破壊屋ブログ

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映画芸術はなぜ『国宝』をワーストにしたのか?

キネマ旬報、映画秘宝、スクリーン、映画芸術の各映画メディアのベストテンが出そろいましたね!全部買ってます。
私は映画秘宝にベストテンを載せています!興味のある方は是非どうぞ。

映画秘宝: 映画秘宝2025年度ベストテン (3月号)

2025年の映画ベストテンで衝撃なのは、三宅唱監督(旅と日々)が三回目のキネマ旬報ベストワンを獲得したことです。一時期の北野武監督のような勢いを感じさせます。そしてもう一つの衝撃は荒井晴彦が監督としては四回目、脚本家としては七回目の映画芸術ベストワンを獲得したことです。映画芸術は荒井晴彦が編集長なので、自分で映画を作って自分で映画賞を作って自分に賞を上げていることになります*1

下記が映画芸術でベストワンになった荒井晴彦作品です。これらの作品はもちろん優れた映画ですが…。

  • やわらかい生活(脚本のみ)
  • 大鹿村騒動記(脚本のみ)
  • 海を感じる時(脚本のみ)
  • この国の空
  • 火口のふたり
  • 花腐し
  • 星と月は天の穴


そして世間では映画芸術が『国宝』をワーストワンにしたことがニュースになっていました。ただ騒ぎっぷりは2008年の『おくりびと』映芸ワースト騒動のほうが大きかったですね。当時は民放のニュース番組でも取り上げられていましたし。ちょっと映画芸術を擁護しますが、実は映画芸術は『国宝』を大絶賛しています。
ベストテンでは国宝への投票も多く、その文言をピックアップすると

  • 「売り物は作品のクオリティのみ、という映画がメガヒットしたのは実に気持ち良かった」
  • 「何もかもが称賛に値する」
  • 「疾風怒濤の芸道映画」

と言った誉め言葉が並んでいます。賛否両論なのです。似たような賛否両論作では、過去には映画秘宝で『ブレードランナー2049(2017)』がベストワンとワーストワンを同時受賞したことがありました。

映画芸術は「ワーストに投票があった場合は、その分ベストから得点を差し引く」というルールなので*2、本来あるはずのベストテンから『国宝』が消えてしまったのです。この差し引きルールがあるため編集長の映画が有利になるという事情もあります。進撃の巨人にワースト投票が殺到した映画秘宝とは大違いですね。

*1:正確には映画賞ではありませんが

*2:このルールも何度か変更している