破壊屋ブログ

ネタ系映画ブログです。管理人はこの人→http://hakaiya.com/giccho

『となりのトトロ』を超える宗教映画じゃない宗教映画

私の↓このツイートが大バズりしました。

私が2012年に同じことを書いた時は「確かに宗教映画じゃない」という声が多かったですが、今は「確かに宗教映画だ」という声が半々くらいになっています。この14年間で日本人の宗教観が大きく変わったとは思えないので、これは「海外の視点で日本の文化を捉える」という視点が増えたということだと思います。とても良い事です。

ただそれでも私は『となりのトトロ』が宗教映画だとは思っていません。画像のシーンはあくまでも古い日本の描写であり、アメリカ映画で下記のセリフがあっても宗教映画ではないのと同じです。

  • OH MY GOD(我が神よ→なんてこった)
  • BLESS YOU(神の祝福あれ→お大事に)
  • CROSS MY HEART(心臓の前で十字を切る→指切りげんまん)

とはいえ画像のシーンに日本人の宗教観が強烈に出ているのも事実です。『となりのトトロ』が宗教映画として解釈できるのも確かでしょう。今回は劇中の描写を極端に解釈できそうな作品を紹介します。

パルプ・フィクションは宗教映画か?


映画『パルプ・フィクション』はサミュエル・L・ジャクソンが演じるギャングの殺し屋に神の奇跡が起きるという話です。それ以降殺し屋は神の道に目覚めて、迷える子羊を導く羊飼いになることを望みます。そして映画のクライマックスは殺し屋が迷える子羊(強盗)と対話するというものです。




じゃあ『パルプ・フィクション』は宗教映画か?と言われるとちょっと困ってしまう。パルプ・フィクション(三流小説)のネタとして神が出てきただけ、と捉えるのが正しい解釈でしょう。

となりのトトロに似ている映画

『となりのトトロ』の影響を強く受けている『パンズ・ラビリンス』という映画があります。田舎にやってきた少女が森の中で異形のモノと出会うファンタジーです。
監督のギレルモ・デル・トロは『となりのトトロ』の大ファンとしても有名です。


左からトロ、トトロ、ハヤオ

『パンズ・ラビリンス』には共産主義が何度も出てきます。




だからといってこの映画が共産主義の映画!とは言えないでしょう。あくまでもファシズムと共産主義が戦ったスペイン内戦を描いているだけです。時代風景の描写に思想性を求めるのは、正解だったり誤解だったりするので難しい。『パンズ・ラビリンス』も「抵抗としての共産主義を描いている」だったら正しい解釈です。

ツリー・オブ・ライフにはなぜ恐竜が出てくる?

逆のパターンで、普通の家族映画かと思ったら究極の宗教映画な作品もあります。『ツリー・オブ・ライフ』です。

日本では家族映画として宣伝されましたが、この映画はバリバリの宗教映画です。凄まじいのは映画の序盤の天地創造シーンが15分くらいナレーション無しで延々と続くのです。観客は↓を延々と観続けます。

  1. 宇宙が誕生する
  2. 太陽が誕生する
  3. 地球が誕生する
  4. 水中に単細胞生物が発生する
  5. 恐竜が出てくる

↓の動画は『ツリー・オブ・ライフ』で宇宙が誕生する瞬間。最後まで見てもまだ太陽すら出てこない。
www.youtube.com

日本人から見れば「???」となるシーンですが、これは「神は実在するけど進化論も本当だよ」という意味で、神の実在と進化論の矛盾に直面している人たちから見れば画期的なシーンです。

そして天地創造シーンの一番の謎は肉食恐竜が草食恐竜を食べずに見逃すシーンです↓
www.youtube.com

これはどうやら神の恩寵(Grace)が恐竜にも芽生えるという表現らしいですが、無信仰な私に言わせてもらえれば「そういう発想はカルト宗教と変わらねーよ!」です。

神の使命の映画

ようやく記事タイトルの話。宗教映画じゃないのに宗教映画として解釈された凄い映画があります。『ブルース・ブラザーズ』です。『ブルース・ブラザーズ』は主人公たちが孤児院を救うために大騒動と大破壊を撒き散らす映画で、劇中壊れる車の数は長い期間「映画の中で壊れる車の台数No1」の記録を持っていました。

滅茶苦茶な本作ですが、バチカンの公式新聞が「模範的なカトリック映画」として認定して話題になりました。
eiga.com

まあ確かに宗教映画としての解釈も可能なんですよね。


ブルース・ブラザーズはカトリックの孤児院育ち。


嫌々ながら教会に行ったらジェームズ・ブラウンがいた。


ブルース・ブラザーズは神の啓示を受けてバンドを作る。


バンドメンバーは「聖職の一端を担う」といって集める


「On a mission from God(神の使命を帯びている)」は名セリフとして有名。今では「俺がこのアイドルを推すのはOn a mission from Godだ」みたいなニュアンスで使われている。

最後に

便宜上、この記事の中で「正しい解釈」という言葉を使いましたが、世界中のコンテンツ・文化が気軽に楽しめる今の時代ではもう「正しい解釈」は古い概念かもしれません。観客がどう受け取るかが重視されるのかも。

