破壊屋ブログ

ネタ系映画ブログです。管理人はこの人→http://hakaiya.com/giccho

日本映画界の演技事情

ヲトナ基地でコラムを書きました!是非とも読んでみてください。「日本映画は大量に生産されている」からこその現象を書きました。
www.maruhan.co.jp

ここではちょっと補足説明します。

最近アマプラに『ロストケア』が追加されました。私が映画館で『ロストケア』を観たときは、観客の反応が凄まじかったです。この映画は中盤から後半にかけて松山ケンイチと柄本明の生活が描かれます。この一連のシーンでの柄本明の演技が迫真すぎる!そして泣かせに来る。私が観た映画館では観客たちが一斉に泣き出して異様な雰囲気でした。

ただですね。パンフレット読むと観客たちを号泣させたこの傑作シーン。撮影初日と二日目で撮り終わったらしいです。似たようなエピソードで映画『ボヘミアン・ラプソディ』で「伝説の21分」と言われたウェンブリー・スタジアムのシーンも一番最初に撮ったらしいです。ただ『ロストケア』で観客を号泣させた柄本明が撮影に関わったのがたった二日というのは衝撃ですね。インタビューによると松山ケンイチと柄本明は別作品で共演済みなので顔合わせの必要が無くて楽だったそうです。

日本映画は大量に生産されているので、俳優と俳優が別作品で共演済みというのが多いんです。そのためハリウッド映画のような「撮影前に俳優たちがコミュニケーションを深める期間」みたいのが不要だったりする。

ちょっと話は変わりますが映画『首』で、北野武と大森南朋と浅野忠信が徳川家康と会ったあとにケンカするシーン。私の推測ですがアレはおそらく途中からアドリブです。俳優たちが「アッ」「ガッ」って言葉に詰まりながらセリフを出しているんですよね。これは日本映画がよくやる手法で、俳優に状況説明だけ伝えて後はアドリブで演技させる
私は「面白いけど何だこりゃ」と思いながら観ていました。そしたら最近あの三人が北野武の次回作『Broken Rage』でも共演することが発表されました。北野武はあの三人の組み合わせに手応えを感じたのでしょう。

ブルースクリーンの悲劇

破壊屋で和訳ネタやるのは20年振りくらいかな?

アメリカのPsychostick(サイコスティック)というメタルバンドに『Blue Screen』という曲があります。この曲は失恋した男性の悲劇を情感タップリに歌い上げるバラードで、その情感の凄まじさはボーカルが号泣しながら歌うほどです。が、歌詞中にどんどんとIT用語が増えていき……私の和訳ではIT用語を太文字にしておきます。


