破壊屋ブログ

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『夜の大捜査線』を観ていたらエロ映画だと思われた

アメリカ映画史における重要作であり黒人差別を描いた大傑作である『夜の大捜査線』が大好きでDVD持っているのに、U-NEXTでも観ていた。
妻に
「何を観ているの?」
と言われたので
「夜の大捜査線」
と答えたところ
「エロいの見てる」
と言われてビックリした。

夜の大捜査線

「夜の」をつけるとエロい意味になる、というギャグは理解できるが私は「夜の大捜査線」という言葉にエロい意味は全く感じ取れない。ああそうか『踊る大捜査線』が原因なのか。「踊る大捜査線」のパロディ的な単語として「夜の大捜査線」と聞くと確かにエロい意味を感じてくる。でも実際はパロディの立場が逆転している。経緯はこうだ↓

  1. 『In the Heat of the Night(夜の熱気の中で)』が『夜の大捜査線』という邦題で公開される。
  2. 「大捜査線」という言葉が日本で定着してドラマのタイトルなどで使われるようになる。
  3. そのパロディタイトルとして『踊る大捜査線』がある。

まあ、そんな話は置いといて今回は現代日本人にはピンと来ない『夜の大捜査線』の面白ポイントを紹介します。まずは映画の序盤だけを紹介。

映画の序盤


黒人差別の激しいミシシッピ州の小さな町で、白人が殴り殺されて財布が奪われる事件が発生する。白人の警察官は夜の駅で「黒人が出歩いていた」ということで黒人を逮捕。財布の中に現金もあったので、黒人男性が犯人だと確信する。


早速取り調べを受ける黒人男性。実は彼はフィラデルフィアの殺人課の敏腕刑事だった。財布の中に大金が入っていたのは高給取りだったからだ。この黒人男性が主人公。


主人公はフィラデルフィアの署長に身元を保証してもらうが、署長は「ついでに事件解決に協力しろよ」と命令。白人の警察官たちは殺人事件の捜査方法など知らないのだ。主人公はアメリカ南部の激しい差別に晒されながら、この事件の捜査を始める。

映画史上最高の名セリフ


映画史上最高の名セリフの一つとして有名な
「They call me Mr Tibbs(ミスター・ティッブスだ)」
だけど、日本語版だとサッパリ分からないので解説します。
このセリフは日本映画史上最高の名セリフである『AKIRA』の
「さんをつけろよデコ助野郎」
とやや似ている。



主人公の名前は「バージル・ティッブス」なんだけど、この「バージル」がお洒落な名前なのだ。白人から見ると黒人っぽくなくてギャグも同然。

だから主人公が名乗ると白人の警察官が笑いだす。さらに白人の警察官たちは面白がって「バージル」とファーストネームで呼び捨てるのだ。「バージル」と言われるたびに主人公は一瞬固まるんだけど耐える。

そして白人の署長から
「バージルはニガー・ボーイにしては粋な名前だ、お前の地元のフィラデルフィアでは何と呼ばれている?」
と聞かれる。ちなみに黒人男性に向かって「ボーイ(坊や)」と呼ぶのは奴隷制度の名残のため差別的な表現だ。

それに対して主人公は
「They call me Mr Tibbs(ミスター・ティッブスと呼ばれている)」
と激怒する。
つまりこれは「ミシシッピとは違ってフィラデルフィアだったら、ちゃんとファミリーネームで呼ばれている。ミスターも付けてもらっている。お前らと違って洗練されている!」というシーンなのだ。

歴史的衝撃シーン

これは劇中の平手打ちシーン↓今となっては全く普通のシーンに見えるけど、実は歴史的なシーンで公開当時は黒人たちが「このシーンを見るために映画館に駆け付けた」というほど衝撃的だった。
youtu.be

黒人が白人に暴力を振るうなんてあり得なかったのだ。当時は公民権運動が盛んでこのシーンは「これからの時代は黒人もちゃんと抵抗する」を表現している。

逆偏見

この映画は黒人男性の主人公が酷い偏見と決め付けに晒される映画だ。でも実は主人公も偏見と決め付けを持って捜査しているんだよね。U-NEXT版もDVD版でも翻訳が不十分で分かりにくいけど、主人公は「黒人を差別する人が犯人であって欲しい」と思って誤った捜査をしている。

