破壊屋ブログ

ネタ系映画ブログです。管理人はこの人→http://hakaiya.com/giccho

AIイラストでWBC

23年間やっている破壊屋初の野球ネタかつAIイラストネタという特殊なエントリーです。最近AIイラストにハマっていて、WBC決勝進出した各国の女性選手をAIで生成してみました。モデルはAresMix(アダルト系だけどリアルな美男美女が生成しやすい)です。

オーストラリア


日本


イタリア


メキシコ


ベネズエラ

年齢は30歳を指定したんだけど、もっと若いように見える。

幸福の科学アニメ映画ベストテン

毎年、日本のアニメ映画ベストテン発表していましたが、今年から「邦アニベストテン」に移設しました。なのでここでは『幸福の科学アニメ映画ベストテン』を発表します!

1位:宇宙の法―黎明編―(2018年)

宇宙の法-黎明編-
大川隆法が書いた原作が酷すぎて使い物にならなかったので、おそらく普通のアニメスタッフが脚本を書いた作品。クレジット上の脚本家は当時の後継者だった大川咲也加になっているが、絶対に別の人が脚本書いている。
幸福の科学の敵に「レプタリアン」というのがいるんだけど、このレプタリアンの女将軍(ビキニアーマー)が主人公に敗北し、主人公の捕虜になって「クッ殺せ」と言うが、そのうちに囚われの身のまま主人公と恋仲になる!という普通のアニメストーリー。だからこそ面白い。
本作は『UFO学園の秘密』の続編だ。前作の主人公は正義感がやたら強い熱血ヒーロー高校生だったんだけど、彼が大学生になった本作では就職に失敗して挫折している。逆に前作で主人公の引き立て役だったオタクキャラは、本作では配信で成功して人気者になっている。この設定は「熱血主人公の残念なその後の人生」を描いていてお見事だ。

2位:仏陀再誕(2009年)

仏陀再誕
大川隆法をモデルにした主人公が、池田大作(創価学会)や浅井昭衛(顕正会)を足したような宗教家と超能力バトルするという娯楽作。
ゴジラキングギドラが戦う『キング・オブ・モンスターズ』という映画があるけど、『仏陀再誕』こそが真のキング・オブ・モンスターズだろう。

敵の宗教家の兵器がUFO軍団や津波なのが衝撃的だ。なんせ
「なぜUFOや津波が出てくるのか」
という説明が一切無い
「宗教家ならUFOや津波くらい出せます」
という事なのだ。


3位:UFO学園の秘密(2015年)
UFO学園の秘密 The Laws of The Universe - Part0
2015年のこの作品から宗教色がやや薄まり、逆に宇宙色が強まる。当時の大川隆法は宇宙連合の代表であるインカールと会合した!と主張しており、その体験を元に作られた作品だ。
最大のツッコミ所はインカールがどう見てもメーテルだということ。

公開時の私はこの設定を散々バカにしたけど、松本零士が亡くなった今では
「まあメーテルって昭和生まれの男である俺たちには宇宙を感じさせる存在だよな」
と妙な連帯感を感じる。ちなみに海外版だとインカールの声優は『フラッシュダンス』のジェニファー・ビールスだ。

4位:宇宙の法―エローヒム編―(2021)

宇宙の法-エローヒム編-
アベンジャーズの影響を受けて作られた映画。主にキャプテン・マーベルとロキをモチーフにしたキャラクターが登場する。ネタバレにならないように書くが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクライマックスであり一番盛り上がる「敵がアベンジャーズへの空爆をやめる」あのシーンを、オープニングでパクっている。いやアレをパクれるのは逆に凄い

5位:黄金の法(2003年)

黄金の法 エル・カンターレの歴史観
舞台は25世紀。30世紀からタイムマシンでやってきたヒロインは…ってその設定なら25世紀じゃなくて現代を舞台にすべきでは?と思う。タイムマシンで人類の歴史イベントに立ち会いながら宗教を学ぶという内容で、結構楽しい。
ちなみに25世紀ではアトランティス大陸が再浮上して、みんなそこに移住しているという設定です。今どきの若い人にはピンと来ないかもしれませんが、アトランティス大陸人類史と共にある陰謀論で、私のようなオッサンなんかは「アトランティス大陸」という言葉を聞いただけで、
「つまり超古代文明の最先端科学が登場してもおかしくない!」
と、どんなトンデモ展開でも勝手に納得するくらい洗脳されています。


