パンフレットや雑誌とかにも解説が少なかったので、私が分かる範囲で『キャプテン・マーベル』の音楽ネタについて書きます。
フェミニストのアンセム
クライマックスで流れる音楽はフェミニストのアンセムと呼ばれているノー・ダウトの『Just A Girl』です。歌詞の内容は女性のステレオタイプへの皮肉ネタです。
- 私はただの女の子だから権利なんていらない
- 私はただの女の子だから車の運転ができない
- 私はただの女の子だから負担になる
このような偏見に抗う曲です。まあ歌詞の意味わからなくとも女性が大活躍するバトルシーンで「私はただの女の子!」という曲が流れるギャップが面白い。
ファッションについて
ガンズのアクセルのコスプレしていたキャプテン・マーベルが、90年代になるとナイン・インチ・ネイルズのシャツを着ていましたね。時代の変遷を描くファッションです。
私が大学生だった90年代後半、友人が
「ガンズブームが本当に嫌だった。ニルヴァーナとかナイン・インチ・ネイルズが流行ってきて本当に良かった」
と言っていたのをなんとなく思い出した。
↑ナイン・インチ・ネイルズのシャツを着るキャプテン・マーベル。でもアクセルのコスプレはネット上探しても画像無かった…。個人的には劇中最高の名シーンだった。
ニルヴァーナとガービッジ
精神世界に行くシーンではニルヴァーナの『Come As You Are』、キャプテン・マーベルがバイクで疾走するシーンはガービッジの『Only Happy When It Rains』が流れます。どちらも内向的な歌詞で90年代はこういう曲が人気でした。今風に言えば「病みソング」とかでしょうか。
311
音楽ネタで一番驚いたのは311(スリーイレブン)のポスターが登場するシーンです。
私は311の大ファンなので嬉しいけど「なぜ311?」感が強いです。この『Music』はヒットした作品でも無いし、出来もそんなに良くない。ごく一部のマニアを唸らせるためだけにポスターを貼ったような気がします。
ラストに流れる音楽
ラストシーンの音楽はホールの『Celebrity Skin』です。歌うのは創価学会員のコートニー・ラブ。
つまりこれは『アベンジャーズ/エンドゲーム』への伏線です。『アベンジャーズ/エンドゲーム』では世界を救う集団として公明党が登場、死んだキャラクターも全員南妙法蓮華経で生き返り、池田大作先生がサノスを倒して世界は救われ、ラストシーンにはアベンジャーズ全員が聖教新聞の一面にアッセンブルするのです(全部ウソ、学会員なのは本当だけど)。
これがホール。ボーカルのコートニー・ラブがカート・コバーンの妻で、ベーシストのメリッサがデイヴ・グロールの恋人という人間関係も凄いバンド。
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【音楽解説】『キャプテン・マーベル』劇中歌が伝えるテーマ ─ キーワードは「90年代」「ライオット・ガール」「グランジ」 | THE RIVER
- 『ジャスト・ア・ガール』の和訳
No DoubtのJust A Girlの歌詞を訳して下さい! - No DoubtのJust ... - Yahoo!知恵袋
日本では洋楽ヒロインというとマドンナ、ビヨンセ、アリアナ・グランデといった歌姫系のインパクトが強いでしょうが、洋楽ロック界ではどの時代にも姐御感溢れる洋楽ヒロインが登場してシーンを引っ張ってきました。ガービッジ、ノー・ダウト、ホールも90年代を盛り上げた姐御たちで、彼女たちをBGMとして使うのが新時代のヒロインのキャプテン・マーベルなわけです。
ロック系ではないけど他には、日本でも大人気だったTLC、女性初のヒップホップでグラミー賞を受賞したソルト・ン・ペパーの曲も劇中で流れます。