悲劇が始まる

I can't believe it went down this way
こんな結末になるなんて信じたくなかった

I had so much left to save
残しておくべきものはあった

I thought that we would last forever
永遠に続くはずだった

But now I'm taking it day by day
今は一日一日を過ごしている

Oh what I'd give to have you again
もう一度君と会えるならどんなにいいだろう

But there's no way I can get in
でも入る方法は無い

You shut me out of my whole world now
君は僕を世界から締め出した

My heart is in the recycle bin
僕の心はゴミ箱の中にある

パソコンの話だった

And I....Don't know why
なぜか分からない

Backups weren't on my mind
バックアップを思いつかなかった

Till the day my computer died
僕のコンピュータが死んだ日に気づいた

My hard drive fried and I cried
僕の固いドライブもぶっ壊れて、僕は泣いた

I was too careless
僕はあさはかだ

Now it's repairless
修理不可

I know that's not a word, but
例える言葉がない

I don't give a fuckless
どうでもいい

And now that you won't load
君はもう読んでくれない

Not even in safe mode
セーフモードでも読んでくれない

I gotta check e-mail on my phone
ケータイでメールチェックしなきゃ

サビ

I feel as blue as my screen
僕は憂鬱な気分を表している

Your error message is true
君の異常を告げるメッセージ実だ

You formatted my heart
君は僕の心を真っ白な状態にした

And partitioned it in two
僕たちは2つに割れたんだ

パソコン壊れてネットできないので世間と向き合う

I'm trying so hard to be strong
陰キャな僕は強くなろうとしている

To be a man who can take a fall
転んでも立ち上がる男に

I guess I had to learn the hard way
苦労して学ぶべきなんだ

The price of making you hold it all
君にすべてを背負わせた代償だ

Now fate has forced me to interact
運命は強制的に僕とやり取りしようとしている

With human beings who talk and laugh
普通の人間と会話しなきゃいけない

I'm in a hell of social functions
それは社交辞令が機能する地獄だ

Fresh air and sun have turned my heart black
新鮮な空気と太陽が僕の心を黒くする

やっぱり復縁、じゃなかった復旧しよう

And I...Know I tried
僕だって試してみた

For the data you had inside
君の中にあったデータを探す

Disk utilities couldn't find
ディスクツールでも見つけられなかった

Why my access was denied
僕からの接触をなぜ拒否するの?

Now it's all over
すべてが終わった

I'll never recover
回復不能

The memories you stored
君が記録した想い出

Must have been a bad sector
壊れた領域にいるのだろう

And now you're so empty
僕は空っぽだ。

You boot up to nothing
君が立ち上がることはない

Now I gotta look up stuff in books
僕は紙の本で調べ物をする

恋人よりも大切なモノ

I saw you wouldn't get started
君が始まらないのは分かっている

I tried running GParted
GNOMEのツールも試したんだ

Through the night just to find you couldn't be revived
一晩中試したけど、君は生き返らなかった

I had to lose all my shit to learn to never forget
二度と忘れないものを失ってしまった

That you can never depend on just a single drive
君は独身なドライブを頼ることは無いんだね

The saves to my games and all my porn
大切なゲームのデータとズリネタに救いを

I miss you, I miss you (Porn!)
君が恋しい、君が恋しい(ズリネタ!)

I'll heal with time, but for now
時が経てば癒されるか、でも今は

I miss you, I miss you
君が恋しい、君が恋しい

諦めて完全フォーマット

I hit Control Alt Delete
僕は制御、代替、削除を同時にやってみたんだ

I guess there's no other way
他に方法は無いんだ

Now I'm formatting C colon
もうC以下全部を真っ白にする

But you come up blank
君は空っぽになって戻る



というわけで失恋じゃなくてパソコンのハードディスクが壊れた悲劇を歌ったコミックソングでした。GNOMEのツールでもダメだったのか…。『ブルースクリーンの悲劇』は私が勝手につけた放題です。

公式MV

www.youtube.com

英語歌詞のコピペ元

genius.com

映画監督ベスト150

ハッシュタグ「#好きな映画監督ベスト10をあげろ」を集計しました。有効投票1142名が選んだ最高の映画監督は…クエンティン・タランティーノでした!