6位:永遠の法(2006年)
DVD>永遠の法 (<DVD>)
主人公たちが地獄に行ってニーチェヒトラーと戦うという話。クライマックスに登場する巨大な敵ビヒモスの作画は圧巻で良い意味でビックリするが、ビヒモスを倒すために霊界から巨大ロボット:エンゼルX1が降臨するのは悪い意味でビックリする。
大川隆法の書籍には巨大ロボットが何度か登場するのだが、映像化されたのはこの一回のみ。止めている周囲の人達、グッジョブ。


7位:神秘の法 The Mystical Laws(2012年)
神秘の法-The Mystical Laws- [DVD]
政治色がもっとも強いアニメ。反中路線なので敵のモデルは明らかに中国。憲法9条批判もある。またこの頃の大川隆法は健康問題にかなり気を使っていたのだが、映画の宣伝の際に「観るだけで病気が治る」という割りとアウトな宣伝も展開した。

余談だがロシアのウクライナ侵攻が起きたため、大川隆法が映画を何本も作って訴えていた「大国の侵略による戦争」は現実になった。本来なら「大川隆法は変なコトばっかり言ってるけど、これは当たったな」となるはずだが、大川隆法はロシア支持派になってしまったので説得力が無くなった。ここら辺に大川隆法の政治的バランス感覚が皆無なことが伺える。


8位:ヘルメス 愛は風の如く(1988年)
ヘルメス 愛は風の如く [レンタル落ち]
幸福の科学アニメの第一作、知らずに観に行った人多数。超絶美男美女夫婦のヘルメスとアフロディーテ大川隆法夫妻なのだ。幸福の科学アニメは大川隆法キャラの美化が激しいので笑ってしまうが、夫婦を美化したこれはかなりキツい。奥さんはその後離婚したので幸福の科学から猛攻撃を食らっている。
地獄で大冒険して最終的に天国に行く。という幸福の科学アニメのパターンは既に確立しているが、どう見ても地獄のほうが楽しそうで天国のほうが退屈そうなのも確立している。まあ製作者たちは信者ではない一般人なので好き勝手に演出できる地獄の描写に一番力を入れるのでしょうがない。


9位:太陽の法 エル・カンターレへの道(2000年)
太陽の法 エル・カンターレへの道
大川隆法ことエル・カンターレが様々な神々に転生していく様子を映し出すだけの映画。観客を楽しませる努力を放棄したような作品でかなりの駄作。とはいえ登場する神々の声を全て子安武人が演じており、説得力は妙にある。大川隆法よりも子安武人のほうが偉大さを感じる。



というわけで10本無いので9位まででした。世俗の影響を受けやすい大川隆法がご存命なら、バスケチームを題材にしたアニメが生まれたかもしれない。

2022年の邦アニ・ベストテン(Twitter投票を集計しました)

今年から形式を変えて、hakaiya.com内の特設サイトで発表します!9年ぶりの破壊屋更新です。

hakaiya.com

そして1位と2位はまさかの一点差です!hakaiya.com時代を含めると15年以上、集計企画をやっています。それでもここまでの激戦は初めてです。集計終わった時にうめき声が出るほどビックリしました。

日本のアニメ映画ベストテンとは

日本映画のベストテンを決める「映画芸術ベストテン」が選考対象からアニメを除外したのをキッカケにして生まれた企画です。「じゃあ逆に日本のアニメだけを対象にしたベストテン企画を作ろう!」ということで、その年の一番面白かった日本のアニメ映画を皆さんの投票で決めます。毎年1月下旬~2月上旬に実施しています。