撮影

劇中で橋の上を逃げる男性にズームインするシーンと、列車の中にいる主人公の顔を写しながらカメラがズームアウトするシーン。今となっては普通の撮影だけど、当時としては画期的な撮影だった。

というわけで『夜の大捜査線』はエロくない映画なんだけど、よく考えてみればこの映画は「夜になると16歳のエロエロ美少女が全裸でウロついているので*1、警察官がパトロールついでに様子を見に行く」がオープニングであり、それが事件に繋がっていくので、まあエロい意味も当たりかもしれない。

*1:演じる女優は25歳

地獄先生ぬ~べ~とIT技術

『地獄先生ぬ~べ~』が再アニメ化され、さらに短期間ですが漫画『地獄先生ぬ~べ~PLUS』が連載されました。感想の検索をかけると「ぬ~べ~にスマホとタブレットが登場している!」と驚いてる人が多いです。英語圏でも同様の感想があります。

でもぬ~べ~って10年以上前からスマホが登場しているんですよ!実は『地獄先生ぬ~べ~』は最先端な作品なのです。

にもかかわらず『地獄先生ぬ~べ~』に古風なイメージを持っている方が多いので、今回は『地獄先生ぬ~べ~』に登場するIT技術を紹介します。

地獄先生ぬ~べ~ 1993~1999


90年代前半の時点で、科学が好きな大月先生やメカ好き少年の晶が既にパソコンを持っています。さらにぬ~べ~もワープロらしきものを使って仕事しています。連載後半ではぬ~べ~がiMacを使っていたり、いずながPHSを使っていたりします。

パソコンは電気羊の夢を見るか!? 1997



IT関係の大傑作エピソードは1997年の『パソコンは電気羊の夢を見るか!?』です*1。一話完結でしたが現代の漫画家だったら単行本10冊くらい使って描きそうな盛り沢山な内容↓



広は福引でパソコン(NECのPC-9821シリーズ)を手に入れる。Windows95を起動しようとしたが、電話回線を通じてパソコンにウレンディーズ99がインストールされた。ウレンディーズ99は自我を持つ美少女OS(ウレ子)なのだ。ウレ子は広のために最新ゲームを企業のサーバーからダウンロードしたり、スキャナを使って読み込んだ広の宿題を代わりに解いたりするのだ。そしてウレ子は自分の肉体を手に入れるためにPHS回線を使って…。

とてもじゃないけど90年代の小中学生には理解できない最先端すぎる内容です。『パソコンは電気羊の夢を見るか!?』が登場するオリジナルの単行本18巻では子供向けのIT用語解説が数多くあり、オマケページでは何とMS-DOSやUNIXの解説まであります。

連載当時でも「人口知能が自我を持って反乱を起こす」や「友達みたいなロボット(ドラえもんとか)」はメジャーだった設定ですが、『パソコンは電気羊の夢を見るか!?』の人口知能が人間に恋をして人間を乗っ取ろうとする。という設定は現在でも非常に斬新です。Wikipediaのフィクションにおける人工知能に載せてほしいくらい。


霊媒師いずな 2007~2011、霊媒師いずな Ascension 2011~2016


スピンオフの『霊媒師いずな』ではIT企業ネタやWebネタが何度も登場します。連載終盤ではドローン妖怪も登場。IT企業が何度も登場するのは当時はITブラック企業が社会問題になっていたためでしょう。素晴らしいのはWebネタで、いくつかご紹介します↓どれも一話完結で使ってしまっているのが勿体ないくらい優れたエピソードです。

  • オンラインゲームのアバター同士で恋をしていたカップル。意を決して相手に会ってみると実は相手が妖怪だった。妖怪がアバターを作って異性を誘惑していたのだった。
  • 一人暮らし女性のオンライン配信を見ていた男性が、部屋の中に死体らしきものが映っていることに気が付く。配信の管理会社に連絡するとそんな女性はいないと言う。実は悪霊のオンライン配信を見続けていたのだった。
  • いずなはオンライン上を移動するタイプの悪霊と戦う。悪霊を倒すためにはノートパソコンに入った瞬間にUSB端子に挿入されている無線LAN子機を引っこ抜くしかない!