映画監督ベスト150

順位 名前 投票人数
1 位 クエンティン・タランティーノ 232
2 位 クリストファー・ノーラン 224
3 位 スティーヴン・スピルバーグ 223
4 位 リドリー・スコット 163
5 位 北野武 155
6 位 スタンリー・キューブリック 152
7 位 黒澤明 139
8 位 デヴィッド・フィンチャー 135
9 位 クリント・イーストウッド 127
10 位 ジョン・カーペンター 125
11 位 マーティン・スコセッシ 120
12 位 ジェームズ・キャメロン 96
13 位 黒沢清 91
14 位 サム・ライミ 90
15 位 デヴィッド・リンチ 89
16 位 アルフレッド・ヒッチコック 86
17 位 深作欣二 82
18 位 ギレルモ・デル・トロ 81
19 位 宮崎駿 79
20 位 ジョージ・ミラー 78
20 位 デヴィッド・クローネンバーグ 78
22 位 ポン・ジュノ 76
22 位 ブライアン・デ・パルマ 76
24 位 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 74
24 位 ウェス・アンダーソン 74
26 位 ジム・ジャームッシュ 72
26 位 マイケル・ベイ 72
28 位 アキ・カウリスマキ 70
28 位 ジェームズ・ガン 70
30 位 岡本喜八 66
31 位 小津安二郎 65
32 位 ポール・ヴァーホーヴェン 64
33 位 ティム・バートン 61
34 位 エドガー・ライト 59
35 位 ガイ・リッチー 58
36 位 コーエン兄弟 57
37 位 セルジオ・レオーネ 55
37 位 M・ナイト・シャマラン 55
37 位 ジェームズ・ワン 55
40 位 ジョージ・ルーカス 54
40 位 サム・ペキンパー 54
42 位 ポール・トーマス・アンダーソン 52
42 位 今敏 52
42 位 アンドレイ・タルコフスキー 52
45 位 庵野秀明 51
46 位 ビリー・ワイルダー 49
46 位 ヴィム・ヴェンダース 49
46 位 ダリオ・アルジェント 49
49 位 ジョーダン・ピール 48
49 位 ジョン・ウー 48
49 位 押井守 48
52 位 白石晃士 47
53 位 ウディ・アレン 46
53 位 ウォン・カーウァイ 46
53 位 フェデリコ・フェリーニ 46
53 位 マイケル・マン 46
53 位 岩井俊二 46
53 位 ヨルゴス・ランティモス 46
53 位 アリ・アスター 46
53 位 ジョージ・A・ロメロ 46
61 位 イ・チャンドン 45
61 位 ロバート・ゼメキス 45
63 位 ザック・スナイダー 44
64 位 パク・チャヌク 43
65 位 濱口竜介 42
65 位 三池崇史 42
65 位 吉田恵輔 42
68 位 リュック・ベッソン 41
68 位 是枝裕和 41
70 位 レオス・カラックス 40
71 位 ラース・フォン・トリアー 39
71 位 成瀬巳喜男 39
71 位 本多猪四郎 39
74 位 ロバート・ロドリゲス 38
75 位 フランシス・フォード・コッポラ 37
75 位 今泉力哉 37
75 位 イングマール・ベルイマン 37
78 位 伊丹十三 36
78 位 ジャン=リュック・ゴダール 36
80 位 ウィリアム・フリードキン 35
81 位 テリー・ギリアム 34
81 位 チャールズ・チャップリン 34
81 位 白石和彌 34
81 位 大林宣彦 34
81 位 ケン・ローチ 34
81 位 市川崑 34
87 位 溝口健二 33
87 位 マシュー・ヴォーン 33
89 位 シドニー・ルメット 32
90 位 フランソワ・トリュフォー 31
90 位 増村保造 31
90 位 ナ・ホンジン 31
90 位 ジョニー・トー 31
94 位 エドワード・ヤン 29
94 位 トニー・スコット 29
94 位 S・S・ラージャマウリ 29
97 位 鈴木清順 28
97 位 塚本晋也 28
97 位 ルイス・ブニュエル 28
97 位 ビクトル・エリセ 28
101 位 セリーヌ・シアマ 27
101 位 ルキノ・ヴィスコンティ 27
103 位 金子修介 26
103 位 三宅唱 26
103 位 石井輝男 26
103 位 ジョン・フォード 26
107 位 グザヴィエ・ドラン 25
107 位 アレハンドロ・ホドロフスキー 25
107 位 川島雄三 25
110 位 三隅研次 24
110 位 ヤン・シュヴァンクマイエル 24
110 位 富野由悠季 24
110 位 デイミアン・チャゼル 24
110 位 デヴィッド・リーチ 24
110 位 ジョージ・ロイ・ヒル 24
116 位 阪元裕吾 23
116 位 今村昌平 23
116 位 山崎貴 23
119 位 テオ・アンゲロプロス 22
119 位 ドン・シーゲル 22
119 位 西川美和 22
119 位 ロマン・ポランスキー 22
119 位 マーティン・マクドナー 22
119 位 大島渚 22
119 位 ロバート・アルドリッチ 22
126 位 フランソワ・オゾン 21
126 位 S・クレイグ・ザラー 21
126 位 沖田修一 21
126 位 サム・メンデス 21
126 位 山田洋次 21
126 位 アッバス・キアロスタミ 21
126 位 ロベール・ブレッソン 21
133 位 デヴィッド・リーン 20
133 位 ジョン・カサヴェテス 20
133 位 ウォルター・ヒル 20
133 位 ルカ・グァダニーノ 20
133 位 リチャード・リンクレイター 20
133 位 ギャレス・エドワーズ 20
139 位 イーライ・ロス 19
139 位 ダニー・ボイル 19
139 位 ロバート・アルトマン 19
139 位 新海誠 19
139 位 ジョン・マクティアナン 19
139 位 フランク・キャプラ 19
145 位 相米慎二 18
145 位 ダーレン・アロノフスキー 18
145 位 シルヴェスター・スタローン 18
145 位 ルチオ・フルチ 18
145 位 ダルデンヌ兄弟 18
145 位 アラン・パーカー 18
145 位 ミヒャエル・ハネケ 18
145 位 ピーター・ジャクソン 18
145 位 石井隆 18
145 位 ソフィア・コッポラ 18

