ヲトナ基地でコラムを書きました!是非とも読んでみてください。「日本映画は大量に生産されている」からこその現象を書きました。
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ここではちょっと補足説明します。
最近アマプラに『ロストケア』が追加されました。私が映画館で『ロストケア』を観たときは、観客の反応が凄まじかったです。この映画は中盤から後半にかけて松山ケンイチと柄本明の生活が描かれます。この一連のシーンでの柄本明の演技が迫真すぎる!そして泣かせに来る。私が観た映画館では観客たちが一斉に泣き出して異様な雰囲気でした。
ただですね。パンフレット読むと観客たちを号泣させたこの傑作シーン。撮影初日と二日目で撮り終わったらしいです。似たようなエピソードで映画『ボヘミアン・ラプソディ』で「伝説の21分」と言われたウェンブリー・スタジアムのシーンも一番最初に撮ったらしいです。ただ『ロストケア』で観客を号泣させた柄本明が撮影に関わったのがたった二日というのは衝撃ですね。インタビューによると松山ケンイチと柄本明は別作品で共演済みなので顔合わせの必要が無くて楽だったそうです。
日本映画は大量に生産されているので、俳優と俳優が別作品で共演済みというのが多いんです。そのためハリウッド映画のような「撮影前に俳優たちがコミュニケーションを深める期間」みたいのが不要だったりする。
ちょっと話は変わりますが映画『首』で、北野武と大森南朋と浅野忠信が徳川家康と会ったあとにケンカするシーン。私の推測ですがアレはおそらく途中からアドリブです。俳優たちが「アッ」「ガッ」って言葉に詰まりながらセリフを出しているんですよね。これは日本映画がよくやる手法で、俳優に状況説明だけ伝えて後はアドリブで演技させる。
私は「面白いけど何だこりゃ」と思いながら観ていました。そしたら最近あの三人が北野武の次回作『Broken Rage』でも共演することが発表されました。北野武はあの三人の組み合わせに手応えを感じたのでしょう。