この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞2013 ベストテン
順位 | 投票項目名 | 得票数 |
---|---|---|
第1位 | ハダカの美奈子 | 611 |
第2位 | ガッチャマン | 451 |
第3位 | R100 | 266 |
第4位 | 体脂肪計タニタの社員食堂 | 161 |
第5位 | めめめのくらげ | 160 |
第6位 | おしん | 135 |
第7位 | タイガーマスク | 116 |
第8位 | ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー | 113 |
第9位 | 47RONIN | 108 |
第10位 | 101回目のプロポーズ ~SAY YES~ | 94 |
第10位 | キャプテンハーロック | 94 |
リンク先はみなさんの投票コメントになっております。
ベストテン解説
- 多くの人が「2013年の誰映画大賞はガッチャマンだろう」と予想していたはずだけど、『ガッチャマン』はまさかの2位。この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞2013は史上最多得票で『ハダカの美奈子』となりました。その脅威の得票数は2012年の誰映画大賞『新しい靴を買わなくちゃ』の4倍!
- 3位は俺個人の意見を言わせてもらえば、ここ数年でもっとも最悪の映画『R100』。
- 4位はレシピ本の映画化『体脂肪計タニタの社員食堂』。
- 5位はアーティスト村上隆の初監督作品『めめめのくらげ』。これは三部作の第一作で、第二作は今年公開予定。テレビシリーズも考えているそうですぜ。
- 6位は子役ブームを当て込んだリメイク『おしん』。スポンサー集めに全力を尽くしているのが見え見えで、身売りや食糧難を描いた設定なのに質屋や外食産業とタイアップキャンペーンしたのが印象的だった。
- 7位の『タイガーマスク』は伊達直人運動(児童擁護施設にランドセルを送る運動)に便乗しようとしたけど色々トラブルがあって公開が延びていた。驚異的な低予算映画で、色調も雰囲気もとにかく暗かった。
- 8位の『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』はハッキリ言ってAKB48のドキュメンタリー映画よりも観るのがキツかったぜ。俺はGeeeeN、上地雄輔、ファンキーモンキーベイビーズ、ナオト・インティライミとかあの手の音楽が嫌いなので、新垣隆さんに「彼らのゴーストライターもやってました!」と告白してもらいたい。
- ここでようやく初の外国映画。9位の『47RONIN』は2回の公開延期の末にようやく公開されたが大赤字となった。俺は意欲作だとは思っているけど、いかんせん普通につまらない…。
- 10位の『101回目のプロポーズ ~SAY YES~』は、公開直前に「覚せい剤を使ったというのは本当ですか?」という週刊誌の質問に飛鳥涼がSAY YESしたため、主題歌差し替え&宣伝もほとんどできない状態になった。
- 2013年は『ゼロ・グラビティ』『パシフィック・リム』『クロニクル』『オブリビオン』とアメリカのSF映画が凄まじかった年だけど、日本では『キャプテンハーロック(10位)』があった。井上真樹夫が声優したハーロックを小栗旬にブチ壊しにしたけど、次の小栗旬は実写ルパン三世ですぜ!
- それでは上位5本を実際に観た俺が解説します!
