大変遅くなりました。時期も過ぎているのであまり本気にならずに読んでください。
ベストテン
順位 | タイトル | 得票 |
---|---|---|
1位 | RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編 | 749票 |
2位 | テラフォーマーズ | 440票 |
3位 | HiGH&LOW THE MOVIE | 353票 |
4位 | ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE | 293票 |
5位 | 真田十勇士 | 247票 |
6位 | 天使にアイム・ファイン | 229票 |
7位 | 劇場版 艦これ | 226票 |
8位 | サブイボマスク | 218票 |
9位 | HiGH&LOW THE RED RAIN | 213票 |
10位 | 植物図鑑 運命の恋、ひろいました | 194票 |
全順位
全コメント
誰映画 2016 の全コメント
私が2016年映画を200本も観たのは、皆さんのコメントを読んで「え?こんな映画があるの?」とDVDを借りまくったのが原因です。本当にありがとうございます!
短評
低視聴率すぎて「誰も見ていないドラマ」を自称していた向井理の『RANMARU 神の舌を持つ男』が大賞。誰映画の常連だったSMAP映画が消えた代わりにLDH(EXILE)関連の映画が上位に3本も。
総評
誰映画大賞の『RANMARU 神の舌を持つ男』には珍しい現象が二つ起きました。一つは誰映画史上、最多得票の700票で一位になったこと。そしてもう一つは炎上していないのに誰映画大賞になったということ。映画史上最大にインパクトのあるタイトルだったけど、そのインパクトは興行ではなくて誰映画に影響与えました。
また毎年連発されていたSMAP映画がついに公開ゼロになりました。SMAPの映画会社ジェイ・ドリームの社長であるSMAPの女マネージャーは粛清されたので、今後は嵐の映画会社ジェイ・ストームがキムタクの映画を作ることになる。仲間を裏切って出世していくキムタクの姿はギャング映画の主人公みたいですね。SMAPの代わりに誰映画に登場したのがLDH(EXILE系の事務所)。2016年のLDHは映画界をいい意味でも悪い意味でも暴れまくりました。
真・この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞
「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞(誰映画)」とは、その年に公開された映画から存在に疑問を感じるような映画に投票するイベントです。しかしここでは私が個人的に選ぶ「この映画はいったい誰が観に行くんだ!?」の言葉通りの作品を挙げます。
第一位:CUTIE HONEY -TEARS-
庵野秀明監督の映画『キューティーハニー』は史上最悪級の駄作映画。そんな庵野秀明監督が『シン・ゴジラ』で大成功した年に『キューティーハニー』が復活するとは…。エロ無しギャグ無しというコンセプトな上に、新ハニー役にはゴリ押しと見せかけて、敗戦処理を押し付けられる女優となってしまった西内まりや。誰が観に行くのだろう。2016年の映画あるあるネタ - 破壊屋ブログで書いたけど『キューティーハニー』の映画化じゃなくてアメリカ映画の『エリジウム』の翻案なんですよね。翻案が上手くできてるし、庵野秀明版『キューティーハニー』よりずっと面白いのに、全く注目されませんでした。
第二位:レッドタートル ある島の物語
- 『君の名は。』が超ヒット
- 『この世界の片隅に』が歴史的高評価
- 各映画会社の興収トップがどれもアニメ(東宝:君の名は、東映:ワンピース、松竹:聲の形)
- 外国映画の興収2位~4位が全部アニメ(ズートピア、ドリー、ペット)
アニメ映画が日本社会に経済的にも文化的にも多大な影響を与えた2016年に、まさかのスタジオジブリ最新作が大爆死!*1
大爆死の原因は宣伝を放棄したから。なんで宣伝を放棄したかというと、たぶん宣伝のしようが無いから。『レッドタートル ある島の物語』は
- 声優無し
- タイアップ無し
- 主題歌無し
という修行僧を通り越して即身仏のようにストイックな宣伝を展開。私は常々
「声優にタレントを使うんじゃねえ!日本オリジナル主題歌に差し替えるじゃねえ!」
とツッコミ入れてきたけど、実際それやっちゃうと映画が売れないという現実。