好きなボーカリスト ベスト200

ハッシュタグ「好きなボーカリスト10人挙げるとその人の世界が分かる」を集計しました。有効投票1451名の結果は…。

順位 名前 人数
1 位 チバユウスケ 135
2 位 河村隆一 120
3 位 稲葉浩志 113
4 位 hyde 112
5 位 氷室京介 102
6 位 櫻井敦司 96
7 位 89
8 位 甲本ヒロト 86
8 位 フレディ・マーキュリー 86
10 位 清春 81
11 位 吉井和哉 80
12 位 ロニー・ジェイムス・ディオ 76
13 位 ジョン・レノン 73
14 位 椎名林檎 69
14 位 米津玄師 69
16 位 suis 65
17 位 草野マサムネ 64
17 位 桜井和寿 64
19 位 忌野清志郎 63
19 位 TERU 63
21 位 yasu 54
21 位 宇多田ヒカル 54
21 位 リアム・ギャラガー 54
24 位 デヴィッド・ボウイ 53
25 位 ロバート・プラント 51
26 位 玉置浩二 50
27 位 スティーヴン・タイラー 49
28 位 藤原基央 48
29 位 マイケル・キスク 47
29 位 大森元貴 47
31 位 カート・コバーン 46
32 位 奥田民生 45
33 位 藤原聡 44
34 位 Ado 43
35 位 浅井健一 42
36 位 中島みゆき 40
36 位 藤井風 40
36 位 ロブ・ハルフォード 40
36 位 ブルース・ディッキンソン 40
40 位 桑田佳祐 39
40 位 デイヴィッド・カヴァデール 39
40 位 TOSHI 39
43 位 葉月 38
44 位 宮本浩次 37
44 位 hide 37
44 位 ジャニス・ジョプリン 37
47 位 細美武士 36
47 位 アクセル・ローズ 36
47 位 ポール・マッカートニー 36
47 位 ジョン・ボン・ジョヴィ 36
51 位 尾崎豊 35
51 位 ACAね 35
53 位 森重樹一 34
53 位 チェスター・ベニントン 34
55 位 YUKI 33
55 位 MISIA 33
55 位 西川貴教 33
55 位 トム・ヨーク 33
55 位 K 33
60 位 デーモン閣下 32
61 位 坂井泉水 31
61 位 石野理子 31
63 位 人見元基 30
63 位 逹瑯 30
63 位 スティーヴ・ペリー 30
63 位 ジェイムズ・ヘットフィールド 30
67 位 中森明菜 29
67 位 小田和正 29
67 位 ミック・ジャガー 29
67 位 GACKT 29
71 位 宇都宮隆 28
71 位 グラハム・ボネット 28
73 位 ASKA 27
73 位 Aimer 27
73 位 上杉昇 27
73 位 山口一郎 27
73 位 黒猫 27
73 位 コリィ・テイラー 27
79 位 幾田りら 26
79 位 オジー・オズボーン 26
81 位 久保田利伸 25
81 位 渋谷龍太 25
81 位 ガラ 25
84 位 Vaundy 24
84 位 Taka(ONE OK ROCK) 24
84 位 セバスチャン・バック 24
84 位 yowa 24
84 位 秋田ひろむ 24
84 位 有村竜太朗 24
84 位 谷絹茉優(Chevon) 24
91 位 Cocco 23
91 位 浜田麻里 23
91 位 浜田省吾 23
91 位 大槻ケンヂ 23
95 位 milet 22
95 位 来夢 22
95 位 井口理 22
98 位 井上陽水 21
98 位 斉藤和義 21
98 位 槇原敬之 21
98 位 松岡充 21
98 位 ロッド・スチュワート 21
98 位 マオ 21
104 位 矢沢永吉 20
104 位 沢田研二 20
104 位 越智志帆 20
107 位 山下達郎 19
107 位 岡村靖幸 19
107 位 aiko 19
107 位 吉川晃司 19
107 位 戸川純 19
107 位 ボブ・ディラン 19
107 位 カレン・カーペンター 19
107 位 斎藤宏介 19
107 位 AI 19
107 位 キリト 19
107 位 長屋晴子(緑黄色社会) 19
118 位 LiSA 18
118 位 星野源 18
118 位 藍月なくる 18
118 位 後藤正文 18
118 位 岡野昭仁 18
118 位 五十嵐隆 18
118 位 遠藤遼一 18
118 位 ikura(YOASOBI) 18
118 位 ノエル・ギャラガー 18
127 位 キタニタツヤ 17
127 位 松田聖子 17
127 位 田中和将 17
127 位 ビリー・ジョエル 17
127 位 aki(Laputa) 17
127 位 MORRIE 17
127 位 ケイト・ブッシュ 17
134 位 渡辺美里 16
134 位 佐野元春 16
134 位 坂本英三 16
134 位 あいみょん 16
134 位 Toshl 16
134 位 Marilyn Manson 16
134 位 ルー・リード 16
134 位 野田洋次郎(RADWIMPS) 16
134 位 千秋 16
143 位 鬼束ちひろ 15
143 位 美波 15
143 位 向井秀徳 15
143 位 エリック・マーティン 15
143 位 松任谷由実 15
143 位 水樹奈々 15
143 位 桜井賢 15
143 位 ジョニー・ロットン 15
151 位 志村正彦 14
151 位 山田雅樹 14
151 位 棗いつき 14
151 位 徳永英明 14
151 位 NOKKO 14
151 位 浅岡雄也 14
151 位 川上洋平 14
158 位 UA 13
158 位 大瀧詠一 13
158 位 中島卓偉 13
158 位 二井原実 13
158 位 大江慎也 13
158 位 中川敬 13
158 位 田島貴男 13
158 位 真島昌利 13
158 位 岸田繁 13
158 位 星街すいせい 13
158 位 森川之雄 13
158 位 スティング 13
158 位 クラウス・マイネ 13
158 位 John Wetton 13
158 位 TOMOO 13
158 位 nayuta 13
158 位 平沢進 13
158 位 森友嵐士 13
158 位 ホリエアツシ 13
158 位 尾崎世界観 13
158 位 SU-METAL 13
179 位 竹内まりや 12
179 位 なとり 12
179 位 アイナ・ジ・エンド 12
179 位 秦基博 12
179 位 木村充揮 12
179 位 大貫妙子 12
179 位 ジョー・ストラマー 12
179 位 森山達也 12
179 位 KAN 12
179 位 ニール・ヤング 12
179 位 Michael Jackson 12
179 位 中納良恵 12
179 位 石橋凌 12
179 位 峯田和伸 12
179 位 ジム・モリソン 12
179 位 Jon Anderson 12
179 位 Klaus Meine 12
179 位 Paul Rodgers 12
179 位 山中拓也 12
198 位 モリッシー 11
198 位 スガシカオ 11
198 位 Geoff Tate 11
198 位 影山ヒロノブ 11
198 位 ヴァン・モリソン 11
198 位 Sam Cooke 11
198 位 RIRIKO(NELKE) 11
198 位 RUKI 11
198 位 高橋幸宏 11
198 位 Roy Khan 11
198 位 オーティス・レディング 11
198 位 TOSHI-LOW 11
198 位 YUI 11
198 位 美空ひばり 11
198 位 ブライアン・フェリー 11
198 位 Anchang 11
198 位 やくしまるえつこ 11
198 位 ジョン・アンダーソン 11
198 位 ジョン・ウェットン 11
198 位 トム・ウェイツ 11