最後のネタは『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』と同じアイデアで、それを既に15年前にやっているのが驚きです。しかも説明シーンはたったの2コマですぜ!『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』だと説明シーンが5分以上あるのに、それでも置いてけぼりになる観客多数です。

地獄先生ぬ~べ~NEO 2014~2019


NEOでは第二話から既にスマホが登場しています。童守小学校には立派なパソコン室があり、IT関係に恵まれている学校だと分かります。ぬ~べ~とゆきめがビデオチャット(Skype)で遠距離恋愛していたり、大人になった晶がAI開発者になっていたり、敵である地獄人たちはタブレットを使って計画を練っていたりと、コロナ禍前のマンガとは思えないほど現代的な作品です。

特に地獄人たちがタブレットを使っているのが驚きです。フィクションで「悪の計画」を説明するシーンって「水晶玉」的なアイテムが必須だったのですが、もう「水晶玉」が無くても「悪の計画」を表現できる時代なのです。
また生徒のスマホに課金ガチャとして取りついた妖怪を倒す方法が、ぬ~べ~が親御さんに連絡してスマホの課金額を調べてもらうという風に戦い方も現代的です。

地獄先生ぬ~べ~S 2018~2021

都市伝説をモチーフにした『地獄先生ぬ~べ~S』ではITネタは減りますが、それでもVR空間の妖怪やユーチューバーの妖怪などが登場します。
ITネタからは離れますがウォータースライダーと刃物を描いた映画『アクアスラッシュ』を翻案したエピソードがあり、ウォータースライダーの中に登場する刃物はなんと鬼の手↓

このような大胆な改変ができるのもぬ~べ~の面白いところです。

地獄先生ぬ~べ~PLUS 2025


『地獄先生ぬ~べ~』のIT技術を追い続けた私でも、広や響子と共にスマホが登場したり、アニメ版でぬ~べ~がタブレットを持っているのは新鮮だったので「ぬ~べ~にスマホ!」と驚く人たちの気持ちは分からないでもない。


最後に

「悪霊」とか「妖怪」とか心霊現象には古風なイメージがあるかもしれません。でも心霊現象にハマったトーマス・エジソンやコナン・ドイルのように、その時代の最先端技術と心霊現象は実は相性が良いのです。『地獄先生ぬ~べ~』はそれを証明する作品だと思っています。

オマケ

AIで作ったハリウッド版地獄先生ぬ~べ~。若い頃のトム・クルーズっぽいな。

*1:アンドロイドは電気羊の夢を見るか、のパロディ

2025年上半期映画ベスト50(ネット投票を集計しました)

ハッシュタグ「#2025年上半期映画ベスト10」を集計しました。有効投票1627人が選んだ上半期ベスト映画は『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』でした!





順位 タイトル 得点
1 位 トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 5290.5
2 位 教皇選挙 4369.5
3 位 サブスタンス 4093.5
4 位 国宝 3750.5
5 位 ANORA アノーラ 2757.0
6 位 F1/エフワン 2460.0
7 位 罪人たち 2112.5
8 位 ウィキッド ふたりの魔女 1983.0
9 位 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 1918.5
10 位 野生の島のロズ 1850.5
11 位 サンダーボルツ* 1674.0
12 位 ファーストキス 1ST KISS 1666.0
13 位 ビーキーパー 1486.0
14 位 ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング 1474.0
15 位 ドールハウス 1402.0
16 位 ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 1237.0
17 位 名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN 1174.5
18 位 Flow 1171.5
19 位 リアル・ペイン〜心の旅〜 1123.5
20 位 1026.5
21 位 見える子ちゃん 1020.5
22 位 ネムルバカ 973.5
23 位 We Live in Time この時を生きて 855.5
24 位 ブルータリスト 843.0
25 位 雪子 a.k.a. 712.0
26 位 片思い世界 704.0
27 位 28年後… 672.0
28 位 聖なるイチジクの種 645.0
29 位 フロントライン 617.5
30 位 機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning- 595.5
31 位 リライト 553.5
32 位 映画ドラえもん のび太の絵世界物語 520.0
33 位 愛を耕すひと 505.5
34 位 ガール・ウィズ・ニードル 501.0
35 位 ドマーニ!愛のことづて 492.0
36 位 ルノワール 488.5
37 位 シンシン/SING SING 487.5
38 位 異端者の家 472.5
39 位 年少日記 465.5
40 位 キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド 461.5
41 位 たべっ子どうぶつ THE MOVIE 461.0
42 位 か「」く「」し「」ご「」と「 459.5
43 位 秋が来るとき 443.5
44 位 MaXXXine マキシーン 439.5
45 位 ゴーストキラー 429.0
46 位 ベテラン 凶悪犯罪捜査班 425.5
47 位 アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方 424.0
48 位 ミゼリコルディア 420.0
49 位 セプテンバー5 411.5
50 位 無名の人生 406.0

