破壊屋ブログ

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君の名はエル・カンターレ『君のまなざし』

この「君」とは当然ながら

万人の上に立って天下に号令する人。天子・帝王・諸侯。また人の上に立つべき徳のある人

という意味の「君」です。つまり『君のまなざし』とは幸福の科学総裁であるエル・カンターレが全世界を見守っているということ!


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左が大川隆法の息子、真ん中が主人公、右がヒロイン。


幸福の科学最新作がまたやって来ました。よく映画を評価するサイトなんかで「この映画の鑑賞料金の価値は○○円」ってありますが、史上最高額がここに誕生しました。『君のまなざし』の鑑賞料金の価値はあなたの全財産です!証拠は↓の画像。


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大川隆法の最近の霊言本より。
「映画館の入り口に賽銭箱を置いて、全財産をそこに放り込んでから入って」
と無茶苦茶なことが書かれています。あと俺は一般料金の1800円で入ったので間違いなく俺にも後光が挿している。

最近の霊言本は妄言が酷くなっていて、幸福の科学信者のインタビュアーも対応に困っているのが読み取れる。

『君のまなざし』は『君の名は。』に便乗したように見せかけて、実はボ○○○○○を取り入れた作品です。なかなかの意欲作で今までの幸福の科学映画の中でも上位の作品。今から完全ネタバレ解説します。ついでに言うと『君の名は。』もネタバレするから気をつけて!


OPエピソード1

主人公:神代(かみしろ)はバイト漬けの生活を送る苦学生。川で溺れている少女を見つけた主人公は彼女を助ける。
このシーンはドローンを使って派手にカメラが動くオープニングだった。ドローンのおかげで低予算映画でも派手な絵が撮れるようになっている。


OPエピソード2

主人公:神代は神社に行き、そこで見かけた巫女(ヒロイン)に運命的な出会いを感じる。神代は巫女に声をかける。
「どこかで会いましたっけ?」

これって『君の名は。』のラストシーンと同じなんだけど、『君の名は。』のラストシーンも含めてどう考えてもナンパの手口だよな。『君のまなざし』では、ヒロインは神代を頭のおかしいナンパだと思って警察を呼ぼうとする。調書に書くので君の名は?


主人公の親友:朝飛登場

主人公はある日親友の朝飛(アサヒ:演じるのは大川隆法の息子:大川宏洋)からペンションのバイトに誘われる。


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『君のまなざし』のメイキングブックより、大川宏洋の背後にUFOが現れたと無理な主張している幸福の科学。でも捏造写真を作ったわけじゃないのでTBSよりは誠実ですね。

巨大な森の中にあるペンションに向かうと、そこには同じくバイトで雇われたヒロインがいた。オープニングのこともあって二人は気まずい。というか偶然の再会とはいえ主人公はまたストーカー扱いされる。

ただのバイトかと思いきや、主人公達はなぜか敷地内にある社にお参りさせられる。このペンションはなんだ?

幽霊登場

ペンションには女性の幽霊がうろついていた。ビビる主人公だが、ヒロインは巫女で降霊術の使い手だったので幽霊を召喚する。

召喚された幽霊が語るには、幽霊はペンションのオーナーの子どもを交通事故で死なせてしまったのだ。幽霊はその交通事故のことを悔やんで、ペンションに現れていた。とりあえずヒロインは幽霊を成仏させる。

ペンションの秘密

実はペンション近くに地獄に通じる門があり、ペンションのオーナー一族は代々門を守ってきたのだ。

しかし地獄の力が強くなり、オーナーが取り憑かれる。このシーン、撮影ミスだと思うんだけどカメラの写線を役者の足が邪魔している。でもこれが実に効果的。映像の視界が塞がれているのでかなり不安な画面構成にかっている。撮影ミスじゃなくて狙ってやっていたとしたら凄い。

朝飛の正体

神代はペンションの異常な事実を親友の朝飛に伝えようとするが、ヒロインは
「そんなバイトいないよ」
と言い放つ。呆然とする神代。そしてペンションのオーナー家族写真を見ると、そこに朝飛がいた。

つまり交通事故で死んだ息子とは朝飛だった!朝飛は幽霊として神代と一緒に大学生活を送っていたのだ。そして朝飛の死は交通事故ではなく、飛び込み自殺だった。朝飛はペンションのオーナー一族としての呪われた運命に絶望したのだっった。