日本共産党と中国共産党は仲が良いよ!それでマズいことになってるよ!

前回、極右批判をしたので手のひらをクルッと返して極左批判します。


Web上でよく見かけるネタで「日本共産党と中国共産党は仲が悪い」というのがあります。

「日本共産党と中国共産党は仲が悪い」ネタ

はてなブックマークやX上では日本共産党批判に対する定番の反論ネタです。

はてな(2025年)


https://anond.hatelabo.jp/20250722063108


でもそれは昔の話です。確かにかつての日本共産党は中国共産党を激しく非難していましたが、今は仲が良いです。彼らは2023年に和解しているのです。

「日本共産党と中国共産党は仲が良い」経緯

日本共産党と中国共産党が仲良くなっていく経緯をおおざっぱに説明します。詳しい経緯はこちら

2023/03/30 友好路線にチェンジ


日本共産党が「日中両国関係の前向きの打開のために」という声明を発表、中国との友好路線に変換したことを発表します。
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2023/03/post-950.html

2023/05/04 和解


志位議長が中国大使館で会談します。これで事実上の和解が成立しました。
https://www.shii.gr.jp/pol/2023/2023_05/O2023_0505_1.html


2023/09/28 レセプション出席

志位議長が「中華人民共和国建国74周年・日中平和友好条約締結45周年の祝賀レセプション」に出席しました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-09-29/2023092902_03_0.html

2025/12/30 中国から哀悼の意

中国共産党が不破哲三元委員長の死去に「哀悼の意」を表しました。
https://www.sankei.com/article/20251230-ZVZ26TJ3GJI63BQANVHCCR6IAI/


中国共産党と仲良くなるのは政党としては普通の動きです。日中友好議員連盟は自民党がメインだし、民主党の鳩山由紀夫内閣の時は天皇特例会見(習近平のために天皇を会見に引っ張り出した)が起きたほど中国と仲良かったです。
しかし最近の日本共産党&しんぶん赤旗は中国共産党に忖度しまくっています

中国寄りになっていく

2025/12/07 テレビ出演


志位議長が香港フェニックステレビ(中国共産党の意向を報道する傾向が強い)に出演、「台湾は中国の領土」を初めとする中国側の意向に沿った主張を連発しました*1
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik25/2025-12-07/2025120704_02_0.php

2026/05/21 ドローン批判

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik26/2026-05-21/2026052102_02_0.php
世界中の国が軍用ドローンを開発しているのに、日米のドローンを「殺人ドローン」と呼んで非難。「ソ連の核は医療のメス、アメリカの核はキチガイに刃物」と主張していた冷戦時代に戻っているよ。
日本共産党はずっと「軍拡は日本の財政が耐えられない」と主張していたのに、低コスト路線に反発するのも矛盾している。

2026/06/19 協定批判


日本の物品役務相互提供協定(食料、燃料、弾薬を相互支援)に新しくフィリピンが加わったのですが日本共産党が猛反発しました。フィリピンは最近中国と超仲悪いです。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik26/2026-06-19/2026061904_02_0.php

2026/07/02 日本人拘束事件

どのメディアも報道している中国でレアアース規制に違反した日本人が拘束された事件、しんぶん赤旗だけ報道していません



とにかく中国をけん制する動きに反発しています。一時期は弱まっていた自衛隊批判も最近は苛烈です。自衛隊に関する動きには全て反発しており、今日(7/12)の一面では「負傷した自衛官を治療する民間医療の検討」を非難しています↓

自衛隊が何かをするたびに軍靴の音がIMAXレーザーのデジタルサラウンドの4DX上映のように響き渡る紙面作りです。

そして2026年7月7日、決定的な出来事がありました。中国が原潜からミサイルを発射したのです

沈黙の赤旗

2026年7月7日の各紙の一面を紹介します。図書館で撮影した新聞画像をWebにアップするのはちょっと問題あるかもしれませんが、検証に必要な資料だと思うので見逃してください。

読売新聞


読売新聞が一番大きく取り上げました。

朝日新聞


毎日新聞


産経新聞


日経新聞


東京新聞


左派色が強い東京新聞ですが、朝日新聞や毎日新聞よりもミサイル発射問題の記事量が多かったです。

神奈川新聞

神奈川新聞は記者が左翼の活動家と化している新聞です。一面には掲載されていませんがきっちり記事にはなっています。


海外報道では日中関係どころかオーストラリアやニュージーランドも巻き込んでいます。原潜からミサイルを発射するなんて右翼も左翼も関係ない大ニュースな事件ですが、しんぶん赤旗は一文字たりとも報道していません!*2。レッド・オクトーバーは追うな!ってことですね。

しんぶん赤旗が世論をけん制

ところが翌日7月8日です。しんぶん赤旗は報道しました!自衛隊の訓練を一面にしたのです!

