破壊屋ブログ

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2015年の映画ベスト100の全体解説

ウォーリアー [Blu-ray]

2015年の映画ベスト100を全体的に解説します。

hakaiya.hateblo.jp
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マッドマックスは2015年最高の映画ではない。

マッドマックス 怒りのデス・ロード』は2015年という枠ではなく2010年代最高の映画です。ゼロ年代のベスト映画であった『グラン・トリノ』や『ダークナイト』を超えるかもしれない21世紀最高の映画と言えるでしょう。なお発売されたばかりの映画秘宝で、柳下毅一郎氏がキネマ旬報映画秘宝史上初同時ベストワンについて解説しているので、是非読んでみてください。
映画秘宝 2016年 03 月号 [雑誌]

ベスト100内の 注目作

『ウォーリアー』は超限定公開にも関わらず29位(シネマカリテでレイトショーのみ)。この映画は格闘兄弟が偶然同じ格闘トーナメントに参加するという設定。この設定だけならマンガ『グラップラー刃牙』を連想するだろうけど、実際は格闘を通じて兄弟の確執が明らかになっていく格闘版『ゆれる』みたいな映画です。
客層が限定される作品ではアニメ『ガールズ&パンツァー 劇場版』の35位と、18禁ホラーグリーン・インフェルノ』の40位が大検討。どうでもいいですが、ガルパンの上映前に『グリーン・インフェルノ』の予告編が流れてアニメファンが怒り出すという騒動もありましたね。アニメファンもホラーファンも共に宮崎勤のせいで酷い目にあったんだから仲良くしようよ(今の若い人には通じない)。
ちなみにガルパンは邦画アニメの1位でもあります。

酷評映画

世間で酷評された映画もランクインしています。『バケモノの子』47位と『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』77位には驚いた人も多いのではないだろうか?『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は人喰いホラー描写とバトルアクションが豪快なため支持を集めた。
ベスト100からは落ちたけど『ANNIE/アニー』の109位と『ファンタスティック・フォー』の155位もアメリカでの大炎上を考えると意外な結果だ(私は両方共すきな映画だけど)
これらの映画は嫌われているけど支持する人も多数いるということ。「大ヒットしたけど誰も評価していない」という観点での2015年ワーストは『HERO』かな。


前後編映画

前後編映画は前編だけに投票する人が続出。『ソロモンの偽証』も『進撃の巨人』も前編の良さと後編の落差が話題になりました*1

作品名 投票した人数
『ソロモンの偽証』前編 8人
『ソロモンの偽証』後編 0人
『ソロモンの偽証』前編&後編 3人
実写『進撃の巨人』前編 11人
実写『進撃の巨人』後編 1人
実写『進撃の巨人』前編&後編 3人

寄生獣 完結編』の順位も2014年の『寄生獣(71位)』からガクッと落ちてます。
別に前後編映画にかぎらず前半だけが面白くて後半になるとつまらない邦画が多いです。日本映画は後編になるとテーマを語り出すのでそれが失速の原因になる。
例えば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のテーマは女性たちが男性支配に立ち向かうことだし、『キングスマン』のテーマはアンチ人種差別です。でもそれを劇中では一言も語ってない。観客も「え?それがテーマなの?」と思う人のほうが多いはず。観客がどう感じるかに任せていてそこが面白いのです。

スパイ映画対決を制したのはキングスマン

2015年はスパイ映画の年でした。激しいスパイ映画対決を勝ち抜いたのは一番知名度が低い『キングスマン』でした。

超ヒット映画ばっかり

2015年は映画興行に大きな動きがあった年でした。なんと映画史上の歴代興行収入で上位11本中5本が2015年の作品だったのです。わかりやすく言うとアナと雪の女王』よりもヒットした映画が4本もあったということです。

映画史上の順位 タイトル ベスト100順位
3位*2 スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2位
4位 ジュラシック・ワールド 5位
6位 ワイルド・スピード SKY MISSION 15位
7位 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 7位
9位 アナと雪の女王 (参考のため掲載)
11位 ミニオン 50位

日本映画ベスト5

マイナーかつ低予算映画の『恋人たち』『野火』が大健闘!

『恋人たち』は予算不足のため海外出品のための準備金の寄付まで募っています。↓をクリックすると英語字幕をつける金すら無いみたいですが、これでもキネマ旬報ベストワン…。
motion-gallery.net
『野火』は日本兵の主人公が罪なき現地人を○○するシーンがあるので、メジャー映画だったら無理な内容でしょうね。
また2014年公開の『百円の恋』は2014年19位だったけど、2015年でも69位に入っている。

非英語の映画

アメリカ映画、英米合作映画が大人気な状況は2014年からさらに進みました。上位50本のうち、非英語・非日本語の作品は40位『さらば、愛の言葉よ(フランス)』や50位の『神々のたそがれ(フランス)』のみ。
「韓流は終わった」という文言すら消えてしまい、韓国映画を上映する映画館もドンドン減っていった。個人的には韓国映画『神の一手(224位)』は2015年のベスト3に入る傑作だと思っているけど、劇場未公開…。

*1:私は進撃の巨人、後編のほうが好きだけど

*2:リアルタイムで上昇中