去年の誰映画で好評だったので、今年は「2016年の映画あるあるネタ」を独立して紹介します。俺は2016年公開作品を200本以上も観たのよ…。
ブラック企業並に忙しい俳優たち
菅田将輝と池松壮亮の忙しさは異常です。2016年公開の映画だけで9本もありました。これにテレビドラマ、CM、PVなど加わったら物凄い数になる。
菅田将輝
- ディストラクション・ベイビーズ
- デスノート Light up the NEW world
- セトウツミ
- 溺れるナイフ
- ピンクとグレー
- 星ガ丘ワンダーランド
- 暗殺教室 卒業編
- 二重生活
- 何者
小松菜奈
女優では小松菜奈が忙しかった。
- ディストラクション・ベイビーズ
- 溺れるナイフ
- 黒崎くんの言いなりになんてならない
- ヒーローマニア-生活-
- ぼくは明日、昨日のきみとデートする
- 高台家の人々(特別版のみの出演)
「彼らの忙しさは竹内力を越えた!」と書こうとしたけど、調べたら1999年の竹内力は17本の映画に出ていた。竹内力の忙しさは菅田将輝+池松壮亮。
前前々世もコケてたよね
芸能事務所にとって一番大事なのは女優で、女優を売り出すためにはみんなが知っている作品を映画化しなきゃいけない。そのために同じヒロインモノが何度でも蘇るさ!ちなみに全部コケました*1。
- 『イタズラなKiss』が2年ぶり7度目の実写化
- 『キューティーハニー』が9年ぶり3度目の実写化
- 『セーラー服と機関銃』が10年ぶり4度目の実写化。
- 『怪しい彼女』が1年ぶり4度目の実写化
- 『白鳥麗子でございます!』が21年ぶり3度目の実写化
『イタズラなKiss』は2017年にもう2本が公開されます。
同じ女優に同じ役が来る現象
誰映画では毎年
「今年も新垣結衣は婚約者を亡くす役でした」
とネタにしていたけど、2016年のガッキーの婚約者役は逃げ切って助かった模様*2。その代わり吉田羊と麻生久美子が全部同じ役でした。
オクラホマミキサーと化した中高生向け恋愛映画
女性タレントとイケメンタレントを組み合わせた中高生向け恋愛映画が多すぎる!
野球部という設定の『青空エール』以外の男優は全員同じ髪型に見えるな…。
女性タレントとイケメンの組み合わせは2015年の恋愛映画カップルをシャッフルしたものなんだよね。もちろん組み合わせをまたシャッフルした作品たちが2017年に公開される。もはやタレントとタレントの壮大なオクラホマミキサーになっている。
誰映画のコメントでは
「もう誰がどの映画に出ていたのか覚えられない」
との声多数。
さらに映画雑誌のキネマ旬報の業界総括号では
「(若手俳優のシャッフル配役ばかりで)本当の意味での新人俳優がいない」
「主演だけではなくて脇役もシャッフル配役が多い」
といった趣旨の論評が載っています。
中高生向け恋愛映画のあるある要素
2016年の中高生向け恋愛映画はだいたい以下の要素があるあるだった。
- 二人が急接近する原因は停電
- ヒロインがお風呂に入っていると、イケメンに声かけられてビックリする。
- イケメンはライバル男性にヒロインを取られたくない!と思った時に、そこで初めて自分の本当の気持ちに気がつく。
- お姫様抱っこのシーンが不自然。全身が映らなかったり、気絶しているはずのヒロインが男性の負担にならないように男性の体掴んでいたり。
- この手の映画は町おこしを兼ねているので、ロケ地をやたら強調したロケ撮影が多い。
- ヒロインの友人女性を演じるのがモデル出身の女性のため演技力が酷い。
- ヒロインの食事はラーメンや肉まんなどB級グルメ的なもの、イケメンの食事はスポンサーの商品。
この現象はお笑い芸人の廣瀬優もネタにしています。
俺は中高生向け恋愛映画はそれなりに好きである(じゃなきゃわざわざ観ない)。ただし『MARS』は拷問級に辛かった。
2016年の翻案映画
毎年必ずある外国映画の翻案映画です。日本オリジナルのアイデアに上手く絡めてあるし、翻案であることをインタビューで語っている場合もあるので「パクリ」だとは思いません。
ハッピーエンドなのに現実がバッドエンド
青春アイドル映画を観終わったあとに、「このアイドルって何?」と思ってググると悲惨な近況が出て来ました。
ゾウだぞう
動物のゾウはアメリカだと「模範的で威厳のある人物」を象徴する存在です。またゾウは水を求めて長い長い旅を続ける姿が尊敬されているので
「主人公が旅の途中でゾウと会うことで道標を得る」
というのがアメリカ映画のあるあるネタ。2016年はそれが三回もありました。
- ターザン:REBORN
- ジャングル・ブック
- ズーンビ
物語的にはあんまし意味が無く「またゾウかよ…」と飽きの来るシーンでした。
区別がつかない映画