一応言っておきますが、実際に艦船を撃沈する訓練は普通ですし自衛隊も以前からやっています。沈没した艦船は漁礁になるので海洋資源保護の活動にもなっています。

またしんぶん赤旗はまるでスクープのように報道していますが、6月から普通に広報されており世間に知られています。↓これとか

つまりどこも報道しないどころか、7月上旬までは日本共産党もしんぶん赤旗も問題視していないくらい普通の訓練だったのです。それを中国がミサイル発射した途端に記事として載せたのです。中国の海上ミサイルのイメージを上書きするかのように。

しんぶん赤旗の手口

実は7/11にしんぶん赤旗には中国のミサイルについてオーストラリアとニュージーランドが怒っている、という記事を書いています(ミサイルのけん制目的は日米なんだから、もっと他に書くコトあるだろ!)。これはしんぶん赤旗や共産党の記者会見がアリバイ作りによく使う手口で「後出しで取り上げて言及したと主張する」のです。この手口は辺野古事故の時はもっと酷かったです。

最近のしんぶん赤旗

最近のしんぶん赤旗は本当に酷いです。辺野古事故に関してはほとんど記事にせず、ようやく記事にしたときは玉城デニーを称える記事も同時に載せたりしています。ここ一年は中国批判がガクっと減っています、中国からの砂糖の輸入に日本共産党が反対したくらいです。しんぶん赤旗は「中国の認知戦」を「右派系雑誌の妄想」と批判していますが、しんぶん赤旗自体が認知戦を仕掛ける側になっています。夢だけど夢じゃなかった。そもそも中国の認知戦については朝日新聞とかも記事にしているし。

私自身、政権の不正を暴くしんぶん赤旗の数々のスクープをSNS上で何度も取り上げてきました。今後も良いスクープがあったらしんぶん赤旗を称える意図で取り上げようとは思います。ただ、今のしんぶん赤旗は大日本帝国の翼賛にもっとも近い新聞で、安易に取り上げるのは危険な存在です。
それと私は中国好きだし高市政権の軍事路線には賛同はできませんが、高市政権と日本共産党はやり方が違うだけで中国の軍拡路線を招いている側だと思っています。

追記

id:kamezo さんに指摘されて知りました。今年の1月に日本共産党は中国共産党をきっちり非難する声明文を出していました。是非国会や会合でも同じこと言って欲しいですね。

中国の党は、「社会主義」「共産党」を名乗っていますが、その大国主義・覇権主義、人権侵害の行動は、「社会主義」とは無縁であり、「共産党」の名に値しません。

www.jcp.or.jp

*1:ただし中国の軍事路線もけん制はしている

*2:後述するが後に記事にはしている

2026年上半期映画ベスト10(Web投票を集計しました)

ハッシュタグ「#2026年上半期映画ベスト10」を集計しました。有効投票1308人が選んだ上半期ベスト映画は『プロジェクト・ヘイル・メアリー』でした!

順位 タイトル 得点
1 位 プロジェクト・ヘイル・メアリー 4264.5
2 位 急に具合が悪くなる 2753.0
3 位 ひつじ探偵団 2474.0
4 位 サンキュー、チャック 2466.5
5 位 スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー 2287.0
6 位 Michael/マイケル 1959.0
7 位 ハムネット 1851.5
8 位 センチメンタル・バリュー 1554.5
9 位 シラート 1514.0
10 位 マーティ・シュプリーム 世界をつかめ 1459.0
11 位 万事快調〈オール・グリーンズ〉 1416.5
12 位 ブゴニア 1188.5
13 位 シンプル・アクシデント/偶然 1184.0
14 位 HELP/復讐島 1178.5
15 位 木挽町のあだ討ち 1132.0
16 位 パリに咲くエトワール 1058.0
17 位 レンタル・ファミリー 1021.0
18 位 プラダを着た悪魔2 1007.0
18 位 私がビーバーになる時 1007.0
20 位 アメリと雨の物語 929.0
21 位 オールド・オーク 923.0
22 位 ロングウォーク 878.5
23 位 ナースコール 873.5
24 位 モータルコンバット/ネクストラウンド 846.0
25 位 超かぐや姫! 827.5
26 位 ウォーフェア 戦地最前線 686.0
27 位 霧のごとく 663.5
28 位 コート・スティーリング 663.0
29 位 マスターズ・オブ・ユニバース 659.5
30 位 落下音 649.0
31 位 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女 640.0
32 位 28年後... 白骨の神殿 583.5
33 位 ウィキッド 永遠の約束 567.0
34 位 90メートル 548.0
35 位 長安のライチ 532.5
36 位 四月の余白 500.0
37 位 クライム101 468.0
38 位 旅立ちのラストダンス 447.0
39 位 Never After Dark/ネバーアフターダーク 445.0
40 位 そして彼女たちは 434.0
41 位 黒牢城 422.5
42 位 トゥギャザー 413.5
43 位 ツーリストファミリー 396.0
44 位 FEVER ビーバー! 369.0
45 位 廃用身 359.0
46 位 ゼイ・ウィル・キル・ユー 355.5
47 位 私たちの話し方 348.0
48 位 メモリィズ 341.5
49 位 しあわせな選択 338.5
50 位 マーズ・エクスプレス 337.0