解説する前に

実は5年前にも似たような集計やっています。そのために解説内にちょくちょく「前回」という言葉が出ます。

TOP3

90年代ブームを象徴する人でもあるタランティーノが一位!最近のタランティーノは引退作が製作中止になったり、イスラエルを支持して非難を浴びたりしていますが、集計企画になると無敵の強さを発揮するのは相変わらずです。
スピルバーグが3位というのは衝撃です。「映画監督=スピルバーグ」だったのはもう過去ですね。昔は出演スターが重要だったので映画監督に注目するのは映画マニアだったのですが、今みたいに映画監督たちが世間一般にも注目されるのは良い時代だと思っています。
そしてノーランもスピルバーグ超え。

日本人上位

北野武も集計企画で強い人で、日本人1位となりました。2位と3位はダブル・世界のクロサワ、4位がフカキンこと深作欣二です。

まさかの人

10位がなんとジョン・カーペンター!特に再評価ブームなども起きていません。単純に映画マニアたちの心にジョン・カーペンターが深く突き刺さっているからこその結果でしょう。

↑研究本のタイトルが「闇の王子」で、カッコ良さと中二病っぽさが同居していて、まさにジョン・カーペンター。

マイノリティ

私は映画監督の人種にまでポリコレを求める風潮が好きじゃないのですが、今回のベスト150は白人男性+日本人男性だらけなので、ちょっとマイノリティに注目してみます。

非英語圏の外国人

「非英語圏の外国人」の定義が難しいですが(例えばデル・トロはスペイン語で映画撮っている)、とりあえずこの3人がTOP3ということでしょうか。

  • ポン・ジュノ(韓国語)
  • アキ・カウリスマキ(フィンランド語)
  • ポール・ヴァーホーヴェン(オランダ語・フランス語)
非白人

非白人という意味では、この3人でしょうか。とはいえ非白人との混血の人もいるので安易な判断かもしれませんが。

  • M・ナイト・シャマラン
  • ジェームズ・ワン
  • ジョーダン・ピール

女性

女性は何とTOP100にゼロ人。毎年の映画ベストでは女性監督作品が上位に来ますが、ゴダールやトリュフォーといったグランドマスターが登場するこのランキングでは上位に食い込むのは難しい。

