現在公開中の映画『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』は主人公たちのメタルバンドが音楽業界の商業主義に巻き込まれる。という映画なのですが、商業主義的存在の究極としてBABYMETALが登場します。監督・脚本は当初「BABYMETALみたいなバンド」という設定にしていたのですが、何と本物が出演したとのことです。せっかくなのでBABYMETALの扱いについて補足解説します。
劇中のメンバーがBABYMETALを初めて観た時にある会話をするのですが、この会話は10年前に海外で起きたBABYMETAL論争の内容です。
2014年ころにBABYMETALは世界で急速に話題になりました。と同時にメタルファンの間で「アレを認めるのか?」と大論争が起きました。「売れ出したバンドが超嫌われる→活動を通じて世間から認められる」というのは、あるあるネタです。超嫌われる→今や定番的存在!という変遷で一番有名なのはQueenでしょう。BABYMETALも現在は認められつつあります。ただBABYMETALが世間から認められる経緯はちょっと特殊でした
それは英米の大物ミュージシャンたちがBABYMETALを擁護する発言を連発したということ!10年前は彼らの発言が次々にニュースとして発信されました。あの頃の音楽ニュースを俺は「BABYMETAL擁護してくれて嬉しいけど、あなた様がそんな事言うの?」ビビりながらチェックしていました。
もう一つBABYMETALが嫌われる&人気になる原因の一つとして、海外ではヘヴィメタルって
- 悪魔崇拝
- 戦争賛美
というイメージが強いのです。これは一般には受け入れにくいイメージです。BABYMETALはヘヴィメタルのネガティブなイメージを壊してくれたのも大きな貢献です。そして、それを貢献だと思わない人もいる。『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』のメタルバンドは自分たちの音楽性を
- 反キリスト
- 戦争推進
と位置付けています。つまりBABYMETALの対局なんですね。
『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』はBABYMETAL論争を踏まえた内容になっています。とはいえBABYMETALは現在認められる存在で、劇中でもBABYMETALに反対しているキャラはただ一人、という設定です。彼がこの論争にどう決着を付けるかは映画を観てのお楽しみ!
ちなみに劇中では、主人公たちの音楽が商業主義的に作り変えられる。という落語の『目黒のさんま』みたいなギャグシーンがあるのですが…俺は商業主義的なほうも結構好きです。
ここで聞けます↓確かに最近の若手のメタルバンドはこんな曲ばっかりですね。好きだけど。日本版では「屈辱MIX」という名前になっています。
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