日本の映画宣伝ってひたすら「愛」を連呼するのが醜悪だ。でも『レッドタートル ある島の物語』ってネタバレ。ちなみに海外の宣伝はネタバレしまくりで、そもそもポスターが思いっきりネタバレしている上に、海外版予告編はラストシーンまで使用していて単なるダイジェスト動画だった。でも日本の宣伝は一切のネタバレ無し。おかげで私は映画館で楽しめたけど、誰が観に行くんだ。
第三位:ボクの妻と結婚してください
未見の人は
「ボクが死んだら、ボクの妻と結婚してください。」
と思っているだろうけど、それ違うからね。
「ボクが死ぬ前に、ボクの妻と結婚してください。」
だからね。つまり妻との離婚を画策する一方で、新郎となる独身男性に自分の妻を押し付けてくる映画なのだ。男性の方はちょっと想像してほしい。
「ボクの妻と結婚してください!」
とあなたの職場に押しかけてくる織田裕二の姿を。感動映画というよりもホラー映画だった。
ちなみに原作を書いたのはフリーの放送作家。映画のラストシーンは家族への遺言なんだけど、長男への遺言がネタバレというのがフリーの放送作家らしい発想だ。
その他
- 小さいお友達や大きいお友達といった本来の客層以外を取り込もうとしたら全ての客層から見放された『ポッピンQ』
- 桃井かおり演じる放火犯の自白シーンが1時間続くだけの『火Hee』
- 陣内孝則監督シリーズ第四弾『幸福のアリバイ Picture』
とかが私が考える誰映画でした。劇場ガラガラだったし。
第一位:RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編
誰も観てない
この映画のオープニングは
「誰も観ていないテレビドラマの映画化」
というナレーションから始まりました。私はこれが自虐ギャグだと気が付かずに
「そうか!架空のテレビドラマを映画化したのか!何て斬新なんだ」
と感心しました。そうじゃなくてTBSの大失敗テレビドラマの映画化だったのね。
実際に職場で「RANMARU知ってる?」って何人にも確認したけど、知っている人がいなかった。
低視聴率ドラマの映画化
低視聴率ドラマの映画化といえば、同じ堤幸彦監督の『銀幕版 スシ王子! ニューヨークへ行く』がありました。テレビドラマが爆死したけど映画は撮影済みだったので、映画大爆死は避けられなかった。また2016年はEXILEのフジテレビドラマ『HEAT』が爆死、発表済みだった『HEAT』の劇場版『DRAGON』は制作中止に。『RANMARU 神の舌を持つ男』の製作過程が特異なのは、低視聴率なのにあえて映画化したという点だ。テレビと映画業界に大きな影響力を持つ堤幸彦監督だからこそ出来たのであろう。
傑作コメント
縛りやトーマス さん
公開前に堤監督直筆(コピー)による「あまりに低視聴率でご迷惑をおかけしました」という謝罪の手紙が届いたけど、それがすでに滑っていて勘弁してほしかった。
これですね(パンフレットの画像)。試写会組にはこれが届いたのか…。
第ニ位:テラフォーマーズ
今のマンガ界の流行といえばメシ食い系マンガなんだけど、その次くらいに流行っているのが死亡フラグ系サバイバルマンガ。そのブームの火付け役だった『テラフォーマーズ』が映画化されました。その結果は2016年最大級の炎上映画。興行収入も散々な結果でした。
ただ俺の感想ですが、ヘンテコなメイクした豪華芸能人たちがナレーション付きで豪快に死んでいくので割りと楽しかった映画です。
ちなみにワーナーのマンガ映画実写化シリーズ、『テラフォーマーズ』以降はこのように展開します。
第九位:HiGH&LOW THE RED RAIN
どうでもいいけど、こういうパイナップルみたいにキャラクターが詰まっているポスターの構図が流行っているよね。
LDHが大暴れ
今回の投票企画で私が一番頭を抱えた現象が、みんな『ハイロー』に投票したことです。
映画マニアたちから高い評価を得たハイローがまさかの2本もランクイン。とにかくEXILEの事務所であるLDHが嫌われた、ということに尽きます。コメントを見るとレコード大賞買収、『ズートピア』のオープニング主題歌差替、舞台挨拶商法などに怒りがあがっていました(誰が舞台挨拶に来るか直前までわからないため、ファンはとりあえず座席を購入するという商法、LDHとジャニーズがよくやる)。というわけで映画本編は悪くないと言いたいのですが…。
SNSの影響
