破壊屋ブログ

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2023年の映画ベスト100 ネット投票を集計しました

X(Twitter)上のハッシュタグ『#2023年映画ベスト10』を集計しました!有効投票4457名が選んだ2023年最高の映画は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』でした!

1位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3


ジェームズ・ガン監督がベスト1を獲得するのは2021年の『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』以来、アベンジャーズなどを描くMCUの映画がベスト1を獲得するのは2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』以来です。そして本作はGOTGシリーズ3作目で、MCUシリーズ32作目でもあります。ここまで作品数が多いとついていけない人が多そうですが、本作は動物キャラを主役にして、心動かされる悲しいストーリーを主軸にしたのが勝因です。
またジェームズ・ガン監督の「悪趣味で不健全だけど道徳は守る」という絶妙なバランス感覚も、映画ファンにはピッタリきたのだと思います。ちなみにジェームズ・ガン監督はMCUを離脱して、ライバルのDCの共同CEOとなりました。2025年からスーパーマンたちの新シリーズが始まります。

2位:スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
ベストテンにスパイダーマンが入るのは、もはや毎年恒例。本作は前編で、後編の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』が現在製作中です。

アメコミあるあるなのですが
「主人公は親しい人が亡くなることで成長する」
って、それじゃあ親しい人は主人公を成長させるための都合良い生贄じゃん!という
「そこにツッコミ入れてもしょうがないだろ*1
にツッコミ入れた衝撃的な展開です。マルチバース(並行宇宙)という世界観を、作品の設定を根本から覆すために使うというのが斬新です。スパイダーマンが無限に登場し続ける後半は圧巻です。

3位:ゴジラ-1.0


我々日本人には「ズタボロの戦後から復興した」という経験があるので「復興に希望を託す」という敗戦国かつ災害国ならではの映画が多いのですが、本作は「戦後復興が始まった日本をゴジラが破壊する」というキャッチコピー通りの「無から負へ」の展開。30年以上前の『ゴジラvsキングギドラ(1991)』の「日本が強すぎてアメリカ・ソ連を超えるようになる」というトンデモ設定*2を考えると、まさに日本がマイナスの時代に突入したことを反映していると言えます。
しかし本作は日本映画史上初の「全米NO.1大ヒット!」となり、世界中で大絶賛を受けその評価は今も拡大中、マイナスどころか超プラスです。
「全米NO.1大ヒット!」
このフレーズを日本映画に使う日が来るとは思いませんでした。

4位:aftersun/アフターサン

aftersun/アフターサン [DVD]
イギリスの小作品が、まさかの四位!TOP3が全てフランチャイズ映画なので、裏ベスト一位は本作だと思います。父親と娘の過去の旅行を描いた本作は、意味の違う三つの映像が組み合わさった作品です。

  • 家庭用カメラ*3の映像→過去に実際に撮影した娘と父の客観的な映像。
  • 普通の映画フィルムの映像→娘が父を思い出して描く補完的な記憶。
  • レイヴの映像→娘が父に会おうとする妄想。

観客はこの三つの映像を観ることで、父親への追憶を体験するという映画です。
毎年似たようなことを書いていますが、今は動画配信の時代なので「映画鑑賞=体験に金を払う行為」になっています。観客に追憶を擬似的に体験させる本作は、まさに現代の映画です。

5位:ジョン・ウィック:コンセクエンス


毎回高順位ながらベストテンに入らなかった『ジョン・ウィック』シリーズの最新作がついにランクイン!
ミッション・インポッシブルと同じで新作が出るたびに「一体どこまでパワーアップし続けるんだ?もう無理だろ?」と鑑賞前の観客を不安に落とし、「まさか期待を超えるとは…」と鑑賞後の観客を呆然とさせてきたシリーズです。
日本最強のアクションスター:真田広之と宇宙最強のアクションスター:ドニー・イェンが対決するというアクション映画ファンにはたまらないキャスティングも最高です。