「主人公が出会った人が幽霊だった」ってのはよくあるトリックだけど、「主人公の昔からの友人が幽霊だった」というのは斬新。良い意味で驚いた。

前前前世に戻る

地獄の門の影響で鬼と化した朝飛は神代を襲う。だがヒロインは彼らの過去世を呼び覚ます。


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注:幸福の科学の映画は輪廻転生が重要な思想なので、彼らの映画には必ず過去に戻って冒険するシーンがあります。『君の名は。』みたいに口寄せ酒なんてアイテムいらないぜ。

で、ここで平安時代をの森を舞台にして、神代と朝飛の冒険が始まる。神代と朝飛は平安時代からの熱い親友だった。しかし平安時代の朝飛は権力者に子どもたちを殺され復讐のために鬼となったのだ。

ストーリーの展開的にはたいしたことないので平安時代の部分は省略するけど、アクション描写はかなりのもの!低予算映画なので肉弾アクションを連発している。気合入っているシーンばっかりで嬉しい。平安時代を舞台にしたアクションというのも新鮮だ。


最後の戦い

神代と朝飛の長い戦いが始まる。最終的に神代は鬼と化した朝飛を成仏させた。親友を死なせてしまったことになった神代は後悔する。ちなみに鬼となった朝飛をどうやって倒したかというと、ヒロインから貰った七支刀で!やっぱり七支刀こそが日本最強の剣なんだなぁ。


『君の名は。』を完コピ

ここで『君の名は。』を完コピしたシーンが!
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神代とヒロインが、この画像みたいに青空の前で横向きで見つめ合って、そして光の部分にエル・カンターレ(教祖)が出て来るのがクライマックス!映画館で信者に囲まれた状態で笑いこらえるの大変だったぜ。

そしてヒロインの正体はこの世界を正すためにやってきたエル・カンターレが遣わした天使だったのだ。主人公がヒロインをストーカーしていると見せかけて、実は天使であるヒロインがずっと主人公をストーカー的な意味で見つめ続けていた(そしてエル・カンターレも)。これが『君のまなざし』の意味だった。

しかしここで衝撃の事実、この映画は主人公と巫女のラブストーリーではないのだ。一体主人公と誰のラブストーリーなのか?


3段妄想オチ

神代は病院のベッドで目を覚ます。実はオープニングで溺れて以来夏の間意識不明のまま入院していた。今までのシーンは全て夢落ちだったのだ。やっと眼をさましたかい。

  • 親友←実は幽霊だった
  • ヒロイン←実は天使だった
  • 主人公←実は夢オチだった

と、登場人物全員実態が無いというオチ。俺は全部のトリックに引っかかったのでかなり悔しい。


衝撃のラストシーン

退院した神代は夢の中で見たペンションを探しだす。そこにはペンションのオーナーと、息子の朝飛がいた!魂が救われた朝飛は自殺せずに、生き残っていたのだった。そして朝飛は神代のことも覚えていた。平安時代から続く神代と朝飛の物語が今繋がった。二人は笑いながら抱き合う…END。


ラストシーンの解説

というわけでまさかのボーイズラブ落ち!男と女の物語かと思いきや男と男で『君の名は。』だったでした。これは良い意味で驚いたし、見事なオチだ。ヒロインがヒロインの座を男に奪われているというのもいいね。

ノベライズ版だと、主人公が最後に抱き合うのはアサヒじゃなくてヒロイン。しかもお互い記憶が無いので、ラストにちょっとだけ相手を思い出すという終わり方。これだと『君の名は。』と全く同じなので、ボーイズラブオチの映画版のほうが良い。

森とスピリチュアル

日本は世界有数の森林国家なので「森とスピリチュアル」を題材にした映画が多い。「森とスピリチュアル」をメインに据えている映画といえば

  • 安倍晋三首相が推薦した『ライアの祈り』
  • EXILEが作った『たたら侍』
  • 幸福の科学が作った『君のまなざし』

と、これ以上権力を握って欲しくない人たちがよく森とスピリチュアルに手を出している(注:安倍晋三首相は母親に利用されただけ)。ただ『ライアの祈り』と『たたら侍』はスピリチュアル要素にガチで取り組んでいてドン引きするのに対して、一番怪しい幸福の科学がスピリチュアル要素をエンターテイメントとして割り切っている。だから『君のまなざし』が一番面白い。それでいいのかクールジャパン!



あ、撮影している本とかはちゃんと買ってるからね!
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俺の名はギッチョ。

今回のオチ。俺には『君の名は。』を一緒に観に行って付き合い始めた運命的な彼女がいるんだけど、幸福の科学の本とか買っていたら彼女からこんなLINEが来た。
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あと最近別れた。