第1位:ハダカの美奈子
傑作コメント
ぐうたら亭いねむり さん
事故物件をかき集めて事故物件をこさえようという前衛的精神はスゴイとおもう。
きつね さん
自伝の内容紹介(アマゾン)を読むと、別居、離婚、DV、妊娠、タトゥー、表紙帯にはシンナー、万引きの素晴らしき単語が並んでいますが、特にミイラという言葉が目を引きました。 ゾンビ、殺人鬼、宇宙人、CIA、暴力団、タイムトラベル、指輪を火山に捨てにいく等、まだまだネタは豊富にあるので、次作に向けて頑張ってほしいですね。
不思議太郎 さん
「映画公開!」と聞いて、速攻でこの賞が思い浮かびました。 一点の曇りもなく、大賞受賞される事でしょう。他の映画、命拾いしましたね。
J さん
誰が観に行くんだというより、アッという間に上映打ち切りになって誰が観に行けたんだという感じ。
まんまる さん
ハダカというのは「素顔の」「ありのままの」という意味かと思ったら、どうやら本当に脱ぐらしい…… どっちにしても見たくないのは同じですが
ネタバレ全ストーリー
自伝映画だけど5年後の未来。世間ではビッグダディブームが終わり、美奈子(中島知子)は6人の子どもと普通に暮らしていた。長女(演じるのはスキャンダルでAKB48をクビになった平嶋夏海)は際どい水着を着るグラビアアイドルとしてデビューしたが事務所から逃げ出した。事務所に恐喝される長女を救ったのはモデルガンを持ち歩く謎のおじさん(螢雪次朗)だった。
何年も会っていない長男からいきなり「結婚する」というメールが来た。そこで一家はおじさんの車で長男に会いに行く旅に出ることになった。
しかしおじさんは警察に追われていた。実はおじさんはモデルガンショップの店長だったけど、火薬の調合をミスって店を爆破。最愛の娘を死なせていたのだった。過失致死の罪と自責の念から逃れようと自殺を決意していたおじさんだが、警察へ出頭した。
美奈子一家は長男が働く牧場に到着する。さて、ここからがクライマックス。長男の結婚相手(演じるのがなんと美奈子本人!)には連れ子がいるという。美奈子は長男の嫁に「一人?」と連れ子の人数を聞く。だが嫁は首を横に振る。「二人?」嫁は首を横に振る。「まさか三人?」それでも嫁は首を横に振る。
連れ子は6人いた。いきなり6人の子持ちになった長男。美奈子は嫁に向かって「私たち引き分けね!」という。美奈子も嫁も6人の子持ちなのだ。6人+6人で12人の子どもが登場するクライマックス。だが嫁は「私の勝ちです」と自らのお腹をさするのであった…。
真の『この映画はいったい誰が見に行くんだ!』
『ハダカの美奈子』には最多得票とは別にもう一つ記録的な現象がある。それは誰映画史上初のマイナー映画が大賞を取ったということだ。過去の誰映画ベストテンでマイナー映画が入ったのは石原真理子の自伝を映画化した『ふぞろいな秘密』と故桜塚やっくんが出演している『ヘイジャパ!』など、ほんのわずかな作品のみ。「誰映画」と言いつつも、結局はメジャー映画が大賞を取るのが常だった。もちろん誰映画大賞取る作品たちはどれも大コケなので「誰映画」の名には恥じてないけど。
2013年前半の芸能ニュースをかっさらった中島知子とビッグダディ元嫁、圧倒的な知名度と皆無に等しい観客動員力。そして何より600人以上が投票したのに、この映画を観たのが俺以外に皆無という事実!これぞ『この映画はいったい誰が見に行くんだ!』大賞だ。
内容解説
ビッグダディ元嫁の美奈子と、いまだに占い師にマインドコントロールされている中島知子と、金持ちのボンボンと合コンやっているのがばれてAKB48をクビになった平嶋夏海が揃った映画。芸能界の掃き溜めを通り越して「芸能界の放射性廃棄物質の最終処分場」とも言える映画だ。
日本の少子化に歯止めが効かなくなって何年も経つが、子どもを気楽にポンポン産んでも社会が育児をガンガン支援する仕組みがないと少子化は解決しない。本作はそこまで描いておらず、子沢山のシングルマザーの充実した人生が描かれる。それは良いことだと思うけど、ビッグダディと美奈子の明らかに無計画な家族計画が出てくるシーンはホラー的な恐ろしさを感じる。
自伝とヌード
自伝の映画化なのに5年後を舞台にしている近未来映画だとは思わなかった。自伝で描かれていた過激な要素は回想シーンとして登場する。意味不明なのは、次女が学校でいじめられていることを母:美奈子に相談するところ。ここで美奈子の回想シーンが始まるので俺は「そうか美奈子もいじめられていたんだな」と思ったら、美奈子がスケバンとして活躍する姿が回想されるのだ。それだといじめるほうじゃねえか。