集計ルール

集計ルールは邦アニベストテンに準拠しています。ただし10本未満の人は集計対象外です。同じ映画を複数書く行為、何度も投票するといった行為は除外しています。

得点調整

今回はシリーズ映画の同時公開が無いので得点調整は発生していません。

八代亜紀のヌード写真騒動は「さす九」なのか?

八代亜紀のヌード写真騒動の件で、はてなブックマークでリベラル派として有名なアカウントによる↓が人気コメントになっていてビックリしました。

金銭要求目的の嫌がらせに性暴力を用いる鹿児島のヤクザ者、さす九

何で?と思ってX検索かけたら、出るわ出るわ。







鹿児島では女性に人権とか尊厳ないの?

鹿児島県の会社だという事を知って九州に旅行に行くのはやめる事にした「 さす九 」通り越して修羅の国じゃん。

どこの会社やってみたら九州やって、これやから「さす九」って言われるんや

さす九って、故人さえも女体消費するのやばすぎる。人権って言葉を九州に広めないとやばいね


ヌード写真付きCDを発売する「ニューセンチュリーレコード」の登記情報が鹿児島ということで、「さす九」扱いされた模様です。

まずですが、今回の騒動を起こしている早川寛氏は会社の住所を「東京都目黒区」と答えています(実態無いと思いますが)。それに鹿児島の「ニューセンチュリーレコード」は2023年にみなし解散*1しています。早川寛氏によると復活の登記申請をしたのでどうなるか分かりませんが。この辺りの経緯は週刊女性の取材が詳しいです

ニューセンチュリーレコードは2017年まで東京で活動していましたが、早川寛氏の鹿児島移転に伴い登記情報を鹿児島に移しました。登記情報やHPの画像から察するに本人の自宅を事務所にしたのでしょう。早川寛氏の出身地は不明ですが、東京では色々と悪どいことをやっていました。東京時代のニューセンチュリーレコードは所属タレントに売春強要して、所属タレントから告訴されて敗訴しています。さすが東京って感じですね。八代亜紀が熊本出身であることや、熊本の県知事や市長たちが騒動に怒りの表明をしていることからも*2、「さす九」扱いは筋違いすぎる。

私自身はリベラルでありたいし表現の自由の観点から「さす九」という単語をタブー扱いしたくはありませんが、今回の騒動を「さす九」扱いするのは「私の差別は良い差別」な「さすリベ」な現象だと思います。

*1:法務局が会社を解散したものとみなす

*2:これはこれで政治による圧力だが、今回ばかりは応援せざるを得ない

開発地獄:ハリウッドで映画化されない日本のコンテンツ一覧

ネット上で「日本の〇〇がハリウッドで映画化されるはずなのに、どうなったの?」という書き込みをよく見かけます。これはハリウッドでは開発地獄(Development Hell)と呼ばれている現象です。ハリウッドでは大々的に映画化を発表して、その後映画化されない。という現象が多いのです。

今回はWikiの開発地獄リストの中から開発地獄に陥った日本のコンテンツをご紹介します。

AKIRA

AKIRA


開発開始時期

2002年

実現しそうだった企画

レオナルド・ディカプリオがプロデューサー、タイカ・ワイティティが監督。

開発地獄の理由

マーベルのせい。

コメント

ハリウッドで開発地獄に陥った日本のコンテンツで一番有名な作品は『銃夢』でしたが、『銃夢』はようやく映画化されたので今や一番有名なのは『AKIRA』でしょう。伝説的SF作品なので、ジェームズ・キャメロン、ジョージ・ミラー、クリストファー・ノーランといった有名監督たちが候補でした。2019年にディカプリオ&タイカ・ワイティティで撮影スケジュールが発表されましたが、タイカ・ワイティティがマーベルの『ソー:ラブ&サンダー』を優先させたため中止となりました。