集計ルール

集計ルールは邦アニベストテンに準拠しています。ただし10本未満の人は集計対象外です。同じ映画を複数書く行為、何度も投票するといった行為は除外しています。

集計元

posfie.com

得点調整

今回はシリーズ映画の同時公開が無いので得点調整は発生していません。

感想

超大ヒット映画の『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』がTOP50に入らず。大ヒット映画の『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』『SAKAMOTO DAYS』はTOP150にすら入っていません。今年の邦アニベストテンは『パリに咲くエトワール 』と『超かぐや姫! 』の百合対決になりそうです。

あと↓の誤字が多くて集計が大変でした。

年末

年末になったらこちらをよろしく!
hakaiya.com

反移民の極右映画『Citizen Vigilante』を観たので解説するよ

反移民の極右思想を元に作られた『Citizen Vigilante(シチズン・ヴィジランテ)』という新作映画があります。

この映画は今週X上で大きな話題になりました。経緯を説明すると↓です。

  1. 『Citizen Vigilante』は移民を皆殺しにするというドイツ・クロアチア映画(言語は英語)
  2. ドイツの映倫がレーティングを与えなかったため、事実上の上映禁止となった
  3. 極右たちがブチ切れる
  4. イーロン・マスクが48時間だけX上で全編公開して極右たちが大喜び

そしてこれが凄まじいクソ映画でした。意外にも政治思想は関係なくてそれ以前の問題です。監督が史上最悪の映画監督であるウーヴェ・ボルなのよ(知らない人は自分で調べてみよう!)。製作・脚本もウーヴェ・ボルで、支離滅裂な展開になっている。観客を置いてけぼりにする謎編集も相変わらず。
移民の犯罪者をぶっ殺して右翼がスカッとするような作品にすらなってない。欧米ならともかく日本では、この映画を褒めようと思った右翼も、この映画を批判しよう思った左翼も、両翼とも観たら困ってしまうはずです。


今回は完全ネタバレ解説します。もし日本公開が決まったら、この記事は一時的に公開停止にしますが削除はしないのでご安心を。

前提知識

元になった事件

この映画は2016年のハンブルクでの強姦事件が元になっています。当時のBBCの記事はこちら。事件を要約すると

14歳の少女が21歳の青年を含む4人の少年に強姦される。当時は冬だったけど被害者の少女はその場に放置されて、低体温性で一時は危険な状態に陥った。この事件に対して犯人のうち少年3人には執行猶予が付いた。

というもの。ちなみに劇中では犯人が6人に増えている。劇中では暴行事件が複数起きてややこしいので、この記事では「強姦事件」と表現します。

主演

主人公を演じるのは複数の性的暴行で訴えられて不起訴になったが、その過程で性的加虐嗜好が極端に強いことがバレてハリウッドで仕事ができなくなったアーミー・ハマー。日本で言うならダウンタウン松本や中居正広クン主演で性犯罪者と戦う映画を作るようなものです。

オープニング

映画の舞台はヨーロッパの架空の都市(撮影場所はクロアチア)。何の罪も無い女性が通りすがりの移民にいきなり首を切られて死亡するシーンから始まる。不法移民が増えて、子供たちは外に出せなくなり女性は安全に歩けなくなった。それでも不法移民を守ろうとする政権に人々は憤りを感じ、不法移民を成敗するシチズン・ヴィジランテ(市民自警団)に期待する様子が描かれる。映画として成立しているのはここまでで、後はウーヴェ・ボル節が全開な意味不明の展開になります。

↑お子さん連れの母親がいきなり移民に刺殺される

主人公は殺人者

主人公は元軍人のアメリカ人で、不動産王の父親が亡くなったので不動産業を引き継いだ。その一方で武装して悪人たちを抹殺するという殺人バットマンみたいな男だった。
主人公の家に取り立て屋がやってきて主人公は取り立て屋を射殺する。何で不動産王の家に取り立て屋が来るの?何で殺すの?ここのシーンもいきなり過ぎてよくわからん。

↑何かよくわからないけど主人公に殺される人たち

悪ガキたち

主人公がバスに乗っていると、悪ガキたちがバスに乗って切符を買わない。全員が切符を買わないとバスが出発できないため運転手も乗客も大迷惑。主人公は悪ガキたちの切符代を代わりに支払い、悪ガキに
主人公「万引きやキセルのせいで値上げされるんだ」
と説教するが笑われるだけだった。


↑人種混合の悪ガキたち

主人公の正義の決意

主人公は暴行されて入院中の女性に会いに行く(強姦事件とはまた別の暴行事件の被害者)。なぜ部外者のアメリカ人がいきなり会えるのだろうか?
主人公「裁判は長くかかる。その過程であなたは嘘つき呼ばわりされる。男たちは別の女性を襲う。あなたが正義を望めば私は…」
入院中の女性「はい望みます」

主人公が暴行被害の女性に寄り添う良いシーンに見えるけど、暴行被害の女性たちを嘘つき呼ばわりして不起訴に持って行ったのはオマエだろアーミー・ハマー!