6位:怪物


今のSNSはちょっと事件が起きれば私達は自分の正しさを信じて「◯◯が悪い!◯◯するべきだった!」と悪い何かを攻撃しています。それが正しいから。
本作はこのような攻撃に晒される側を視点を変えながら描くことで、私達の持つ正義感がいかに人々を傷つけるかを描きます。SNSで正しい発言をしている皆さんを対象とした映画です。絶対に出来ないミステリーのトリックとして有名な「観客が犯人だった」ですが、本作は「あなたも加害者」ということを疑似体験させてきます。

7位:BLUE GIANT

BLUE GIANT

邦画アニメが大豊作と呼ばれた2023年で邦画アニメを制したのは、他アニメに比べると知名度でずいぶんと劣る『BLUE GIANT』です。
秀才型のライバルの前に天才型の主人公が現れる。ライバルは努力によって主人公に立ち向かうが、主人公はさらなる才能を開花していく。という日本のマンガが得意とする成長モノのパターンがあり、本作はその変形版です。
音楽映画にとって最大の難問である「心奪われる演奏」の表現が、アニメなら想像以上の形で実現できるというアニメの特性を活かした映画です。

8位:鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎


戦争帰りで今は血液銀行に勤める会社員:水木が、地方の村で起きる犬神家の一族チックな殺人事件の謎に挑むというミステリー。そこに謎の妖怪男が現れて『ゲゲゲの鬼太郎』へと繋がっていく。

『ゲゲゲの鬼太郎』の原点的存在で『鬼太郎の誕生』という怪奇漫画の大傑作があります。この『鬼太郎の誕生』のさらに前日譚が本作『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』!という説明だとピンと来ない人も多いでしょうね。ここは映画サイトなのでスター・ウォーズで例えます。『ローグ・ワン』のラストシーンは1977年のスター・ウォーズ第一作のオープニングに繋がりますが、アレと同じことをやってのけたのです。戦地帰りの水木しげるだからこそ彼がマンガで描いてきた日本の闇を取り込んだ怪作です。

9位:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(字幕/吹替)

今は新旧スパイダーマンや新旧バットマンが一つの映画に出演する凄い時代です。こんな企画が通るのも世間に「マルチバース(並行宇宙)」という概念が流行っているからです。そのマルチバースで「普通のおばさん」が戦うのが本作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(全てのこと、全ての場所が、一つになり)』です。
平行宇宙で別の人生を歩む自分から、異世界転生モノのように能力を手に入れる。例えば視界を奪われたら、失明した人生を歩む並行宇宙の自分の力が助けてくれる。まさに何でもアリの大冒険ですが「人々は色んな人生を歩んでいる」という当たり前のことをテーマにした普遍性のある作品です。

10位:ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り

ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り

伝説的TRPG、というかあらゆるRPGの原点である『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の映画化です。2000年にも『ダンジョン&ドラゴン』のタイトルで映画化されているのですが、アレは歴史的大駄作です。今回の映画化が凄いのは大失敗作の前作と同じ路線だということ!泥棒を主人公にし反権力要素を強め、古臭いファンタジー世界とは真逆の世間ウケを狙ったギャグをてんこもり。前作から大きく改善したのは人種的多様性かな。
演出も演技もセリフも、とにかく楽しさを重視し、観客の意表を付き続けるサービス精神に溢れた娯楽映画です。

Top 10 Movies of 2023 in Japan

  1. Guardians of the Galaxy Vol. 3
  2. Spider-Man: Across the Spider-Verse
  3. Godzilla Minus One
  4. Aftersun
  5. John Wick: Chapter 4
  6. Monster
  7. BLUE GIANT
  8. Kitarō Tanjō: Gegege no Nazo
  9. Everything Everywhere All at Once
  10. Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves

2023年日本十大电影

  1. 星際異攻隊3
  2. 蜘蛛俠:飛躍蜘蛛宇宙
  3. 哥吉拉-1.0
  4. 晒后假日
  5. 捍衛任務4
  6. 怪物
  7. BLUE GIANT 藍色巨星
  8. 鬼太郎誕生 咯咯咯之謎
  9. 媽的多重宇宙
  10. 龍與地下城:盜賊榮耀