この映画最大の売りだったのは中島知子のヌードだ。しかし本編ではヌードになる直前に深刻な音楽が流れ、何度もカメラが切り替わるなど、やたら壮大に描いていて笑ってしまう。普通こういうシーンはあっさり撮るんだけどね。
この映画で褒めるところ
原作の自伝と全く関係ないエピソードに出てくる螢雪次朗だけど、彼のおかげで映画らしさを保っている。日本映画って小日向文世、温水洋一、諏訪太郎、螢雪次朗みたいに髪の毛が薄い人が出てくると映画に厚みが増すよね。
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第2位:ガッチャマン
傑作コメント
しまねこ さん
ようやく剛力さんに原作のイメージをぶち壊されて怒っている人の気持ちが解りました。
ヒロ筋肉痛 さん
劇場でこの映画の予告編が流れ始めた頃、「ガッチャメェーン」とタイトルコールが入る所で、毎回客席から失笑が漏れてた。
djclover さん
もうね、「ごくせん(ドラマ)」の頃から、俺ぁ佐藤東弥の事が大嫌いだった、 今や「ガッチャマン」で本広・堤に続く 「ダメ映画監督の殿堂入り」を果たせた事を心から喜ばしく思う、 活劇の醍醐味たる「燃え」の概念を、足の小指ほど持ってない人間に 「ダークナイト」「アベンジャーズ」級のヒーロー大作を作ろうなどと 思い上がりも甚だしい!! あとゴーリキーだけに全ての罪を背負わせるのは筋違いだ! もはやそういったレベルじゃない!!
NO NAME さん
同時期に上映していたパシフィック・リムが いかに優れた作品だったのかを確認するためだけに存在する作品
だいじろう さん
ネタバレ全ストーリー
映画が始まると『ガッチャマン』本編ではなくて『おはよう忍者隊ガッチャマン』というフラッシュアニメが始まる。松坂桃李も出てきてギャグを飛ばす。全く笑えない上に、大スクリーンで観るとキツイ。で、ようやく本編開始。本編が始まると子どもが出てきて「適合者がウィルスXに感染するとギャラクターになるんだって」と映画の設定を喋り出す。
世界は謎の侵略者ギャラクターによって半分が崩壊していた。そのころ剛力彩芽はガッチャマンの給料でショッピングを楽しんでいた。
新宿にはカークランド博士のいる国際科学技術庁がある。ギャラクターは国際科学技術庁を爆破するため、『バトルシップ』に出てきたやつと同じ巨大爆弾兵器が襲撃してくる。ガッチャマンたちは新宿で巨大爆弾兵器と激戦を繰り広げ、最終的には巨大爆弾兵器の解体に失敗してヤケになった剛力彩芽が起爆装置をぶち壊して新宿は救われる。しかし同時にギャラクターの謎の女幹部:ベルクカッツェが地球にやってくる。
松坂桃李と綾野剛には因縁があった。二人ともナオミ(演じるのは初音映莉子)という女性を愛していたのだが、綾野剛が先にナオミにプロポーズ。しかしその直後にギャラクターの襲撃によってナオミは消されてしまう。この時点で「つまり謎の女幹部の正体がナオミだろ!」とバレバレだ。
ギャラクター幹部のイリヤが地球にやってきた。名前は外国人っぽいけど、演じているのは化粧がやたら濃い中村獅童だ。中村獅童の目的はカークランド博士だ。カークランド博士は最強兵器:モスコーンを作り、モスコーンのリモコンを自分の体に埋め込んだ………というバカ丸出しの設計なので、とうぜん中村獅童がカークランド博士を拉致ってモスコーンは奪われた。どうでもいいけどコレだと新宿でカークランド博士を爆破しようとしてたのと矛盾する。ありがちな脚本のミスだ。
綾野剛が中村獅童を追い詰めると、中村獅童は正体を現す。その正体はナオミだった!中村獅童の正体が婚約者の美女だった!これには俺も驚いた。ナオミが中村獅童でありベルクカッツェなのだ。
いろいろあって、ガッチャマンたちは敵の巨大要塞に突撃。途中明らかにガッチャマンたちが敵の巨大要塞を操縦している意味不明シーンがある。そしてモスコーンが奪われたため地球はあと30分で崩壊の危機となる。ここで観た人全員ブチ切れること間違いなしの「あと30分で地球が終わるのに剛力彩芽と松坂桃李が痴話ゲンカ」が始まる。さらに剛力彩芽が「私だって醜いスーツ着せられて戦ってるのに!」を言う。これ予告編だとおかしく感じないけど、剛力彩芽はガッチャマンの給料で楽しんでいるハッチャケキャラという設定なので本編だと違和感ありまくりの珍セリフだ。
松坂桃李と綾野剛VSベルクカッツェ(ナオミ)が戦うクライマックス。綾野剛はギャラクターのウイルスに感染していて、ギャラクターの一員になるか選べとナオミに言われる。選べるのかよ!