2021年の結果

  1. シン・エヴァンゲリオン劇場版
  2. アイの歌声を聴かせて
  3. 映画大好きポンポさん

hakaiya.hateblo.jp
有効投票人数:168名

2020年の結果

  1. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
  2. 魔女見習いをさがして
  3. 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

hakaiya.hateblo.jp

2019年の結果

  1. 天気の子
  2. プロメア
  3. この世界の(さらにいくつもの)片隅に

hakaiya.hateblo.jp


2018年の結果

  1. 若おかみは小学生!
  2. リズと青い鳥
  3. ペンギン・ハイウェイ

hakaiya.hateblo.jp
若おかみは小学生!』は有効投票数の8割以上が投票しました。これほど得票率が高い映画は二度と出て来ないです。

2017年の結果

  1. 夜は短し歩けよ乙女
  2. 夜明け告げるルーのうた
  3. きみの声をとどけたい

hakaiya.hateblo.jp
1位2位が湯浅政明監督という圧倒的強さを見せてくれました。

東京アニメアワードフェスティバルの『メカアマト』1位は組織票なのか?

マレーシアのアニメ『メカアマト』↓。コンセプトは日本のアニメの影響が強いけど、実際に本編を観るとアクションやキャラの動きはディズニーの影響が強い。ディズニーを再現できるほどマレーシアのアニメが力をつけていると感じる。ヒロインが車イスでそこに悲劇性が全く無いという点も良い。

毎年繰り広げられる組織戦

東京アニメアワードフェスティバルのアニメファン賞という毎年、組織票で盛り上がるアニメ賞があります。私の思い出に残っている組織戦は2020年。

  1. アイドリッシュセブン Second BEAT!
  2. KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-
  3. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

上位二本がイケメンアニメなのは、女性のアニメファンたちの熱心な組織票の成果だったのですが、これに男性のアニメファンたちが強く反発。彼らは
「イケメンアニメじゃなくて劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンが受賞すべきだ!」
という妙な使命感みたいなものを発揮して、Twitter上で壮大な組織戦が展開されました。しかし結果は画像の通りダブルスコアのフルボッコです。現実でもアニメでもイケメンには勝てないという残酷なテーゼになりました。


今年は『メカアマト』が1位

今年はそれ以上の組織戦が展開されました。マレーシアのアニメ『メカアマト』に海外(主にマレーシア)からの投票が殺到して1位になって集計が締め切られたのです(2/9の結果発表でどうなるかは現時点では分かりません)。当然ながらこの組織票に反発が生まれました。そしてメカアマトファンからの「組織票ではない!」という反論もありました。


というか一位のアニメは毎年「組織票だ!」と叩かれます。

組織票とは?

何を基準にして「組織票」と呼ぶのは難しいです。私から見れば

  • 一人一点の投票企画で、ファン同士が投票を呼びかける

という時点で組織票です。スクリプトを使わない田代砲*1みたいなもんです。海外からの投票が殺到している『メカアマト』は、私の判断でしたら組織票そのものです。今まで何度も書いてきましたが、私はこれを悪いことだとは思っていません。私のアニメベストの企画でも去年から投票の呼びかけを解禁しました。

組織票の推奨

それに東京アニメアワードフェスティバルは仕組み上、組織票を推奨しているアニメ賞です。画像参照↓

↓ツイート拡散!

↓毎日投票!

↓2位が迫ってる!

他のアニメもやっているのに、『メカアマト』だけが組織票を叩かれるのは理不尽です。今回の騒動を受けて私もこのようなツイートをしました。ツリー形式です。




組織票をどうやって判断するか?

ただですね。ちょっと気になって調べたのですが、やはり『メカアマト』1位は悪い意味での組織票っぽいです。前述の通り組織票の判断基準は難しいのですが、私の集計システムには組織票対策で

  • 投票したアカウントがいつ作られたのか?
  • 投票したアカウントのフォロワーは何人か?