2016年の映画興行はSNSでの絶賛口コミが大きく影響しました。良い作品の情報が伝わりやすいのは素敵なことです。その代わり絶賛されている映画を「つまらなかった」と書くと「あなたは理解できていない!」「大勢が褒める映画を批判するのがおかしい」と批判される現象がより顕著になりました。
私は『ハイロー』が面白いとは思わなかったので、その旨をツイートしてだいぶ反論されてきました。なんてこと書いている私も好きな映画を批判されてイラッとくることは毎日なので、この手の現象の加害者側になっているはず。
各種映画賞の投票では『HiGH&LOW THE MOVIE』の得票が微妙に低いので*3、SNSのあの絶賛口コミブームは何だったんだろうという気もします。
傑作コメント
NO NAME さん
エグザイルが朝の情報番組に宣伝に出てきて「役作りに苦労しましたよ~」とか語ってたのには笑った
普段のお前らと同じやんけ
第四位:ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE
去年と同じこと書きますが、一番辛い映画鑑賞って、対象に興味が無いドキュメンタリー映画なんです。そして誰映画ベストテンには、毎年ドキュメンタリーが入ってくるのでそれを観なきゃいけないのが本当に大変。
テレビ局やAKB系が作るドキュメンタリーはやらせ臭漂っているので
「何で興味が無い上にやらせのドキュメンタリーを観なきゃいけないんだろう?」
と痛感します。やらせ擁護派の私でも結構辛い。
ただ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』はやらせ臭が全く無いので何とか耐えることができました。スポンサーが存在しない(台湾観光協会のみ)映画なので、やらせをする必要が無いんだろうね。それでも単なるテレビ番組にしか思えず、映画館で観る意味をビタイチ感じることができない作品でした。
あ、台湾に対して暴言を吐く蛭子能収と、それを何とかジョークで収めようとする三船美佳と、不愉快になっている太川陽介の対比は面白かった。それと三船美佳が海外旅行行っていても、高橋ジョージは子どもに合わせてもらえないのか。
傑作コメント
第五位:真田十勇士
大河ドラマ『真田丸』の便乗映画というか、ドラマ『真田丸』は映画『真田十勇士』のセットを流用しているので相互便乗ですね。そしてもこれも『RANMARU 神の舌を持つ男』と同じ堤幸彦監督作品です。↓これが堤幸彦の汚泥なるフィルモグラフィー。
『真田十勇士』は私の映画人生で初めて
「あれ?入場するスクリーン間違えた?」
と勘違いした作品です。なんせ最初の10分くらいは『アニメ真田十勇士』なのだ。コメント欄見ると観た人全員がこのアニメに激しいツッコミ入れている。
個人的に注目している日本映画における「登場人物が死ぬシーンが異常に長い」問題ですが、『真田十勇士』は記録的な長さでした。*4。
あと日本映画はネタバレというトリックを毎年やってませんか?私は騙されたこと一度も無いんだけど。『真田十勇士』もバレバレでした。
傑作コメント
第六位:天使にアイム・ファイン
初めて誰映画を読んだ人が
「幸福の科学の映画なんだから誰が観るのか決まっているだろ!」
と怒リ出すのは毎年のお約束ですが、去年も、そして今年も幸福の科学映画が作られます。
幸福の科学は2016年に芸能事務所を作った上に清水富美加も加わったため、これからまた流行るかもしれません。
主人公は幸福実現党から3回出馬して全部落選。支持者の前で敗戦の挨拶をすると、怒る支持者たちと殴り合いのケンカになってしまう。
議員を諦めた主人公は再就職しようとするが
「保守派のあなたが中国・韓国の国内でお仕事できますか?」
と面接で散々な目に遭う。
「二度と選挙活動しない」を条件に何とか内定を取った主人公。だが乱暴な支持者に絡まれる。実は支持者をけしかけたのは彼を見守っていた天使だった。天使の目的は主人公がもう一度世のために戦い出すことだった。
それでも再就職にこだわる主人公。ついに天使は主人公を過去世(幸福の科学にある概念)につれていく。そこで主人公は吉田松陰から説教される。どうでもいいけど「維新」
って言葉は今やすっかり「ヤバイ政治家の好きな単語」になってしまったな。
主人公は内定を蹴って再び選挙に出ることにした。主人公を称えるべく、幸福の科学学園のチア・ダンによるララランド風のミュージカルが始まる。最終的にはビームが出てハッピーエンド。森友学園に通って英才洗脳教育受けてもビームは出ないだろうから、幸福の科学学園の勝ち!
