スパイダーマンをクビになったアンドリュー・ガーフィールドと、スーパーマンの敵を演じたマイケル・シャノンのダブル主演。スパイダーマンVSゾッド将軍!
『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』は乱暴に表現すると立ち退きの映画化だ。
2015年の傑作映画で『ナイトクローラー』という作品があったけど、『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』はあれの昼版。『ナイトクローラー』の舞台は常に夜で主人公はコソコソと働いてたけど、『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』は常に昼間が舞台。主人公たちはアメリカの法律を利用して堂々と立ち退きを迫る。
シングルファーザーの主人公(アンドリュー・ガーフィールド)は仕事先が給料を払わなかったことにより、ローンが支払えなくなる。その結果立ち退きによって家を失う。屈辱的なことに立ち退きを担当した不動産屋(マイケル・シャノン)からバイトを引き受けることになってしまうが、以外にも不動産屋としての才能を発揮していく。
- アンドリュー・ガーフィールド → 家とは家族を形成するもの
- マイケル・シャノン → 家とは単なる投資対象
という二人の思考の違いが特徴的だった。
脚本は傑作日本映画『CUT』を撮ったアミール・ナデリ。アメリカの問題点をこれでもかと詰め込んでいるけど、主軸の物語はわかりやすくてドラマチック。映画の中盤で貧困に陥った主人公家族が給料の支払いに救われるシーンとか感動的なのに恐怖を感じる。
そして『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』はアメリカ映画でよくある立身出世モノなんだけど、俺がこの手のアメリカ映画を観るたびに常々思っていた「アメリカ映画の主人公ってさぁ、そういう生き方で疲れない?」に対する答えも描かれていた。