2023年の映画ベスト100

順位 タイトル 総合得点
1 位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 8778.5
2 位 スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース 8421.0
3 位 ゴジラ-1.0 7069.5
4 位 aftersun/アフターサン 5562.5
5 位 ジョン・ウィック:コンセクエンス 5242.5
6 位 怪物 4862.5
7 位 BLUE GIANT 4576.5
8 位 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 4246.5
9 位 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 4192.5
10 位 ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 3672.0
11 位 フェイブルマンズ 3658.0
12 位 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 3560.0
13 位 TAR/ター 3457.0
14 位 グリッドマン ユニバース 3365.5
15 位 PERFECT DAYS 3316.5
16 位 イニシェリン島の精霊 3162.5
17 位 グランツーリスモ 3145.5
18 位 ザ・フラッシュ 2881.0
19 位 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 2852.5
20 位 バービー 2837.5
21 位 窓ぎわのトットちゃん 2802.5
22 位 君たちはどう生きるか 2521.0
23 位 シン・仮面ライダー 2322.5
24 位 ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 2269.5
25 位 バビロン 2110.0
26 位 2062.5
27 位 イコライザーTHE FINAL 1962.5
28 位 ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー 1936.5
29 位 福田村事件 1926.5
30 位 ザ・ホエール 1918.0
31 位 AIR/エア 1819.0
32 位 Pearl パール 1790.0
33 位 別れる決心 1789.0
34 位 マイ・エレメント 1731.5
35 位 ベネデッタ 1683.0
36 位 リバー、流れないでよ 1668.5
37 位 市子 1599.0
38 位 ヴァチカンのエクソシスト 1512.0
39 位 枯れ葉 1465.0
40 位 ザ・クリエイター 創造者 1413.5
41 位 CLOSE/クロース 1373.0
42 位 コンパートメントNo.6 1329.0
43 位 正欲 1311.5
44 位 ザ・キラー 1283.0
45 位 名探偵コナン 黒鉄の魚影 1226.0
46 位 SHE SAID/シー・セッド その名を暴け 1213.5
47 位 逆転のトライアングル 1197.5
48 位 少女は卒業しない 1195.0
48 位 ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック! 1195.0
50 位 エゴイスト 1183.5
51 位 ウォンカとチョコレート工場のはじまり 1162.5
52 位 イノセンツ 1161.5
53 位 RRR 1097.0
54 位 愛にイナズマ 1096.5
55 位 エンパイア・オブ・ライト 1088.0
56 位 キリエのうた 1052.0
57 位 長ぐつをはいたネコと9つの命 1012.0
58 位 対峙 985.5
59 位 レッド・ロケット 973.0
60 位 アステロイド・シティ 970.5
61 位 オオカミの家 942.5
62 位 THE FIRST SLAM DUNK 909.5
63 位 オオカミ狩り 881.0
64 位 ファースト・カウ 880.5
65 位 TALK TO ME トーク・トゥ・ミー 856.0
66 位 ウーマン・トーキング 私たちの選択 853.5
67 位 映画 プリキュアオールスターズF 849.0
68 位 トランスフォーマー/ビースト覚醒 848.0
69 位 search/#サーチ2 846.0
70 位 ワイルド・スピード/ファイヤーブースト 817.0
71 位 聖地には蜘蛛が巣を張る 802.5
72 位 M3GAN/ミーガン 793.0
73 位 FALL/フォール 768.5
74 位 SISU/シス 不死身の男 751.0
74 位 いつかの君にもわかること 751.0
76 位 アリスとテレスのまぼろし工場 742.0
77 位 SAND LAND 739.0
78 位 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 722.0
79 位 マッシブ・タレント 721.5
80 位 カード・カウンター 719.5
81 位 ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 704.0
82 位 Winny 698.0
83 位 ハント 692.5
84 位 最後まで行く 685.0
85 位 あしたの少女 676.5
86 位 EO イーオー 671.5
87 位 668.0
88 位 雄獅少年/ライオン少年 662.5
89 位 バイオレント・ナイト 648.0
90 位 MEG ザ・モンスターズ2 615.5
91 位 ボーンズ アンド オール 608.0
92 位 帰れない山 589.0
93 位 アンダーカレント 583.0
94 位 マーベルズ 582.0
95 位 北極百貨店のコンシェルジュさん 579.0
96 位 オットーという男 573.0
97 位 ほつれる 558.0
98 位 パリタクシー 557.5
99 位 バーナデット ママは行方不明 552.0
100 位 大いなる自由 525.0

解説

日本映画、2023も強し!