  • セリーヌ・シアマ
  • 西川美和
  • ソフィア・コッポラ

前回との比較

前回圏外で今回TOP30に入った上位3人は↓です。

  • ポン・ジュノ
  • ウェス・アンダーソン
  • ジェームズ・ガン

日本人では白石晃士が前回圏外から今回51位の大健闘です。逆に消えた人を挙げるマネはしたくありませんが……園子温が消えました。


集計エピソード

前回データがあるので楽でした。

検算が大変だった人

この三人はややこしかったです。

  • デヴィッド・リンチ
  • デヴィッド・リーチ
  • デヴィッド・リーン
誤字が多かった人

誤字が一番多いのは、ダブルクロサワでした。

  • 正:黒澤明
  • 誤:黒沢明
  • 正:黒沢清
  • 誤:黒澤清

2024年上半期映画ベスト30 今年はヤバい!(集計が)

ハッシュタグ「#2024年上半期映画ベスト10」を集計しました。有効投票1290人が選んだ今年のベスト映画は…

2024年上半期映画ベスト30

順位 タイトル 得点
1 位 オッペンハイマー 2895.5
2 位 夜明けのすべて 2853.0
3 位 哀れなるものたち 2717.0
4 位 マッドマックス:フュリオサ 2646.0
5 位 悪は存在しない 2121.0
6 位 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ 1930.0
7 位 ルックバック 1686.5
8 位 チャレンジャーズ 1598.0
9 位 デューン 砂の惑星 PART2 1556.0
10 位 パスト ライブス/再会 1547.5
11 位 関心領域 1545.0
12 位 あんのこと 1342.0
13 位 ミッシング 1336.0
14 位 落下の解剖学 1295.0
15 位 異人たち 1251.0
16 位 カラオケ行こ! 1247.5
17 位 コット、はじまりの夏 1191.0
18 位 ゴールド・ボーイ 1161.0
19 位 アイアンクロー 1113.5
20 位 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 875.0
21 位 ゴジラxコング 新たなる帝国 867.0
22 位 ありふれた教室 865.5
23 位 青春18×2 君へと続く道 807.5
24 位 瞳をとじて 742.0
25 位 梟 -フクロウ- 687.5
26 位 トラペジウム 666.5
27 位 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 645.0
28 位 コヴェナント/約束の救出 643.0
29 位 ボーはおそれている 620.5
30 位 違国日記 611.0

得点調整

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は前編と後編への単独投票があった場合、1/2点を『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』に加点しています。

投票結果に対する解説は無しです。

今年の集計はヤバい!

なぜ今年は上半期映画ベストを集計したのかというと……年始の映画ベスト100の集計の練習です。今年は映画関連の集計が21世紀に入ってから2番目に難しい年です(一番難しかったのは『光』という映画が二本公開された2017年)。各種の集計企画を実施している人たちにとっては、かなりヤバい年になると思います。

どうして難しいのかを説明します↓

デデデデ

2024年の各メディアの集計企画を狂わせるであろう作品です。2020年の『るろうに剣心』の悲劇(後述)が再び起きます。

↑これを見て

  • デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章+後章
  • デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章
  • デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

のどの作品への投票かを判断する必要があります。破壊屋では専用ロジックを作って対処しますが、手作業系の集計企画では確認作業で地獄を見ると思います。目視確認での視認性が悪いのも辛い。

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』はタイトルが長ぎて途中で改行入れる人が多いのも頭痛いです。

青春

青春という映画が四本もあるのは、かなりネックです。

  • 青春
  • 青春18×2 君へと続く道
  • 青春の反抗(2023年公開)
  • 青春ジャック 止められるか、俺たちを2

ウマ娘

ウマ娘の映画は二本公開されているのですが『ウマ娘』とだけ書く人が続出しています。

  • ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP
  • ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉


『ROAD TO THE TOP』は総集編です。破壊屋では『ウマ娘』としか書いてない場合は『新時代の扉』への投票と見なしました。

コット

「コット」という文字列が含まれる映画が三本あるのも地味に痛い。『コット、はじまりの夏』が『コット』と省略されるので、単純な文字列検索で集計している企画はヤバいと思います。