ギャグのように解説してしまったが、このシーンのロケ撮影もダンスもかなり凄い(幸福の科学のチアダンはアメリカで二回優勝している)。
ちなみに『天使にアイム・ファイン』の監督の園田映人は、尖閣諸島に乗り込んで撮影した人です。
第七位:艦隊これくしょん
みなさん、2017年に最初に映画館で観たのは何ですか?私は『ポッピンQ』と『艦隊これくしょん』です。美少女アニメや課金ゲームに全く興味の無い私ですが、誰映画のために観に行きました。映画の内容は美少女が海面に立っているのが凄いなぁと思いました。
コメントを観ると
「映画はそれなりに良かったけど、あのテレビアニメは許せなかった」
の声多数でした。
映画館で貰った艦これコースター。花見のときに誰かあげます。
第十位:植物図鑑 運命の恋、ひろいました
この映画については、楽天の「それどこ」という企画でちょっとだけ取り上げましたので、そちらを参照してください。
srdk.rakuten.jp
女性の都合良い願望をとことん突き詰めた映画。こういうアイデア自体は大好き!でも残念なことに設定だけでネタバレしているんだよね。だってヒロインがホームレスを拾うと、彼はイケメンで性格も最高で、家事炊事が完璧で、自分にいつも手紙書いてくれる。この設定のオチといったらネタバレに決まっているじゃん!
その他の現象
続編だらけの外国映画
「予告編は面白そうだったのに本編はイマイチだった」というのはよくある落差だけど、その落差が映画史上最大規模の高低差となった『スーサイド・スクワッド』が外国映画の最高順位になった。ちなみに20位以降の外国映画は
- パラノーマル・ アクティビティ5
- アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
- インデペンデンス・デイ:リサージェンス
- インフェルノ
- ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期
- バイオハザード:ザ・ファイナル
と、誰も最新作を望んでいないシリーズの最新作だらけとなった。
エグい商法
EXILEのランダム舞台挨拶も凄かったですが、『MX4D カゲロウデイズ -in a days-』の上映時間20分で1900円はインパクトありました。DVDの値段も上がる一方で
の特別版DVDは12000円、もちろん特典はランダム。まあファンが納得しているのならそれでいいけど。こういう商法をずっとバカにしていた私ですが、去年は遂にパトレイバーの新作ブルーレイ5000円(上映時間、たったの10分)で買っちゃった…。
実際に観た人が怒る映画
- 実際に観た人の怒りを買っていたのは『珍遊記』、私も2016年のワーストだと思ってます。
- コメントを観ると『仮面ライダー1号』の藤岡弘、のキモい説教がかなり叩かれてますね。私も「これが真の老害か!」とビックリしました。
- 『X-ミッション』の15分近く続くエンドクレジットに怒る人が複数。長くなる一方のエンドクレジット問題ですが世界中の誰もが改善しようとしない上に、「エンドクレジット後にもオマケ映像があるよ!」とか解決になってない解決策を出すのやめてくれませんかね。
- 『バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生』ではバットマンとスーパーマンの仲直りのキッカケに呆れる声が多数でした。あんだけバトっといてそれかよ!
何で誰も観に行かないんだよ!
毎年
「この映画は面白いのに、何で誰も観に行かないんだよ!」という怒りの投票があるんですが、今回は何と『この世界の片隅に』に集まりました。今でこそ超話題作になったけど、誰映画の投票を受付開始した時点は女優のんの独立騒動のせいで宣伝が全然出来てなくて
「いい映画だけど、きっと失敗するんだろうな」
みたいな危機感がありました。
2016年の映画あるあるネタ
今回からは独立させました。リンク先を参照してください。
hakaiya.hateblo.jp