今回も日本映画が強くて嬉しいです。ゴジラ、ゼルダ、スーパーマリオ、井上尚弥、大谷翔平、YOASOBI。そして数々のマンガとアニメ!2023年は衰退する日本の現状とは裏腹に、日本のコンテンツが世界中で目覚ましい活躍をした年です。しかしこれがいつまで続くかは分かりません。2023年のアメリカ映画はストの影響で多くの作品が製作延期になっていましたが、これから意欲的な新作が次々に公開されます。日本が得意なアニメやゲームは中国が投資に力を入れているコンテンツです。数年前まで日本映画を圧倒していた韓国映画はあっという間に不振に陥っていますが*4、またすぐに逆転される可能性はあるでしょう。
何にせよ、これからも日本は世界中のコンテンツが楽しめる良い国であり続けてほしいです。

フランチャイズ映画の明暗

TOP5のうち『aftersun/アフターサン』以外の四本がフランチャイズ映画(シリーズもの)です*5。フランチャイズ映画は最高!というわけでもなくて、今まで絶大な人気を誇っていたフランチャイズ映画の最新作が失敗していったのも2023年の特徴です。今のフランチャイズ映画は良くも悪くも資本主義を象徴する巨大システムになっており、批判意見も毎年増え続けています。
でもこれって過去にも同じ状況があって、70年代末から始まったブロックバスター映画(都市を破壊するような大ヒット映画)とか90年代のメガバジェット映画(製作費が1億ドルを超える映画、別名ビッグバジェット)とかありました。そして飽和状態となったハリウッド大作映画に小作品が挑んで勝利する、という歴史を繰り返してきました。だからこそ映画は面白いのです。そういえば日本のコンテンツが世界でウケている理由の一つとして、アメコミ疲れがあるという海外批評がありました。

アメリカ映画強し!

フェイブルマンズ (字幕版)

前述の通り、アメリカ映画はストの影響で大きく失速したはずですし、アメリカ映画が日本の興行で苦戦する状況も年々酷くなってきましたが、それでも傑作を連発して多くの映画がTOP100にランクイン。特に11位『フェイブルマンズ』は「映画は夢である」という忘れかけていたことを再確認させ、12位『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』はアメリカの負の歴史を暴き、13位『TAR/ター』は業界内の権力を描くというジャニーズ&吉本問題に直面した日本にピッタリという作品。非フランチャイズのこれらから、相変わらずのアメリカ映画のパワーを感じます。

賛否両論

このランキングのあるある現象の「本国で評判悪い映画がなぜか高評価になる」について。

フランチャイズ映画
  • マーベルズ
  • ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
  • インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

といったフランチャイズ映画の最新作は本国で叩かれたにも関わらずTOP100に入りました。フランチャイズ映画は過剰に叩かれる側面があるため、公開時のバッシングとファン達の評価が正反対なのはよくあります。

日本映画

むしろ日本映画の

  • シン・仮面ライダー
  • 君たちはどう生きるか

が公開時には戸惑いの声が多かったにも関わらずTOP30に入っています。映画における「賛否両論」が以前のような単純な状況ではないという事ですね。

ディズニー

製作体制の見直しを発表するほど苦境に陥ったディズニーは『マイ・エレメント』が34位と好調で、『ウィッシュ』『リトル・マーメイド』も130位代とTOP100圏外。それでも本国の評判の悪さに比べればまあまあといった順位です。『ホーンテッドマンション』は233位でした。

マルチバース

2023年のキーワードでもあった「マルチバース」という概念に取り組んで盛大に失敗した『ザ・フラッシュ』は18位。劇中のマルチバースネタは私個人の感想ですが、ここ数年の映画体験の中でも最大級の衝撃を受けました。あの大失敗扱いには悔しい思いをしていたので、この高順位は嬉しいです。