ロックマン

ロックマンX アニバーサリー コレクション - Switch

開発開始時期

2014年

実現しそうだった企画

『パラノーマル・アクティビティ』シリーズのヘンリー・ジュースト監督。

開発地獄の理由

ディズニーのせい。

コメント

20世紀FOX(現:20世紀スタジオ)とカプコンが組んで映画化予定でした。しかしディズニーが20世紀FOXを買収した際に、ボブ・アイガー(ディズニーのポリコレ路線を象徴する人)が製作中止を発表しました。


舞(まい)(1) (少年サンデーコミックス)

開発開始時期

1980年代

実現しそうだった企画

ティム・バートン監督によるミュージカル版。

開発地獄の理由

ティム・バートンに逃げられたから。

コメント

海外タイトルは『Mai, the Psychic Girl』。開発地獄に陥る作品はそれだけ知名度が高いコンテンツですが、これは珍しく知名度が低い。実は音楽デュオのスパークスが『舞』の大ファンで、彼らがミュージカル化を計画しているのです。音楽だけ先に完成しているとのこと。

メタルギア

METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER 【メーカー特典あり】 <初回限定特典> DLCコード:ユニフォーム「ホワイトタキシード」 同梱

開発開始時期

2006年

実現しそうだった企画

ポール・トーマス・アンダーソン監督、ヒュージャックマン主演。

開発地獄の理由

コナミのせい。

コメント

え?ポール・トーマス・アンダーソン!?ポール・W・S・アンダーソン(バイオハザードやモンハンの人)じゃなくて?と思って検索かけたら、同じツッコミ入れている人が世界中に多数いた。
映画化の要望が非常に強い作品ですが、映画が失敗するとメタルギアのブランドが落ちるとコナミが判断しているため中々実現しません。この「コンテンツのブランドを守るために映画化が進まない」も開発地獄でよくある現象です。


ゼルダの伝説

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

開発開始時期

2007年

実現しそうだった企画

『メイズランナー』シリーズのウェス・ボールが監督で、現在準備中。

開発地獄の理由

1993年のスーパーマリオのせい。

コメント

任天堂が大失敗作『スーパーマリオ 魔界帝国の女神(1993)』の二の舞を恐れているため、長年ストップがかけられています。ただ2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の成功もあってか、再始動しました。

ゲームの映画化は失敗作が多く、映画が失敗するとゲームのブランドにまで傷がつきます。でもブランドに傷がつくのが怖いのなら、知名度が高いけどゲームの売り上げを気にしなくても良い作品、例えばパックマンとかなら映画化可能なのでは?

パックマン

【PS4】PAC-MAN Museum +

開発開始時期

1980年代

実現しそうだった企画

2025年映画化予定でした(過去形)。よりにもよってジャスティン・バルドーニ監督。

開発地獄の理由

監督のセクハラ。

コメント

2024年、アメリカで二番目にショッキングな芸能スキャンダルの起こしたジャスティン・バルドーニが監督予定でした。簡単に言うと女優へのセクハラ・中傷で『パックマン』の中止は当然でしょう。非常に複雑なスキャンダルなので各自調べてください。ちなみに一番の芸能スキャンダルはショーン・コムズのレイプ・パーティー。

パックマンは映画化された。という勘違いコメントが多いです!『ピクセル』はパックマンの映画化ではありません。パックマンが出演する映画は『ピクセル』以外にも色々あります。マーベルにもディズニーにも登場します。しかしパックマン原作の映画化は今のところ無いです。

ワンダと巨像

【PS4】ワンダと巨像 Value Selection

開発開始時期

2009年

実現しそうだった企画

『クロニクル』のジョシュ・トランク監督で映画化

開発地獄の理由

マーベルのせい。

コメント

これも「才能ある監督に映画化を依頼する→監督をマーベルに取られる」のパターンです。ジョシュ・トランク監督が『ファンタスティック・フォー』を優先させたために中止となりました。『ファンタスティック・フォー』は記録的大失敗でジョシュ・トランク監督のキャリアの致命傷となりました。こっちを映画化していればジョシュ・トランクは今もハリウッドで映画監督していたかも…。
現在は『IT』シリーズのアンドレス・ムスキエッティ監督が乗り気なのですが、予算が集まらない。という事情が先月明かされました。


