幸福の科学(大川隆法)はあらゆる守護霊を呼び寄せて勝手に霊言本を出している。最近だと手塚治虫の霊言本が大きな話題になった。
あらゆる有名人を呼び出してきたので、みんなが考える
「この有名人の霊言本って存在するのかな?」
はたぶんある。AKB48から天皇陛下にムハンマドまで、大川隆法に呼び出せない守護霊は無いのだ。
ところでこの手の霊言本が出ると、ネット上では必ずこういうネタが登場する。
「だったら大川隆法の霊言本を勝手に出そうよ!」
だけど大川隆法の霊言本は実際に1992年に出版されているのだ。グラップラー刃牙風に表現するのなら「そのネタは既に25年前に通過したネタだッ」ということだ。今回はこの大川隆法の霊言本を紹介する。
『大川隆法の霊言―神理百問百答』。作者はジャーナリストの米本和広と宗教学者の島田裕巳だ。この本は強烈なまでにアンチ幸福の科学で、昔の本とはいえ幸福の科学ウオッチャーたちにも何度かネット上で取り上げてきている。
形式としては、米本和広が大川隆法の霊に疑問をぶつけ、大川隆法の霊がその疑問に答えるというもの。答える内容は実際の大川隆法の発言だ。この辺りが妄想を書く霊言本とは違う。
ゼウスとジュピターを別人扱いする幸福の科学にツッコミ。
例えば
大川隆法先生は、耳の不自由な人をどう考えていますか?
という質問に対しては大川隆法の著作から以下の様な文を引用する。
神様が、人間はしゃべることの二倍聴きなさいと、こういうことで耳を二つつくっておられるのです。(略)ですから、耳の悪くなる人は、人の意見の聴き方が足りないということです。
ちなみに目が悪くなるのは社交性が無いから、足が悪くなるのは自立心が無いから、と批判している。凄まじい暴言のように感じられるけど、新興宗教にハマる人は「健康になりたい」という要求が強かったりするので、教祖様としてはこういう発言になるのだ。
また「不倫する女性は地獄に堕ちて350年間ライオンや人間に犯され続ける」というトンデモ論や、中国人や朝鮮人に対する暴言なども登場する。霊言本とはいえ、全部大川隆法の実際の発言だ。
ツッコミネタも満載で、大川隆法が召喚した老子の霊が「ニイハオ」と挨拶した件について「ニイハオは清朝末期以降の新しい挨拶の言葉」とツッコミ入れたりしている。
幸福の科学の霊言本シリーズは「守護霊が言っていることだから」ということで好き勝手にやっている。一見すると誰も反論できない無敵の手法に思われるけど、ただ一つだけ無敵と戦える方法がある。相手と同じ土俵に立つのだ。「大川隆法の霊言―神理百問百答」はそんな本だ。