ちなみにこの事件の犯人たちを主人公がぶっ殺スとか、この女性が救われるとか、そういった展開は一切ありません

娼婦とセックス

劇中屈指の珍シーン。主人公は自分の不動産を娼館として貸し出しているので、主人公はテナントにいる娼婦とセックスする。婦女暴行事件の被害者に会った後という無神経さもさながら、このあとのセックスシーンもやたら長くて、やや暴力的だ。前述のとおりアーミー・ハマーは女性への加虐嗜好でハリウッドを追放された上に、ウーヴェ・ボル監督も娼婦好きで批判されている人なので、知りたくない情報量が多いシーンだ。

で、何で珍シーンなのかというと、主人公はセックスの最中に天井のカビが気になってしょうがないのだ↓


↑天井のシミじゃなくてカビを数えているアーミー・ハマー。


↑カビが気になってセックスに集中できないアーミー・ハマー。


↑カビを触って確認するアーミー・ハマー。


主人公は娼婦に「娼婦部屋でシャワー使ったあとには換気しないと。マネージャーに伝えておいて。じゃあ続きをやろう」と言う。

主人公の自宅が襲撃される

主人公はバーに行く。そこで非白人の男たちが白人女性たちの飲み物にドラッグを入れるのを目撃する。主人公は男たちと女たちの飲み物をコッソリ入れ替えることで女性たちを救う。しかしこの行動によって主人公は指紋を警察に取られてしまい、主人公の自宅に武装警察官たちが殺到する。
ちなみにウーヴェ・ボルの編集は支離滅裂なことで有名で、一連のシーンも武装警察官が出動する→主人公はバーに行って指紋を取られる→武装警察官の出動シーンに戻る、という順番だ。時間軸をあえてバラバラにするのはアメリカ映画がよくやるテクニックだけど、この映画だと単に分かりにくい。

警察官殺し

主人公の自宅は襲撃されるが、それは主人公が仕掛けた罠だった(なぜ警察官を罠にかける?)。主人公は武装警察官たちを皆殺しにするのであった!イヤイヤイヤ!それ婦女暴行とか殺人事件どころじゃない、ヨーロッパ史に残るレベルの大事件でしょ!
ちなみにどうやるのかというと、主人公は鉄の箱の中に入っていて銃を撃つのだ!下記の↓展開が延々と続く。

  1. 鉄の箱を撃ち続ける武装警官たち
  2. 鉄の箱の中にいる主人公に撃ち殺される警察官
  3. 鉄の箱に突撃し続ける武装警官たち
  4. 鉄の箱の中にいる主人公に撃ち殺される警察官

しかもBGMが場面とまるで合っていない。たぶんジョン・ウーみたいに銃撃戦とオペラを融合させようとして大失敗したんだと思う。



不動産業

武装警官たちの上司は現場に踏み込めないでいる。次のシーンでは主人公がなぜか自分の不動産会社にいる。編集が酷すぎてシーンの繋がりが無い。

主人公は強制立ち退きを指示するが、住宅が政府によって強制的に移民向けに貸し出される。主人公は激怒し、不動産屋会社の老年の社員たちに
主人公「おまえら老人ホーム臭いから社員を入れ替える」
パワハラかます。主人公は部下と言い合いになるのだが、最終的に
主人公「私はアメリカ人でヨーロッパには休暇で来ている」

と部下を説得する。ってそれだと主人公も違法就労の移民じゃねーか!

どんどん支離滅裂な展開になる

自分の演説を自分で回想

主人公はバーに行ってお酒を飲むのだが、そこで主人公は自分が移民排斥の政治的主張を独白している過去を回想するのだ。自分の演説を自分で回想するって何


↑お酒を飲みながら


↑自分の政治的演説を回想する

自宅のシーン

次のシーンでは、武装警官の上司や救急隊員たちが死体やケガ人を運び出す。まだ鉄の箱の中には踏み込めていない。その間に主人公は逃げ出して不動産屋で働いて一人でお酒を飲みに行ったわけだ。

被害者に会う

主人公は強姦事件の被害者の家に行く。
被害者の父親「あなたは誰だ?記者か?」
主人公「違う、判決に満足してるのか知りたい」
被害者の少女「満足していない」

いきなりアメリカ人男性がやってきて性犯罪の質問したら変だろ!

また悪ガキ

主人公が公園を歩いていたらバスをタダ乗りしている悪ガキたちが通りすがりの子供をリンチしてスマホを奪っていたので、悪ガキたちをスタンガンで倒した後に、全員の腕をボキッと折る。スタンガンで制圧したあとに腕を折っているので主人公もリンチしている側だよね。

↑悪ガキを成敗して立ち去る主人公。

また自宅のシーン

主人公の自宅では武装警察官たちが主人公が鉄の箱の中からどうやって消えたのかを調べている。さっきから時間の流れ方がおかしい。『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の前半くらい分かりにくい。

裁判官を拉致する

主人公は裁判所に行き裁判官を拉致する。この裁判官は強姦事件に執行猶予を付けた人で、執行猶予の根拠として
「移民の若者も被害者だ」
と言ったのだ。それが「加害者を擁護するな!」と主人公の逆鱗に触れたのだ。

拉致の手口は裁判官に無理矢理ヘロインを注射して朦朧としたところを車に乗せて誘拐するというもの。

主人公は意識が朦朧としている裁判官に、延々と「減刑するな!」と説教する。

法的な解説

主人公の行動が酷すぎるけどこれはちょっと解説が必要で、以前のドイツでは
「女性が肉体的に激しく抵抗しないと強姦罪は成立しない」
という酷い事情があった。そのせいで例えば恐怖で抵抗できなかったり、ドラッグやお酒で朦朧状態となった女性たちの性被害に強姦事件が成立しないことが多かったのだ。
「ノー」と言えば強姦罪が成立するように現在は法改正されている(No means Noの原則)。

法律を守るな!