以降はリストに載ってないですが、私が選んだ作品です。

君の名は。

君の名は。

開発開始時期

2017年

実現しそうだった企画

『スターウォーズ』『スタートレック』のJ・J・エイブラムスがプロデューサーで、監督が『アメイジング・スパイダーマン』のマーク・ウェブ。

開発地獄の理由

不明。

コメント

マーク・ウェブが監督に決まった時、新海誠監督は大喜び。『天気の子』ではマーク・ウェブの代表作である『(500)日のサマー』へのオマージュを取り入れるサービス(サッカーの凪先輩)も披露してくれました。しかしマーク・ウェブは降板。その後も監督の降板が続いています。


そして父になる

そして父になる

開発開始時期

2013年

実現しそうだった企画

スティーブン・スピルバーグ製作。

開発地獄の理由

不明。

コメント

カンヌでこの映画を観て号泣したスティーブン・スピルバーグが是枝裕和監督と対談。スピルバーグのドリーム・ワークス社を通じてリメイク権を獲得しました。しかしこれも頓挫。2020年にリメイクを諦めて原作扱いにすると発表されましたが続報無しです。

童夢

童夢 (OTOMO THE COMPLETE WORKS 8)

開発開始時期

1990年代

実現しそうだった企画

ギレルモ・デル・トロ監督で映画化。

開発地獄の理由

不明。

コメント

日本の漫画史において革命的な作品です。90年代にデヴィッド・リンチ、00年代にデル・トロで映画化が発表されましたが、その後頓挫しています。

宇宙戦艦ヤマト

宇宙戦艦ヤマト HDリマスター版

開発開始時期

1990年代

実現しそうだった企画

社会不適合者たちが宇宙船として再建された戦艦アリゾナに乗り込んで地球を救う。

開発地獄の理由

ディズニーとトム・クルーズのせい。

コメント

英語圏では『STAR BLAZERS』のタイトルで人気のあった作品です。90年代にディズニーが戦艦アリゾナに置き換えて実写化しようとしましたが、ディズニー内部の人事異動に伴い中止になりました。「悲劇の軍艦」は世界中に一杯あるので、『宇宙戦艦ヤマト』は日本固有の内容の割にはグローバルに汎用が効くアイデアかもしれませんね。

その後、2014年に当時無名に近い状態だったクリストファー・マッカリー監督に決定しましたが、彼が引き継いだミッション・インポッシブルシリーズが大成功。クリストファー・マッカリーはミッション・インポッシブルに集中することになります。

電車男

電車男 スタンダード・エディション [DVD]

開発開始時期

2018年

実現しそうだった企画

『ヘアスプレー』のアダム・シャンクマン監督によるミュージカル化。

開発地獄の理由

不明。

コメント

そもそもミュージカルというのも不明。

解説

アメリカはもっとひどい

今回取り上げたのは日本のコンテンツだけですが、開発地獄はアメリカのコンテンツのほうが遥かに酷いです。ハリウッドでは脚本が実際に映画化される割合は1割、つまり9割の脚本が無駄になっていて文化上の問題とも言えます。さらに映像化契約が成立した原作本が実際に映画化される確率は何とたったの2%。
『ザ・フラッシュ』や『デッドプール&ウルヴァリン』のように開発地獄に陥った没キャラクターが登場する。というネタでファンを喜ばせることもありますけどね。

日本のコンテンツが映画化できない理由

この手の話になるとネット上では「権利ゴロによる塩漬けだ!」という意見が多いですが、「権利ゴロによる塩漬け」が有効になるのは人気シリーズの最新作といった場合で、日本のコンテンツのハリウッド版では発生しにくいです。単純に「失敗リスクが高くて二の足を踏んでいる」だけです。
特にスーパーマリオ(1993)、GODZILLA(1998)、ファイナルファンタジー、ドラゴンボール、聖闘士星矢など「ジャパンのコンテンツのハリウッド版は大失敗」という印象が強い。

監督の取り合い

もう一つ重大な要因は今回の一覧を見てもらえればお分かりでしょう。「監督が決定したけど、監督の都合がつかない」です。そもそもハリウッドで開発地獄が発生する最大の要因は「監督に降板された」です。ハリウッドは映画監督の拘束期間が非常に長く、製作準備・撮影・編集・公開時の宣伝まで長期間拘束される上に、場合によっては世界中を飛び回って宣伝に協力する必要があります。それだけに監督の確保が難しく降板も多いです。優秀な監督は奪い合いの状態です。