というのを調べる機能があります。これで組織票っぽさが可視化できると思います。この機能を使って東京アニメアワードフェスティバルへの投票ツイートを調べてみました。自分の所ではテスト以外で一回も使わなかった機能を他の企画で使うとは…。


調査結果

調査対象の映画は以下の3本です。2月1日に調べたので凍結騒動の影響は無いです。

  • メカアマト(一位だったから)
  • 劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ(二位だったから)
  • 犬王(東京アニメアワードフェスティバルのベストテン作品で、唯一これだけが破壊屋のベストテンにも入るから)

上記3本に投票したアカウントのうち、2023年に作られた、つまり投票が始まってから作られたアカウントと、フォロワーが3人未満、つまり実態性が低いアカウントがいくつあるのか調べてみました。

結果は下記です。

タイトル メカアマト うたプリ 犬王
調査対象のアカウント数 472人 472人 472人
2023年に作られたアカウント数 58人 2人 1人
フォロワーが3人未満のアカウント数 205人 7人 1人


いや、もう明らかに『メカアマト』怪しいですね。4割以上が怪しいアカウントによる投票です。ちなみにうたプリと犬王に投票した2023年アカウントは直接調べましたが、全然怪しくないです。逆に『メカアマト』に投票しているアカウントは、本当に怪しいのばっかりです↓

結論

ファンの熱意ではなくて、資本を使った組織票です。私の企画でコレをやられたら、私は恐らく『メカアマト』を失格扱いにすると思います。
このような投票をどう扱うかは主催者側の判断に任せるべきです。今後の集計結果の発表で『メカアマト』が1位になっても、ならなくても(投票結果から作為的な投票を作為的に除外しても)、私は東京アニメアワードフェスティバルの判断を支持します。
それに純粋な海外アニメファンによる『メカアマト』への投票もとても多かったです。海外アニメファンはたいてい親日家なので、この結果を過剰に叩くようなことはしたくないです。
ちなみに海外からの投票によって、日本の映画賞で不自然な結果になるのは、以前もありました。いずれ破壊屋で取り上げます。

最後にファン投票の賞企画の悲しい性質

ファン投票の賞企画って組織票を認めないと盛り上がらないという欠点があるんですよ。盛り上がらないと知名度が低いです。知名度が低いと結果発表してもメディアも取り上げません。組織票を認めない誠実なメディアによるアニメ賞のオフィシャル企画、いくつかは盛り上がらずに消えました
みなさん私のアニメベストの企画にも投票お願いします。うちも有効投票数が100人も無いんです…。有効投票数を増やすために

  • 最低でもアニメ邦画を3本観ている人

というルールを撤廃しようか毎年悩んでいるのですが、今回のメカアマト騒動を見て「このルールは必須だな」と確信しました。

hakaiya.hateblo.jp

*1:アメリカの雑誌がパーソン・オブ・ザ・イヤーの投票企画を実施したら、田代まさしが1位になった行為

2022年の日本のアニメ映画で一番面白かった作品を決めよう!


2022年の日本のアニメ映画で一番面白かった作品を決めよう!


今年もこの時期がやってきました!みなさんが面白いと思った2022年の日本のアニメ映画を教えてください

アイキャッチ画像はスラダンですが、私は『THE FIRST SLAM DUNK』未見です。だから
「話題作を見てない!」
という人でも遠慮無くジャンジャン投票してください。

  • #2022年日本のアニメ映画ベスト3
  • #2022年日本のアニメ映画ベスト5
  • #2022年日本のアニメ映画ベスト7
  • #2022年日本のアニメ映画ベスト10


上記のハッシュタグをつけてツイートすれば投票になります。Twitterアカウントを持っていない方は、このブログのコメント欄に記入してください。皆様の投票内容を私が集計します。


投票開始のツイートはこれです↓




アニメ邦画のリスト

リストを作ってくれた@mohnoさん、ありがとうございました!少し変更しています。

リストについて

  • このリストは毎年毎年議論になりますが、議論の答えはここに書いてあるので、議論したい人は議論する前に必ず読んでください!