ここで劇中最悪の珍シーンがある。
主人公は裁判官に「法律を守るのは羊のような服従だ」と訴える。
それを証明するためになんと主人公は反対車線を逆走し始める。

↑黒い車が主人公の車

ビックリした対向車は道路から落ちて爆発する。


主人公「対向車も逆走したら助かったはずだ。法律を守ったから対向車は死んだ。」

裁判官を殺害

主人公は裁判官にお酒を振りかけて、裁判官の手首の動脈をナイフで縦に切り裂いて殺害する(横に切り裂くと違って縦に血管を切ると本当に死ぬ)。裁判官が判決に悔やんで酒飲んで自殺したように偽装したのだ。

警察官も追加で殺害

主人公の自宅(またかよ…)では武装警察官たちが調査を続けている。主人公は鉄の箱に地下通路を付けてあり、そこから脱出したのだ。
警察官たちが鉄の箱を開けると主人公が仕掛けた爆弾により鉄の箱が爆発。警察官たちが追加で大量に死ぬ。脱出に成功したんだから爆弾仕掛ける必要ないのに!


女性も殺害

主人公は強姦事件の犯人の自宅へ行く。そこには少年の父親・母親・妹がいた。主人公は拳銃で少年の足を撃ち説教を始める。
妹は「被害者の女はミニスカートだから犯された」と反論する。
父親は「私は家族にコーランの価値観を教えています」と丁寧に言う。
主人公は「欧米の女をレイプして良いという価値観を家族に教えたのか?」と無茶苦茶な言いがかり。

父親「私の母国では複数の戦争が起きていて危険な生活を強いられています。」
主人公「母国を出るのはクズだ、お前らは民主主義の国に時代遅れの価値観を持ち込んだ」

主人公は少年に共犯者たち(注:全員判決は下されている)を呼ぶように電話する。少年はもちろん抵抗するが主人公に銃で脅されて仕方なく共犯者たちを呼ぶ。共犯者を家まで迎え入れるのは妹(強姦現場には居たがほぼ無罪の人)だ。妹が共犯者を逃がさないように、主人公は母親(完全に無罪な人)を人質にする。
そして主人公は父親、少年、母親、妹、共犯者たちを皆殺しにする。

↑完全無罪な母親も容赦なく殺す


↑家族全員の死体の前で、死んだ少年のスマホを使って共犯者を呼び出すシーン。

追加で移民を殺害、そして殺害

主人公は殺した少年のスマホを操作して、さらに共犯者たちを呼び寄せる。勇壮なBGMが流れて、主人公は様子を観に来た共犯者の移民の少年たちを射殺する!というシーンが追加で二回ある

また裁判官を殺害

移民皆殺し事件が報道されると、主人公がさらに3人の裁判官を殺していたことも判明する。被害者の少女は満足そうに微笑む。完。

映画のラストシーン

最後に
「この映画は、欧州の法制度に裏切られた、数千人に及ぶレイプおよび殺人の被害者に捧げられています。」
という字幕が出てくる。



感想と解説

倫理観の無さ

この映画で驚くのは倫理観の無さです。主人公の行動は完全にサイコパスで、不法移民よりも恐怖を感じる。

  • 映画の序盤だと大金持ちながら自己鍛錬を積みながら自警団活動している主人公はバットマンを連想させる。しかし法律の逸脱を訴えながら反対車線に飛び出して無関係の人を殺すシーンは完全にジョーカーだろ!
  • 主人公が移民を殺す理由が「移民が民主主義を壊した」なのに、主人公が裁判官を何人も殺している矛盾も酷すぎる。
  • 主人公が移民の妹や母親を殺害するシーンは、映画の冒頭の移民の殺人犯と何が違うというのか?
  • イスラムの思想を批判しているけど、どう考えても主人公のほうが過激思想

私も倫理観の欠けたコンテンツは大好きですが、この映画は倫理観の矛盾が酷すぎて論理感の無さを楽しむことが出来ない。

アーミー・ハマーの演技力

あまりにもバカすぎる脚本なので「この映画を真に受けるヤツはいない」と切り捨てたいところですが、恐ろしいことに上手い部分もある。映画本編の大半を占めているのはモノローグのセリフです。そのモノローグでは移民社会とそれを受け入れるヨーロッパの政治体制への不満が延々と語られます。これをアーミー・ハマーが卓越した演技力で語るのです。語る内容は酷いのですがイケメンが低音ボイスで移民排斥を訴えるのは共感者が多そう。

影響元の映画

自警団が犯人たちをぶっ殺すという設定なのでデス・ウィッシュシリーズみたいな過激な自警団モノを連想しそうですが、酷すぎて比較にならない。不法移民だけじゃなくて警察官も殺しているのは、どうやらジョン・ウィックみたいな多殺アクション映画をやりたかったみたいですが、いかんせん銃を撃つシーンと死体のシーンを交互に映しているだけなので、アクション映画ともいえず。
ちなみに本作の当初のタイトルは『ダークナイト』だったそうですが、ワーナーからの抗議を受けて今のタイトルになりました。

上映禁止騒動について

この映画はドイツで映倫のレーティングが与えられなかったため、上映が事実上出来ない状態です。私自身は表現の自由戦士なので検閲や制限には抵抗する人間です。ただこの作品が制限された理由は移民への暴力を扇動しているでして、完全に検閲側の仰る通りでございます
ただ性犯罪者や人種差別主義者をぶっ殺してスカッとする娯楽映画はたくさんあるわけだし、本作も最大レーティングにしてさらに注釈付きで何とか公開できなかったのか?とは思います。

この映画に喜んでいる人たちについて

欧米では極右たちがこの映画に大喜びしていますが、日本の右翼たちは安易にこの映画に飛びつかないで欲しいです。社会正義の名の元に、武装して、警官を殺し、一般人も死なせ、それでも正義を訴える。日本でこの映画に一番近いのは昭和の日本赤軍です。日本赤軍をヒーローにした映画があったら右翼も左翼も困るでしょ?