ヤッターマンとの比較
本来は日本映画界の核兵器:三池崇史が『ガッチャマン』を監督する予定だった。だが三池崇史は「『ガッチャマン』の実写化には『ダークナイト』級のスタッフが必要になる。でも『ヤッターマン』なら今の日本映画のレベルでも実写化できる」と言って『ガッチャマン』を断り『ヤッターマン』を実写化した。
『ヤッターマン』で育った男性たちにとって思い入れのあるアニメヒロイン:ドロンジョは深田恭子が演じることになった。三池崇史はドロンジョのエロかわいいツンデレ要素をそのまま実写化。深田恭子はその期待に応えてハイレグボンテージで間抜けなポーズばっかり取っていた。
『ヤッターマン』の実写化には、オスカー事務所からは福田沙紀(コイツのゴリ押しに失敗したから剛力彩芽のゴリ押しが始まった)を押し付けられていたが、福田沙紀のキャラはおいしいシーンが何も用意されていなかった。そこらへんの三池崇史の采配も良かった。『ヤッターマン』の映画化は成功だった。
しかし実写『ガッチャマン』は大失敗した。ドロンジョ級に思い入れのあるパンチラヒロイン:白鳥のジュンは剛力彩芽が演じることになった。「白鳥のジュンのパンチラは見たいが、剛力彩芽のパンチラは見たくない」という縛りやトーマスさんの名言があるが、ファンも全員同じ気持ちだろう。もちろんパンチラは一切なかった。
実写化の正体
『ガッチャマン』は公開前からかなりバッシングされた。なぜならマンガやアニメの「実写化」が失敗することは誰もが知っているからだ。「実写化」というのは建前であって、芸能事務所が自社タレントを売り出すのが目的だ。メリットとえば「宣伝がやりやすい」「スポンサーが集めやすい」というだけ。それ以外に理由はない。
よくマンガやアニメが実写化されるけど、今の日本映画にとって原作マンガや原作アニメというのはどうでもいい話。だから実際に実写化された映画を観ると、それは実写化じゃなくてハリウッド映画を真似ているだけ。本作はまさにその象徴で、色んなハリウッド映画を堂々と真似ている。『アベンジャーズ』『スパイダーマン』『ミッション・インポッシブル』『ダークナイト』『バトルシップ』などなど…。意外なことにそれが良い意味で面白い。むしろパクリをやらなかった後半が悲惨なことになっていた。
その他ツッコミ
観た人全員が「よくわからない…」と思うはず。とにかく設定を連発する映画だ。とくに意味不明なのは石とウイルスの設定だ。もともとは三部作の第一作となる予定だった。続編が絶望的になった今となっては石とウイルスの謎について永遠に明かされることはないだろう。
この映画はヒットさせる気満々で「製作費80億円!」という嘘情報を東スポが流したほどだった。しかし実際は明らかに体育館で撮影しているシーンがあった。
映画の設定から2013年最高の映画である『パシフィック・リム』を連想させるのも、この映画の不幸だった。比較にもならん。特にオープニングでやっていることは『パシフィック・リム』と全く同じなのに月とスッポン状態。例えば『パシフィック・リム』は主人公が心理情景の次に映画の設定を語り始めるのに、『ガッチャマン』はいきなり映画の設定を語る。観客がまるでついていけない。
この映画で褒めるところ
監督はわかりやすさを優先させるために編集段階で余計なシーンをカットしまくったそうだ。この監督の判断は正しい。日本映画としては珍しく100分にまとまっていて、起承転結や場面展開がキッチリついていて好感モテる。