新ルール:リバイバル映画祭は削除

リバイバル映画祭は削除」を新ルールに追加しました。理由は↑を読んでください。この新ルールに従って『25周年ポケモン映画祭』『新海誠IMAX映画祭』関係の作品がリストに載っていません。リストに載ってないだけで実際には集計します。投票した人には「リバイバル上映を観た上で2022年の新作アニメとして評価したい」という意図があると信じます。

指先から宇宙まで

リストには載っていませんが「指先から宇宙まで」への投票は各短編全部への投票と判断し、集計時に死に票が少なくなるように分割か結合のどちらかを選択します。

リストの功労者

去年に引続き、mohnoさんが作ってくれたのを私が少し編集しています。mohnoさんのオリジナルのExcelファイルが本当に素晴らしいので、
mohno.hatenablog.com
興味ある方は↑からダウンロードしてみてください。

「新作のアニメ映画」の定義

そして年々「新作のアニメ映画」の定義が難しくなっているのを感じます。mohnoさんの指摘で知りましたが『名付けようのない踊り』のように、実写映画がアニメ映画として各映画サイトでジャンル分けされているパターンもあります。ただ毎年書いてますが方針は下記です。

  • リスト外の作品でも基本的に全て集計します。
  • ただし「その年の面白かった日本の新作アニメ映画を決める」がコンセプトであり、明らかにコンセプトを理解していない投票は集計対象外とします。

投票について

  • 投票期限は2月15日(水)とします。
  • 同一人物が何回か投票した場合は、時系列が一番最後の投票内容を採用します。期間内は何度も投票修正できます。
  • 長いタイトルは略称使ってください。

↓これとかコピペして使ってください。











#2022年日本のアニメ映画ベスト10

組織票大歓迎!

去年に引き続きファン同士の投票の呼びかけも大歓迎します!

得点偏差について


それでは、投票よろしくお願い致します!

祝!『ロストケア』が映画化、注!公式がネタバレ

こんなタイトルの記事ですがネタバレ一切無しです。


葉真中顕の『ロスト・ケア』といえば、介護を題材とした社会派ミステリー小説で、そのトリックは読者を絶対に騙す衝撃のモノ。ブロガーが日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞するという派手なデビューを飾った事でも話題になりました。
この映画版『ロストケア』が2023年3月24日に公開されます。ところがです…

詳細は書きませんが、映画の宣伝が始まった時点で小説のトリックがネタバレするんです。1年前に製作発表があった時、既にネタバレしていて私はビックリしました。

でもコレは仕方が無いのです。何故なら

  • 2013年:『ロスト・ケア』発表
  • 2016年:相模原障害者施設殺傷事件
  • 2018年:大口病院連続点滴中毒死事件(逮捕)

と『ロスト・ケア』発表後に『ロスト・ケア』みたいな事件が現実で発生しているんですね。私は
「事件発生後にロスト・ケアはよく炎上しなかったな」
と今も思っています。現実で殺人事件が起きたのに
「真犯人は誰だ?そのトリックは?」
みたいな映画は出来ないでしょう。あえてネタバレ状態にして
「どうして、この犯罪が起きたのか?」
という要素を主題に持っていくしかありません。

ミステリー小説を映画化する時に、ネタバレが前提になるのはよくある話です。直木賞を受賞した『私の男』は映画化する際に時系列を逆にしたので、原作のミステリー感が薄れています。
葉真中顕の最大ヒット作『絶叫』は、原作だと中盤で殺人事件の犯人が分かる構造ですが、実写版もマンガ版も第一話で犯人をネタバレしています。ネタバレしておかないと「これって何の話なの?」と視聴者がついていけないのです。

というわけで映画『ロストケア』の存在自体が小説『ロスト・ケア』のネタバレになっているのは仕方ないのです。でも3月に映画『ロストケア』の宣伝が始まった瞬間、全日本人から小説『ロスト・ケア』を読んだときの衝撃が奪われてしまうのが勿体ない気もする。ちなみに『ロスト・ケア』の「ケア」は「介護」を意味しますが、他にも日本社会が色々なことを「ロスト(失う)」していることも含めてます。
ロスト・ケア (光文社文庫)



話はちょっとズレますが、2022年人類最大のネタバレだった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のアレだって今や宣伝要素ですし、『進撃の巨人』の数々のネタバレ要素はアニメ化や映画化されるたびに一般常識になりつつあります。人類に「あらゆるコンテンツを初見のように楽しめる」技術は開発できないものか!?すごく危険そうだけど。