舞台はアメリカの田舎町。主人公は都市部からやってきたハゲメン(薄毛でもカッコいい男性)のジェイソン・ステイサム。妻と死別してしまい、小学生の娘のためにルイジアナに牧場を買って生活することにしたのだ。
しかしJSなのにやたら戦闘力の高い娘は、学校でイジメっ子を制裁する。イジメっ子の母親は典型的なホワイトトラッシュのモンスターペアレントなので「うちのかわいい息子に何すんじゃ!」と校内で激怒。父モンペがジェイソン・ステイサムを懲らしめようとするが一瞬で返り討ちにされる。実はかつてのジェイソン・ステイサムは凄腕の捜査官だったのだ。
アメリカの南部の田舎町に都会からワケアリ&凄腕の男がやってくる。しかしその田舎町のトラブルに巻き込まれて……というのはよくある設定なんだけど『バトルフロント』が面白いのは発端がモンペ騒動だというところ。映画序盤で男ジェイソン・ステイサムが「相手の親が悪いけどとりあえず謝る」という実に日本人っぽい決断をするところなんかメッチャ面白い。
映画本編はモンペ両親⇒田舎町のチンピラ⇒主人公がかつて滅ぼした麻薬組織登場とどんどん話が悪化していく。
演技陣は麻薬依存の母モンペを演じたケイト・ボスワースが一番上手いんだけど、田舎町のチンピラ女王を演じるウィノナ・ライダーの姿も泣かせる(演技が泣けるという意味ではない)。ジェームズ・フランコ演じるチンピラ王がドンドン小物に成り下がる様も最高。
ところでこの映画、実はランボー5の脚本を流用したものだ。もともとは『HOMEFRONT』という小説があってそれをシルベスター・スタローンがランボー5用に書き直した。しかし企画が実現しなかったためにに、スタローンの盟友となったジェイソン・ステイサムに脚本をプレゼントしたのだ。
もし『HOMEFRONT』がランボー5として製作されていたら我々人類は「モンペに怒られて謝るランボー」を見る羽目になっていたのだ。悲劇は避けられた。ジェイソン・ステイサムよありがとう。
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