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第3位:R100
傑作コメント
ゲーナ さん
「R100」でツイート検索すると、「これからR100観るよー♪」と言っていた人が、100分後に全身憎悪まみれになってツイッターに登場する様は圧巻でした。
NO NAME さん
監督デビュー作からずっと配給してきた松竹がやっと見切りをつけたというのに、それに乗っかるワーナーブラザーズ・・・。ん
脳みそとろりんちょ さ
キタノブルー・・・北野武監督が好んで使う気品あるブルーのこと
マツモトブルー・・・松本人志監督作品を見たあとの気持ちのこと
szkmb さん
かつての信者どころか、今までボロクソにこき下ろしていたアンチまで生暖かい目でスルーし始めた時はもう本格的に駄目だと思った
crystalgrowth さん
つまらないのはいつもの事なので良い。 問題は劇中でつまらない事の言い訳をしたことだ。コレは恥ずかしいぞ。
ネタバレ全ストーリー
主人公は妻が意識不明の重体となったため息子と二人暮らし。義理の父親からの支援を受けながら辛い生活を何とか送っている。
その一方で主人公はMなので、SMクラブにも入る。いつSMプレイが始まるわからないし、退会もできないSMクラブだ。入会後には突然現れる女王様の攻撃に主人公は満足をしていた。
だが女王様たちの攻撃は過激になる一方で、小学生の息子もSMプレイの犠牲となる。さらになんでも飲み込めるSM女王が登場し、妻も義理の父親も食い殺された。
主人公はSM女王軍団と戦争になり、SM女王たちを皆殺し。そして主人公は妊娠する。なぜだかわからないけど「MがSを極めると妊娠する」という説明が入る。ラストシーンでは妊娠した主人公が息子と幸せそうに写真を撮っている。
実はこの映画はボケた人が作ったつまらない自己満足の映画だったのだ!
内容解説
最後の一行は俺の感想じゃなくて本当にそういうラストシーンなんだが、まあ俺の感想も同じだ。妊娠のくだりは映画の展開として最悪レベル。そもそもSMですらないので倒錯感も無い。ただの嫌がらせや暴力が延々と続くだけだ。
『大日本人』と『しんぼる』が公開されたとき、この二作に対する映画評論が世間に溢れかえった。『R100』はそういった「映画を評する」という行為を無に帰すための取り組みだ。「これは100歳の映画監督が作った酷い映画」という設定だし、劇中で映画の感想が語られるシーンが何度もある。展開は筋がまったく通っていない。松本人志の取り組みは成功しており、「つまらない」以外に評する言葉が見つからない。でもそんな俺の反応も松本人志の手のひらの上なのかもしれない。
この映画で褒めるところ
ここ数年でもっとも鑑賞ストレスの高かった映画。褒めるところは無い。強いて言うなら、序盤の父子家庭描写は良かった。
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ネット上で話題になったNMB48の強制鑑賞会。アイドルも辛いよ…。
第4位:体脂肪計タニタの社員食堂
傑作コメント
NO NAME さん
社員食堂のレシピを映画化されても・・・
縛りやトーマス さん
ダイエットをしようとする社員三名はデブな上に仕事もロクに出来ない奴として描かれ、そのダイエットですら途中で放棄しようとする。 「デブは仕事もできない、何やってもダメな奴だ!」 というデブに対する悪意に満ちた映画。デブの何が悪いんや!