  • コット、はじまりの夏
  • コットンテール
  • フジヤマコットントン

集計企画は多数ありますが、みなさん集計する人の苦労も考えてあげてください。

オマケ:2020年の『るろうに剣心』の悲劇

2020年の『るろうに剣心』は、同じ年に

  • 最終章 The Final(実は前編、でも内容は後編)
  • 最終章 The Beginning(実は後編、でも内容は前編)

が公開されました。しかも評価が高くて投票する人が多かったので集計企画にとっては悲劇です。さらに前編と後編を取り違えてそうな投票も複数存在したため、検算で地獄を見ました。

ネイティブ・アメリカン虐殺の贖罪(ただしゲーム・映画とかで)

前から言いたくても言えなかった事ですが、状況的に今なら書ける話なので書きます。
ネイティブ・アメリカン虐殺を描いたゲーム『バイオショック・インフィニット』の考察で「(赦しという意味での)贖罪の物語だ」と書いている人やサイトが非常に多いですが、違うと思います


↑『バイオショック・インフィニット』で、中東系・ネイティブアメリカン・ラテン系・アジア系を導く白人様。

『バイオショック・インフィニット』知らない人は、↓を参照してください。この記事書いたときも「赦しの物語だ」という反論が来て「違う」とコメントしたことあります。
hakaiya.hateblo.jp


例えばですが
「元ナチスがホロコーストを贖罪する物語」
とか作ったら炎上すると思いませんか?もし
「日本に原爆投下した贖罪」
とか言われても
「贖罪で済む話じゃねーよ!」
と思いませんか?それと同じです*1


『バイオショック・インフィニット』の主人公は悪名高き「ウンデット・ニーの虐殺」の加害者です。主人公がネイティブ・アメリカンを殺した罪に苦しむ話なので「贖罪の物語」と言い出す人が多数発生しています。
ちょっと面倒臭い解説しますが、まずゲーム中の「洗礼」が贖罪を意味しています。主人公は虐殺後の洗礼から逃げ出して借金(The DEBT)だらけになります。主人公は贖罪から逃げたのです。借金(The DEBT)は「負った罪」という意味もあります。で、このゲームの悪役も「ウンデット・ニーの虐殺」の加害者で、洗礼から逃げ出さなかったんですね。悪役は贖罪を受けたので「俺の罪は赦された」という考え方をしている。

つまり

  • 主人公:虐殺の罪(借金)を支払う側
  • 悪役:虐殺の罪を赦された側

という対決構造なんです。「贖罪」という表現は確かにどっちにも当てはまりますが、主人公よりも悪役側の倫理です。「贖罪」って言葉自体はカッコいいですが加害者側の言葉なんです。ちなみに悪役の正体や、主人公が虐殺の罪を支払う展開は、座っているゲーミングチェアからひっくり返るほど驚く展開ですぜ。

アメリカでは昔からネイティブ・アメリカン虐殺の贖罪を描いた作品はありますが、それは古い倫理です。2013年に発売された『バイオショック・インフィニット』はその倫理感を進化させて「贖罪では済まない」まで描いたわけです。
しかし現在の倫理感はもっと進んでいます。『バイオショック・インフィニット』も「何で白人が主人公なんだよ」と批判される可能性がある時代です。

今回のオチ

ホロコーストや原爆投下の贖罪は不可能だけど、ネイティブ・アメリカンには奪った土地を返すという贖罪の方法があるはずなんですよね。どんだけ人類の論理感が進歩しても、その贖罪だけは絶対にやらないですが。

*1:日本の第二次世界大戦中の加害行為も贖罪不可能

りんごが10個=みかんが10個は成立する?

