島死闘篇』にハマった在日韓国人の若者が、予科練の歌の口笛を吹くと差別主義の日本人たちから
「チョンのくせに!」
と絡まれる。この若者は韓国に興味無いしそもそも韓国語が喋れない。だがこの事件移行、韓国の政治運動にハマっていく。イスラム社会との断絶がイスラム過激派を生み出す土壌になっている現状に通じるものがある。


亡国のイージス

亡国のイージス [DVD]

作品名 亡国のイージス
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 某国
映画の内容 海上自衛隊と北朝鮮の工作員が結託して反乱を起こす。
工作員の活動内容 北朝鮮の工作員指導教官。
演じた人 中井貴一


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工作員の男女(兄妹)が横浜スタジアムで合流するシーン。

監督は『KT』と同じ阪本順治。『KT』は韓国にシンパシーを感じる日本人の物語だけど、『亡国のイージス』は北朝鮮にシンパシーを感じる日本人の物語。さらに言うと『KT』は左翼(荒井晴彦)が脚本書いて、『亡国のイージス』はやや保守寄り。まあ監督は大変だということだ。


宣戦布告

作品名 宣戦布告
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 北東人民共和国
内容 日本で起きた金大中誘拐事件の映画化。
活動内容 北朝鮮の大佐。普段はカフェで働いているが、ハニートラップで集めた日本の機密情報を本国に送る。
演じた人 夏木マリ

北朝鮮の特殊部隊が日本に侵入したら、現行法で日本は対応できるのか?というのをリアルにシミュレートした映画なんだけど、夏木マリが出てくるシーンだけはリアルさがまるでない。夏木マリが大佐って…。
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保守系の映画だけどラストは帰化日本人に希望を託す展開になっている。これは『グラン・トリノ』のラストシーンに近い。


ミッドナイト・イーグル

作品名 ミッドナイト・イーグル
朝鮮民主主義人民共和国の呼び方 某国
内容 北アルプス山中に米軍のステルス爆撃機が墜落死、それを北朝鮮の工作員たちが狙う。
工作員の活動内容 在日米軍基地にあるステルス爆撃機に爆弾を仕掛ける。
演じた人 波岡一喜

この映画の朝鮮人スパイ平田の設定はアツい。祖国を守るために在日米軍基地のステルス爆撃機に爆弾を仕掛ける。しかし北朝鮮の本当の狙いは爆撃機内の核爆弾を日本国内で起爆することだった。平田は日本国内にいる妊娠している妻を守るために、北朝鮮を裏切り日本人たちに情報を渡す。女のために日本、アメリカ、北朝鮮全てを敵に回す!まあ本当の主人公は大沢たかおだけど。


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波岡一喜、今の日本でもっともテロリスト役が似合う俳優である。



以上!どの映画も差別に繋がらないように十分に配慮されながら作られている作品なので安心するように。

オマケ:真にリアルなスパイ映画『KT』

『KT』って評判悪いけど俺は大好きな映画だ。韓国のKCIA、日本の陸上幕僚監部、在日韓国人の民間団体の三つ巴を描いているんだけど、彼らのスパイ活動の描写が大変世俗的でリアルなのだ。

パーティシーン

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スパイ映画っつーとド派手なパーティーシーンがあるけど、『KT』のパーティーシーンは現実的で素晴らしい。瓶ビール、出前の寿司、ピーナッツ、そしてトイレットペーパー。
パーティー(というか飲み会)の片付けをしているのが日本のスパイのリーダーというのも良い。

スパイのオフィス

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スパイ映画の特徴といえば異常なまでにキレイなオフィス!『スペクター』でも後半に出てくるオフィスがSF映画みたいにキレイ過ぎてリアリティがまるで無かった。しかし『KT』で出てくるスパイのオフィスはこの昭和感*3。男たちは全員スパイ(陸幕の諜報員)で、女はカモフラージュのためにとりあえず雇った何も知らない受付嬢。この女には一切仕事が無いのでいつも暇そうにしている。大事な話を受付嬢に聞かれたら困るので依頼人に対するお茶くみもスパイたちがやるのだ

張り込みシーン

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スパイ映画の張り込みシーンはいつも都合良すぎだ。主人公が張り込みを始めた瞬間に悪役たちの取引が始まる。その点『KT』はスパイたちがカップラーメンを代わりばんこに食べながら張り込みしている。そこにキャラクター紹介の字幕が入るのも渋い。

勧誘シーン

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スパイ映画っつーと美女の誘惑シーンが毎回出てくるけど、男というのは美女がいきなり自分に近づいたら警戒するもんである。実際はあんなにアッサリ引っかからないよ。しかし『KT』は違う。酒を持った木下ほうか(左)が「一緒に来てくれないか」と勧誘するのだ。木下ほうかにそんなこと言われたら男としては断りにくい。絶世の美女よりも木下ほうかのほうが効果ある。

*1:キングスマンは公務員じゃないけど

*2:ネタバレ!!!社員の正体は大韓民国国家情報院の潜入捜査官だった。日本が彼を逮捕したため韓国の対北捜査はほぼ失敗となる。彼は日本の対応に呆れるが、その後韓国単独ではテロが食い止められないことを悟り、韓国を守るために悔しさをこらえて日本の外事警察に協力する

*3:実際、昭和の話だし