スナイパー熊 さん
「この映画観てダイエットしなよ。」と知り合いから言われたときは殺意が芽生えました。
NO NAME さん
映画は見てませんが、タイアップで出てたインスタントのみそ汁やらスープやらがことごとくマズかったのが許せませんでした
yama さん
「タニタはコネ入社やデブ差別が公然とまかり通る企業という描写」 「劇中に出てくる社員食堂メニューは実際のものとは関係ない」 ・・・すいません、この映画タニタに何の得にもなってないんですけど。
ネタバレ全ストーリー
実在する計測器メーカー:タニタ。主人公はタニタの社長の息子だ。ある日会社の社長が倒れてしまったので、主人公は代打で発表会の音頭を取ることになる。主人公はかなり太っているので、他の太っている社員たちと一緒に発表会までのダイエット計画を立てた。そのために高校の同級生で今は管理栄養士のナナコ(優香)に社員食堂のメニューを作ってもらうことにした。
しかし社員たちは日々の仕事や私生活トラブルのストレスから、どうしても飲食に走ってしまう。最終的には太った女性社員の自殺未遂事件まで起きる。その女性社員の飛び降り自殺は、ミルフィーユで吊ることで食い止めた。
問題はまったく解決していないけど、クライマックスで主人公が想いを熱弁すると問題はぜんぶ解決した。ダイエットキャンペーンも成功する。倒れた社長は看護婦の壇蜜を愛人秘書にして復帰した。
ラストシーン、今は痩せた社員の一人がナナコに告白しようとする。だが実はナナコはデブ専で太った彼氏がいるのだった。
内容解説
秘密保護法や消費税増の前に、日本映画で唐突なミュージカル禁止法案を通すべきでは。
レシピ本の映画化という前代未聞の企画。とはいえストーリーはイチからフィクションで構築している。
この映画の設定が厳しいのは「肥満の人間そのものを否定する」ということになってしまうことだ。残念ながらそういう意味でけっこう酷い映画。ただラストシーンで「太った人が好き」という価値観を出しているし、「現代の20代女性の摂取カロリーは戦後以下」というセリフで過度のダイエットに警鐘を鳴らしているのも良い。
この映画が本当に厳しいのはバラエティ色豊かな演出だ。映画がカラオケ風になったりミュージカル風になったりするのがキツい。劇中の壇蜜のエピソードは作品の質を大きく落としてでも話題を作る!という意図が見え見えでげんなりした。
とくにクライマックスが酷い。ダメな日本映画が絶対にやる黄金パターンのクライマックスが炸裂する。↓このパターン。
- 悲しいBGMが流れて主人公が走りだす
- 主人公が誰かに「変わらなきゃダメなんだよ」って説教される
- 主人公が「仲間と一緒に頑張ってきたんだ!」と叫ぶ
- 周りの人たちみんなが感動する
この映画で褒めるところ
ダイエットのノウハウが面白い。○○ダイエットというのは一切ない。あくまでもカロリーと生活習慣の話。リハビリのように描いている。メンタル部分にも踏み込んでいるのも良い。
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映画の中のタニタはコスト削減に努力する姿が描かれていたけど、現実のタニタはわけわからん付加機能をつけることに努力している。
第5位:めめめのくらげ
傑作コメント
foobar さん
公式サイトの「第1作公開の前に、既に『めめめのくらげ2』の製作もスタートした」という文章で目眩がした。もう2014年の誰映狙いとは。
ダーク・ディグラー さん
そういや細田守と組んだ時ハリウッドにジャパニメーション作るって発言してたけどそれがコレなんですね・・・・・・・
まこと さん
比類ない全能感に満ちていて、裸の王様になっている点ではR100の松本人志と匹敵する監督の作品。まだ松本は漫才ではオリジナリティがあったが、こちらは日本のアニメをぱくって有名になっただけの人なので、さらに低品質なのである。ぎりぎりまで予告編ができなかったことにも注目したい。現場の人たちの苦労を察してあまりある。
サニーサイド3号 さん
