↓の見出しを読んだときに真っ先に戦争ゲームの『バトルフィールド4』を思い出した。このゲームは中国の民主化運動の象徴的存在が死ぬところから始まるのだ。ちなみに『バトルフィールド4』は中国で発禁処分を受けている。今回はこのストーリーを解説します。
民主化運動の象徴の死去
中国の民主化運動の象徴的存在であり、ガンジーのような平和主義者であるジン・ジエが上海で暗殺された。中国の過激な軍国主義者チャン将軍は
「犯人はCIAである」
と発表、上海に戒厳令を敷く。
『上海制圧』は傑作マップとして名高い。中央のビルを占拠すれば有利になるが、プレイ中に倒壊する。オンラインプレイだと、倒壊の兆候が見えるとプレイヤーたちが一斉にビルから飛び降りだすのがメッチャ楽しい。
主人公の上海救出作戦
主人公はアメリカ軍の軍曹。このゲームの1面は混乱する上海での政府要人の救出作戦だ。
主人公の仲間はアイリッシュという黒人男性。アイリッシュは単純な正義感の持ち主で、困っている中国人がいたら作戦を無視して勝手に助けるような熱い男だ。
救助すべき要人とは、中国人女性のVIPとその夫だった。当然ながら戦争ゲームなのでプレイヤーは主人公を操作して、敵兵を殺しながら進む。ようやく要人夫婦を救出するが、要人の夫は重症で息も絶え絶え。だがその夫はせっかく助けに来てくれた主人公に
「君たちは人を殺しながら、ここに来たのか」
と言い放つ。
要人夫婦はアメリカ軍の強襲揚陸艦USSヴァルキリー内に避難し、夫は治療を受ける。
謎の女性:ハンナ
中国軍が襲ってくるが、主人公はそのとき目撃する。要人の中国人女性が見事な関節技で中国兵を制圧するのを。ということは彼女も軍人でおそらくその役目は護衛だ。夫婦を偽装してまで守られているあの夫は一体何者なのか?
主人公とアイリッシュは中国軍に捕まりそうになるが、ハンナが主人公とアイリッシュを拘束して降伏する。これはハンナの機転で、主人公たちを助けるための作戦だった。しかし単純な性格のアイリッシュは
「ハンナは俺たちを裏切る!」
と思いこんでしまい、ハンナとアイリッシュの仲は最悪になる。
明らかになる真相
主人公とハンナとアイリッシュの三人は中国から逃れる。長い長い冒険の中で色々と謎が明らかになる。
- ハンナの正体は中国の工作員。本当の要人とは夫のほうだった。
- 夫の正体は死んだはずのジン・ジエだった。ハンナはジン・ジエを助けるために、夫婦の振りをしてアメリカに助けを求めたのだった。
- ジン・ジエ暗殺の首謀者は中国の民主化に反対するチャン将軍だった。
- ハンナはかつて両親をチャン将軍の勢力に殺されていた。それ以来、ハンナも中国の民主化運動に参加した。
真相を知ったアイリッシュはハンナと和解、単純なアイリッシュは中国の民主化運動に感銘を受ける。
ラストバトル
チャン将軍は、ジン・ジエが生存しておりUSSヴァルキリー内にいることを知る。そのため中国軍がUSSヴァルキリーを襲撃する。ラストバトルは艦内での銃撃戦だ。だが中国軍の猛攻撃の前に戦艦内部は次々に制圧される。主人公たちと生き残ったアメリカ軍は、ジン・ジエがいる救護室に立てこもるがもはや絶望的だ。
そのときジン・ジエが
「助かる方法がある」
と提案する。
それは救護室の扉を開けて中国軍を受け入れることだった。平和主義者のジン・ジエが生きていることを知れば、中国軍は戦闘行為をやめるというのだ。
バカげた作戦に誰もが反対するが、主人公(つまりゲームプレイヤー)は扉を開けて中国軍を受け入れる。そして至近距離で銃を突きつけあうアメリカ兵と中国兵。だが中国兵たちはジン・ジエの生存を知って戦闘行為をやめる。
エンディング
そのときUSSヴァルキリーがチャン将軍の乗っている駆逐艦から砲撃を受ける。チャン将軍はジン・ジエ暗殺を諦めて、USSヴァルキリーごと真相を闇に葬ろうとしたのだ。
主人公とハンナとアイリッシュは駆逐艦に爆弾を取り付けるが、起爆装置が壊れてしまった。こうなったら主人公が持っている充電器を使って手動で爆発させるしかない、それは死ぬことを意味する。
ハンナが言う
「充電器を私に渡して!私は祖国のために行動する!」
アイリッシュが言う
「充電器を俺に渡せ!ハンナは祖国のために必要な人間だ!」
ここで主人公(つまりゲームプレイヤー)は
- ハンナを犠牲にする
- アイリッシュを犠牲にする
- 二人に充電器を渡さずUSSヴァルキリーを犠牲にする
の3つから行動を選ぶのだった。
ラストバトルの動画。扉を開けるのが12:00、仲間を犠牲にするのが17:30。
解説
このストーリーはかなり凄い。この手のゲームは敵を蹴散らしまくるのが定番ラストバトル。でもあえて敵兵を受け入れるという操作をラストバトルに持ってくるのは斬新だ。敵兵を殺しまくるゲームだけど、平和主義者が美味しいところを持っていく構成も良い。
実際にプレイすると場面転換がイマイチで、大傑作だった『バトルフィールド3』には見劣りする。また仲間を犠牲にするマルチエンディングは好きじゃないし、やっぱり評判悪い。