↓この記事がバズってますが、間違ったコメントをしている人が多いので解説します*1
www.itmedia.co.jp


この記事は「等しいってどういう意味?」問題の記事です。「等しい」というのは曖昧な概念なんです。記事の内容とは違いますが、りんごとみかんで例えます。

  • りんごが10個=みかんが10個

これは等しいのか?という話です。

  1. 同じ10個だから等しい
  2. りんごとみかんだから違う

という2つの解釈が出来ます*2。例えあなたが
「等しいとは、数が一致するときだけに使うべきだ!」
と主張しても、上の式は

  1. 数が一致しているから等しいね
  2. 数は一致しているけど、りんごとみかんは違うから「等しい」は適用できないね

と、やっぱり解釈がバラバラになってしまいます。


記事内にも書かれているとおり集合論でも厄介な問題です。

  • 集合A:巨人、阪神、中日
  • 集合B:ジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズ

これも

  1. AとBは同じモノを意味しているから等しい(数学用語で同型写像)
  2. AとBは違う表現だから等しくない

という2つの解釈が出来ます。これは1(前者)の解釈が多そうですが次はどうでしょうか?



  • 集合A:巨人、阪神、中日
  • 集合B:タイガース、ジャイアンツ、ドラゴンズ

みなさんは↓のどちらで解釈しますか?

  1. AとBは等しい
  2. AとBは順番が違うから等しくない

数学だと集合の順番を問わないのが一般的なので、数学の世界だったら「等しい」です。プログラミングの世界だと順番を気にする場合があるので、文脈が分からないと結論は出ません。それに野球ファンだったら順番こそが重要でしょう。文脈によって「等しい」か「等しくない」かが決まるのです。


このように「等しい」は定義された概念ではなくて文脈から判断するのです。

人間だと論文の文脈から「等しい」「等しくない」を解釈できるのですが、コンピュータを使った論文チェックでは上手く解釈できないという問題があるのです。そして記事では

  • 将来的には、コンピュータも人間みたいに解釈できるようになるのでは?

という予測が書かれているのですが、そこまで読まずに間違いコメントする人が多数発生。特に代入の話だと勘違いしている人が多い。人間よりもコンピュータのほうが文章を正確に解釈できる。という時代はもう目の前まで来ています。

*1:正しい指摘コメントも多いです

*2:『サルでも描けるまんが教室』にあったネタ

将来の劇場版コナン最新作で安室が復帰したら

妄想ネタ。安室透が将来の劇場版コナン最新作『名探偵コナン 最後の狙撃(ラスト・シューティング)』で復帰するとしたら。

↓AIで作った画像。

事件の舞台となったのは「木馬」と呼ばれる巨大な建造物。いつものアレやコレやが起きて最後に木馬はコナン一行が中にいたまま炎上する。そのとき芸能活動休止でここ数年間出番の無かった安室の声が突然聞こえてくる。姿の見えない安室の声に導かれてコナン一行は「脱出」に成功するのだが…。

小五郎「安室くんが呼んでくれなければ、我々はあの炎の中に焼かれていた…」
元太「さっき安室兄ちゃんの声聞こえたろ?」
歩美「うん」
歩美「あ、うふふ、そう!ちょい右!」
蘭「歩美!」
元太「そう右!」
光彦「はい、そこでまっすぐ!」
蘭「どうしたの?三人とも」
元太「そう、こっちこっち、大丈夫だから!」
光彦「そう、こっちこっち、大丈夫だから!」
歩美「すぐ外なんだから!」
哀「わかるの!?ど、どこ!?」
歩美「いい!?」
光彦、元太、歩美「4、3、2、1、0!わあーい!」
蘭「安室さん…」
安室透(古谷徹)「み、みんなは?ああ、ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんなに嬉しいことはない。わかってくれるよね?赤井にはいつでも会いに行けるから」

そしてエンディングテーマで「永遠に安室透」が流れる。安室、振り向かないで。男は涙を見せぬもの。