ところで、この映画は味覚糖ののど飴「e-ma」とのコラボレーションを展開しているのですが、約200円ののど飴2点を村上隆先生デザインによるケースに入れてなんと1,200円という錬金術ぶり。ちなみにこれが最も安価なコラボ商品で、いちばん値が張るものはまさかの30万円、しかも完売。お金って、あるところにはあるのだなあとしみじみしてしまいました。
ホルマン さん
村上隆が自作を威に盾に、「今の日本はアートアレルギーのアート不毛地帯です」と語っていたのを見て、「てめぇこそがアートアレルゲンだろうが!」と憤慨したのも思い出です。
ネタバレ全ストーリー
東日本大震災の津波によって父親が死んだ少年:マサシ。マサシは母親と一緒に田舎町に引っ越す。その町の子どもたちはみんなLife Form Resonance Inner Energy Negative Emotion Disaster Prevention、略してFRIENDという生命体を持っていた。あまり略にはなってない。ちなみにFRIENDは子どもたちの負のエネルギーに共鳴するというモンスターズ・インクみたいな設定だ。マサシはクラゲ型FRIENDと友達になる。
町には謎の研究所があって、黒いマントの研究員たちが働いていた。彼らの目的は子どもたちの負のエネルギーを集めて、巨大FRIENDを召喚して日本を破壊することだった。
謎の研究所はマサシの叔父さんのクローンを作り出し飛び降り自殺させる。オジサンが死んでショックを受けるマサシ。さらにミニスカ巨乳美少女型FRIENDの激しい戦いと、マサシの悲しみが融合して巨大FRIENDを召喚する。ちなみにミニスカ巨乳美少女型FRIENDは6800万円する村上隆のフィギュア:miss KO2のことね。
だが巨大FRIENDは、街の子どもたちのFRIENDが集まったことにより倒された。巨大FRIENDが消えると同時に子どもたちのFRIENDも消滅。悲しみに泣き出す子どもたちだが、FRIENDはスマホから復活できるのであった。
内容解説の前に
この映画はちょっと批判しにくい。なぜなら監督の村上隆は、エゴサーチで自身の批判に回答してくる人なのだ。それだけならまだしも、俺はすでにこの映画の製作発表ニュースをバカにして村上隆監督から反論を受けて謝罪済なのである!
内容解説
とにかくFRIENDが何なのかサッパリわからないので、村上隆の初メガホン「めめめのくらげ」は3部作、さらに“10年計画”もの記事から引用する
村上によれば、“ふれんど”は「子どもたちの負のエネルギーに共鳴した生物。(震災後)新しいエネルギーを作り出す過程で生まれた設定」だといい、「現代人にとってのコミュニケーションの媒介者でもある」。純粋な子どもたちとは対照的に、未知のエネルギー研究施設や謎の黒マント集団、新興宗教団体といった大人たちも暗躍し「震災を機に、あらわになった戦後日本のゆがみを追及したかった。復興はもちろん、文化の衝突と融合もテーマのひとつ」と物語の背景を説明した。
という本人談の製作意図を映画本編から見出すのは不可能に近い。ストーリーは狂っているけど、やっていることは『サマーウォーズ』と同じ。『サマーウォーズ』のSNSの代わりにポケモンが出てくるの。ポケモンじゃなくてFRIENDか。
『サマーウォーズ』の他に『AKIRA』の影響も強い。巨大な破壊エネルギー後に、復興や未来に向かう意思が出てくるのは『AKIRA』と同じだ。
どうでもいいけど村上隆の映像製作集団カイカイキキはロリネタが好きらしく、劇中スク水や女子小学生の着替えシーンがハッキリと出てくる。
この映画で褒めるところ
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6位以降の映画
- 『明日、ママがいない』に呆れ果てたでネタバレを書いたけど『おしん』のラストシーンは最悪だった。ブラック企業の価値観を肯定する現代日本社会をおしんから学んだよ。
- 『NMB48 げいにん! THE MOVIE お笑い青春ガールズ!』の「友情崩壊、嫉妬、裏切り」って、グループ内でCD売上を競い合いスポンサーを取り合う48グループそのものでは…。
- 広末涼子+ジャニーズの転生映画『桜、ふたたびの加奈子』は99位だった。ちなみに監督が佐村河内と長年の付き合いがあり本作も佐村河内が作曲している。今投票していたらもっと上位にいっただろう。