ウーヴェ・ボルの政治思想

極右映画を作ったウーヴェ・ボルですが、本作の半年前には移民たちの渡航を描いた『RUN』という映画を作っています。本人には移民排斥の思想が無い、ただのビジネスの可能性もある。

この映画から学べること

決して学んではいけない『Citizen Vigilante』ですが、この映画から学べることがたった一つだけあります。それはアメコミ映画を始めとするハリウッドが散々やってきた「アメリカ人が外国に行って、その国の被害者を助け、加害者を殺す」というコンテンツって視点を変えると狂っているとしか思えない!という点です。

追記(26/07/09)

『Citizen Vigilante』に新しい展開、主演のアーミー・ハマーが本作を批判しています。撮影時は極右映画だとは思ってなかったらしく完成品を観た後に激怒したとのこと。「ウーヴェ・ボルに騙された」「受け取っていた脚本は短かった」などと発言。まあラスト以外は警官を殺したり悪ガキを説教する映画ですしね。

血は争えないスター・ウォーズ

血は争えない

深町秋生の『血は争えない』を読んだ。最高に面白かった。この小説は主人公が死刑だということを宣伝でバラしているし、冒頭は主人公が死刑判決を受けるところから始まる。ただ主人公がなぜ死刑になるのか読者には分からないのだ。逆ミステリーだ!

普通のミステリーは最後まで読み進めると犯人が分かるけど、『血は争えない』は主人公が「どういう罪を犯して死刑になるのか?」という構造になっている。ミステリーの要素であるフーダニット(犯人は誰?)ハウダニット(トリックは何?)ホワイダニット(動機は何?)のどれでもない、最後まで読まないと「誰を殺したのか?」が分からないという逆ミステリーです。

この小説で面白かったのが1978年の章。歌舞伎町の王の息子である主人公が『スター・ウォーズ』を観に行って「父親のように立派なジェダイの騎士になろうとするルーク・スカイウォーカー」に共感するというエピソード。そういえば当時はそういう設定だったよね。『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が日本で大ヒットしているおかげで、『スター・ウォーズ』の基本設定も知らない新規ファンが増えているので、これ以上は語りません。

画像は父親のように立派なジェダイの騎士になろうとするルーク・スカイウォーカーです↓




マンダロリアンのおかげで「ルーク・スカイウォーカーって誰?」って投稿が多いらしいね。何も知らない新規ファンが増えるのは凄く良い事!俺が生涯かけて愛するパトレイバーも新作が劇場公開されたけど「太田さんって誰?」「零式って何?」とか呟いている新規ファン皆無だぜ。

海外の邦楽名盤アルバム評

lollipopmagazineというボストンのサブカルサイトがあって、そこが日本の音楽アルバムをよく紹介していて、最近読むのにハマっています。
面白かったのをいくつか紹介します。

浜崎あゆみ:I am...


大絶賛。「タイアップシングルが多いのに、アルバムとしての完成度が高いのは驚異的」「UNITE!のようなヘヴィメタルなギターサウンドの炸裂もある」とか書いてある。『Connected』というアルバム曲を褒めているんだけど、調べたらヨーロッパでは『Connected』が浜崎あゆみのデビューシングルなのね。
lollipopmagazine.com


ハイ・スタンダード:Making the Road


「日本のバンドにしか作り出せないメロディ」と絶賛。「友人や周りの人を脅さないで、誰かを傷つけるのは良くないことだ」という歌詞(Teenagers Are All Assholes)のメッセージ性も高く評価している。日本だとハイスタの歌詞はあまり注目されないから新鮮に感じる。
lollipopmagazine.com


倉木麻衣:If I Believe


「退屈」と辛らつな評だが、「英語のサビが少ない」という点を高く評価している。そんなに嫌か、J-POPの英語のサビ。
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イースタン・ユース:其処カラ何ガ見エルカ


大絶賛。「言語の壁を軽々と超えていく音楽」「メロディをねじ曲げて血の滴る桜にする日本人の特殊能力」と凄い表現を使っている。
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パフィー:Hi Hi Puffy AmiYumi


「子供たちの心を掴むほどエネルギッシュで遊び心に溢れていながら、緻密に作り込まれている」「まるで心地よいカフェインの過剰摂取」と褒めている。面白いことにこのレビュアーは、パフィーのベストアルバムを「『アジアの純真』以外はたいしたことない」と批判している。日本人だったらあり得ないパフィー評だ。
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ギターウルフ:ジェット・ジェネレーション


賛否両論。「F-16の墜落現場のようにうるさい」「うるさ過ぎて死者が起きる、ってことはキリストが起きるか?」「録音スタジオにゴジラがいたのか?」「5枚目のアルバムなのに演奏技術の無さを爆音で補っている」「低音が無い。アメリカは低音に貿易制裁かけたのか?」といった、ギターウルフへの強烈な愛とそれ以上の呆れっぷりが混ざった名レビューだ。
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