2016年は「区別がつかない映画」も多かった。こんな感じ。
女性アンドロイドもの
- オートマタ
- エクスマキナ
両方とも性処理用の女性アンドロイドが出て来る。「娼婦アンドロイド」というのは昔からSF映画の定番ネタだったけど、昔はそのまんま女優が演じていたので人間そのものだった。最近は特撮が進化したので逆に人間からかけ離れた外見になってきている。
ジャングルもの
スティーブ・ジョブズもの
- スティーブ・ジョブズ(2016)
- スティーブ・ジョブズ(2013)
『スティーブ・ジョブズ』は二年振り二度目の映画化。ちなみに原題は
- Steve Jobs(2016)
- Jobs(2013)
なので、また『スティーブ・ジョブズ』を製作したかったら、省略しないで『Steven Jobs』とか、ミドルネームを入れて『Steven Paul Jobs』とかが作れますね。
誰も死なない
最近のアメリカ映画や日本映画は
- 登場人物全員死亡
- 登場人物が誰も死なない
の両極端化が進んでいます。死亡フラグという概念も無くなってきています。特に2016年のJホラー映画が顕著でした。とある監督は二本のホラー映画を撮ったんだけど、片方の作品が全員死亡で、もう片方が全員生存でした。
死にそうに見えない
2016年は余命宣告映画ばっかりだった。余命宣告映画とは
「あなたの余命はあと○○です」
と言われた主人公が色々と頑張る映画で、オチはたいてい
「大切なのは自分が何をするかじゃなくて、残される家族に何ができるか」
というもの。
- 世界から猫が消えたなら
- 湯を沸かすほどの熱い愛
- バースデーカード
- 泣き虫ピエロの結婚式
- ボクの妻と結婚してください。
- 聖の青春(これはちょっと違うけど)
そして余命宣告映画の最大の問題点は末期を演じている俳優がこれっぽっちも死にそうに見えないという点。メイクをバッチリとキメているので病気には全く見えない。苦しむ演技だけ。ただ『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえは、演技力&病気メイク&宮沢りえの痩身のおかげで本当に死にそうに見えました。
道交法を守った映画
日本で映画やドラマを作る時は道交法がネックになります(例:凶悪犯の逃亡シーンでもシートベルト必須)。道交法守らなくてもよいロケ地(港とか)となると場所が少ないのか、2016年では『HiGH&LOW THE MOVIE』と『さらば、あぶない刑事』のクライマックスが同じ場所でした。
逆に『孤高の遠吠』の原付き疾走シーンは明らかに公道で違法撮影していたので、「何て気概があるんだ!」と偉く感動して映画秘宝の「2016年のベストシーン」に選んだよ。
日常系コメディ映画
すっかり日本映画の得意ジャンルとなった日常系コメディ。非現実的な事件が何も起きず、会話だけで展開していく作品が増えてきました。出来は面白かったりイマイチだったり。
アニメの総集編
誰映画のコメント読んでいて気がついたけど、テレビアニメの総集編を劇場公開するのが流行っていたみたいですね。
アイドルグループ映画
アイドル映画で
- クライマックスは解散ライブ
- その解散ライブを家族友人が観に来てくれて嬉しい
- 解散ライブが大好評だったのでやっぱりまだまだ活動続けるよ!←これがラストシーン
という映画が毎年複数製作されるのも何とかしてほしい。2016年だと『関西ジャニーズJr.の目指せ♪ドリームステージ』『みんな好いとうと♪』がそうだった。でも何とかしちゃうと、宇宙人のためにライブをやる『リリカルスクールの未知との遭遇』やアイドル同士が延々と百合キスを続ける『キネマ純情』みたいなヘンテコな映画が出来てしまうが。
地方活性化計画は悪の陰謀
地方活性化を志す社長が悪役、という映画が増えてきました。背景には「地方活性化」という運動自体に疲弊している現状が見えます。逆に悪の政治家がいなかったな。
- 白鳥麗子でございます!THE MOVIE
- 探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海
- ヒーローマニア 生活
- セーラー服と機関銃 卒業
ネコ映画
ネコ映画は毎年多いです。
- ネコのお葬式
- ルドルフとイッパイアッテナ
- 彼女と彼女の猫 -Everything Flows-
- 猫なんかよんでもこない。
- 世界から猫が消えたなら
- メン・イン・キャット
最後に
映画界が盛り上がった2016年だけど、似たような企画を似たようなキャスティングで作る。という現象がどんどん酷くなっています。ここまで来ると昔の香港映画みたいに、過去のフィルムを再編集して新作として言い張ってもバレないんじゃないかな。