日本の映画やドラマは主演俳優のスケジュールさえ確保できれば何とかなるため、ハリウッドのような発表されてからの開発地獄は少ないです。

監督の人種

今回取り上げた作品の多くは、監督が降板した後の代打監督たちが人種的にマイノリティーか白人の移民です。日本のコンテンツがマイノリティーや移民たちの活躍の場になるのは誇らしいですが、その一方で「現役の大物監督たちは日本のコンテンツに手を出さない」という現状も感じます。

人口知能に勝てた時代

私のこのポストがバズりました。この記事は14年前もバズったのですが、14年前と違ってオンラインゲーマーたちの反応が多いです。この14年間でオンラインゲームがそれだけ一般的になったのでしょう。

ただ、ちょっと誤った認識も多いので解説します。「誤った認識」とは
「15年間の勝利の蓄積があったから、父親は強くなれた」
系の感想です。改めて言いますが「15年間の勝利」は将棋の棋力の向上とは無関係です。

発売当時は画期的だったスーパーファミコンの将棋ですが
「プレイヤーが特定の指し方をすれば、CPUも特定の指し方をする」
という流れがあったのです。要はハメ技です。この指し方が分かれば、飛車角落ちでもCPUに勝てる。

私はこれを
「必ず解けるパズルゲーム」
と表現したのですが、ちょっと分かりにくかったですね。もちろんコレも将棋という知的ゲームの範疇です。ただ将棋の棋力の向上とは関係無い。

「どんなに高度な人工知能でも、対CPUには人間が勝てるハメ技が存在する」
という私世代(昭和生まれ)の常識が古くなっているのを感じます。

人口知能による核戦争を描いた1983年の映画『ウォー・ゲーム』なんてクライマックスが↓コレですからね(〇×ゲームで人口知能をハメられる、実際はもっと高度なシーンですが)。
youtu.be


あと他の誤った認識として
「藤井聡太は勝ち続けているが強い」
というのがありました。藤井聡太が極端な負けず嫌いで、子供の頃は負けると号泣していたのは将棋ファンには有名なエピソードですよ…。

邦アニベストテン2024の集計エピソード

邦アニベストテン2024の結果発表です!
邦アニベストテン2024

コメント欄で投票してくれた、皆様大変ありがとうございました!

有効投票

今回は過去最多の206名の有効投票がありました。非常に嬉しいです。ただX離れが起きつつあるので、次回は減ってしまいそうです。だからこそ、余計にブログのコメント欄への投票が嬉しいです。

私が観てない

2024年のベストテン、企画者の私が半分しか観ていないという有様です。 すいません、なので今回は作品紹介は少な目です。

映画ベスト100との差

プライベートでもネット上でも
「邦アニベストワンは鉄板でルックバック!」
と言い張っていたので、『トラペジウム』と『きみの色』の逆転勝利は心底ビックリしました。
ちなみに映画ファン投票では『ルックバック』の得点は『トラペジウム』と『きみの色』よりも四千点以上高いです。つまり四千点差以上がひっくり返ったのです。まったくの予想外でした。

ライオン・キング:ムファサは対象外

洋アニベストテンに『ライオン・キング:ムファサ』を入れませんでした。『ライオン・キング:ムファサ』は実写風CGI(Photorealistic CGI)というジャンルです。 実写風CGIをアニメに含めると、例えば『アバター』シリーズや『トロン』シリーズも含まれてしまいます。少なくともうちの企画では「実写風CGIは除外」という方針でいきます。

表現的多様性

邦アニベストテンの記事に「邦アニの表現的多様性もここまで進んだかという思いです」と書いた日に「新海誠風の絵柄は不適切」というポストが私のタイムラインに流れてきてショックでした。表現的多様性は簡単に否定すべきではない。まあ私は「表現は不適切であるべき」という考え方なので、そういう意味では同じ意見ですが。

フィクションの無力感

「フィクションの無力感」についても書きました。アメリカだと911テロ後に「フィクションの無力感」が指摘された時期がありましたね(実際にはアメコミヒーローがテロを防いでくれない)。

集計エピソード

毎年、ほぼ自動集計の企画なのですが、今年は前後編モノが多かったため目視検算が大変でした。実写では完全に廃れた前後編ビジネスですが、邦アニでは健在です。それと対象外の『ロボット・ドリームズ』への投票が相次ぎました。