- 外国映画では、日本絡みの『47RONIN』はさておき、『ダイ・ハード/ラスト・デイ(18位)』と『アフター・アース(24位)』は実際に観た人が怒って投票していた。
- 変な企画映画が多い年だった。ヤバめの自伝を映画化した『奇跡のリンゴ(14位)』『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで(20位)』はまだマシなほう。ベストテン圏外では、タイトルに草が生えている『風俗行ったら人生変わったwww(13位)』、バラエティ番組の映画版『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE(15位)』があった。人狼ゲームの便乗映画は『人狼ゲーム』と『リアル人狼ゲーム』の二本が作られた。中でも特筆すべきはイケメン声優とニコ生の歌い手がサバゲーをして遊んでいるところを映画館で流した『劇場版ワルノリっ(26位)』だ。何じゃそりゃ。
- 韓国ネタは32位の『GOGO♂イケメン5』が最高順位だった。誰映画の上位に行くのは話題作でもある証拠なので、これも韓流ブームの終りの象徴だろう。逆に『利休にたずねよ(28位)』が嫌韓層の票を集めていた。
- 毎年恒例の「変なタイトルの映画」では『連結部分は電車が揺れる 妻の顔にもどれない(39位)』『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。(48位)』『私は公務員だ(67位)』が票を集めていた。
6位~20位の傑作コメント
おしん
吉田行 さん
上戸彩があんな貧農地帯に生まれていたら10歳までに売り飛ばされているはず。せめて大久保佳代子を使うべき
ダーク・ディグラ さん
数十年後『あまちゃん』も映画化するでしょうねー(棒)
タイガーマスク
マヌルねこ さん
「梶原一騎原作レイプ映画シリーズ」で残る大物は『巨人の星』だけか…。
47RONIN
NO NAME さん
別次元の『忠臣蔵』として鑑賞するのが正解かもしれません。
風俗行ったら人生変わったwww
名前を取得できませんでした さん
何も変わらねぇよ。 ソースは俺。
映画 謎解きはディナーのあとで
NO NAME さん
これ以上、「安堂ロイド」とかが映画化しませんように。
サニーサイド3号 さん
映画宣伝用のメインビジュアルに2箇所も記された 「hannin wa dare?」 というキャッチの脱力加減は2013年屈指のレベルなのではないでしょうか。
人類資金
yama さん
M資金を狙う謎の男が香取慎吾っていう時点で真面目にやる気ねーだろ。
数々の傑作コメントはこちらで読めます。みなさん本当にありがとうございました!
総評
- 誰映画名物の「抜きつ抜かれつの1位争い」は発生しなかった。投票開始30分の時点で『ハダカの美奈子』に得票が集まって当確になっていた。
- 2013年から即時投票を可能にしたので、全体的に票数が増えた。投票してくれたみなさん本当にありがとうございます。
- 2位『ガッチャマン』と3位『R100』は「観る前から誰も期待していない」「大コケ」「悪評がネット上で話題になる」とダメ映画の要素が3拍子で揃った。
- 例年だと圧倒的な強さを誇っていたジャニーズとAKB48だけど、今年はベストテン内には無し。個人的にはジャニーズとAKB48のバカ騒ぎ映画には2013年も苦しめられたので意外だった(例:『ATARU(12位)』『コドモ警察(21位)』)。ベストテン中半分の作品が低予算映画というのも2013年誰映画の特徴だ。
- これを書いている時点で、佐村河内守のゴーストライター騒動が大騒ぎになっているんだけど、新垣隆は交響曲を作るテクニックを「マーラーを真似しただけ」と答えていました。それだけであんなに売れる交響曲を作れるのか。邦画だと『アベンジャーズ』を真似て『ガッチャマン(2位)』、『ダークナイト』を真似て『タイガーマスク(7位)』が出来るんだぞ。
- 技術としては終わった感が強いFLASHだが、日本でFLASHアニメ映画がバンバン作られるのは不思議だ。製作費が安いからか。