奮わなかった映画

日本映画の大作の『沈黙の艦隊』『レジェンド&バタフライ』『東京リベンジャーズ2』など、どれも300位前後でした。 『レジェンド&バタフライ』は豪華すぎる撮影規模や戦国時代の残虐さから逃げない真面目さなど、個人的には高く評価している映画です。ただジャニーズ問題もあって数年後には「何だったんだあの映画」みたいな扱いになりそうです。また興行収入が50億前後の大ヒットとなった『ミステリと言う勿れ』『キングダム 運命の炎』は130位代、『劇場版TOKYO MER ~走る緊急救命室~』は206位でした。ここに挙げた日本映画たちはどれも大作で良作ですが、世間でヒットするだけではこのランキングには載らない厳しさも感じます。
洋画ではシリーズ最高の大ヒットとなり、シリーズ第四弾かつフランチャイズ10作目の製作が決まっている『クリード 過去の逆襲』が290位と意外すぎる低順位でした。

非英語の外国映画


アキ・カウリスマキの影響か北欧系が上位に来ました。

  1. 別れる決心(韓国)
  2. 枯れ葉(フィンランド)
  3. コンパートメントNo.6(フィンランド)
  4. イノセンツ(ノルウェー)
  5. オオカミの家(チリ)

『逆転のトライアングル』はスウェーデン映画ですが、英語なので除外。英米合作なので除外しましたが、イギリス映画(aftersun/アフターサン、イニシェリン島の精霊)が好調だったのも2023年の特徴です。

旧作と二年連続ランクイン

さらば、わが愛/覇王別姫(字幕版)

2022年公開の

  • RRR
  • THE FIRST SLAM DUNK

は2023年もTOP100に入りました。また2023年はリバイバル公開が多かったため、旧作も多く投票されていました。旧作で一番順位が高かったのは『さらば、わが愛 覇王別姫』の175位、1992年の中国の歴史的大傑作です。

雑ネタ

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

ブルックリンまで眠らない

2023年はビースティ・ボーイズの超名曲『No Sleep Till Brooklyn』が2つの超ヒット映画

  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
  • ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

で使われているのが印象的でした。歌詞の意味は「本拠地であるブルックリンに辿り着くまでは、眠らずに大暴れしながら移動するぜ!」という感じ、映画本編でもその意図で使われています。

殺し屋モノ

2015年頃はスパイ映画が人気でしたが、ここ数年は殺し屋映画が増えています。『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は「殺し屋が大集合して真田広之のいる日本で大暴れ」という、2022年の『ブレット・トレイン』と同じ系統ですね。『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』も29位と高順位でしたし、もう「日本が治安良いのは殺し屋たちが悪人を殺しているから」というのを世界共通の設定にすれば良いと思います。あ、それだとフィリピンのほうがリアルか。


集計エピソード

集計の苦労

パーフェクト問題

「パーフェクト」という単語を持つ上に文字列の一致率が高い映画が3本あったため、類似後検索機能が上手く判断できなかったです。他に「キングダム」という映画が四本あるのがネックでした。

  • パーフェクト・ドライバー
  • パーフェクト・デイズ
  • パーフェクト・ブルー(去年リバイバル公開された)
ター問題

「ター」という文字列だけで投票されると、類似後検索機能が他の映画と区別がつかない問題がありました。「ター」の検算が一番大変でした。

表記揺れ

表記揺れが一番多い映画は『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』でした。略称が

  • ATS派
  • ATSV派

の二種類に分かれてました。

誤字だ

無から負へ、負から少数へ

誤字が多い映画はブッチギリで『ゴジラ -1.0』です。

  • 正:ゴジラ -1.0
  • 誤:ゴジラ -0.1

「-0.1」だとゴジラの破壊力が全然大したことない印象を受けますね。『ゴジラ -0.1』と書く人が多すぎるので「そういうパロディ映画があるのか?」と疑ったほどです。

正解はコンセクエンス

二番目に誤字が多い映画は『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でした。↓の画像は全部誤字です。でも難しいよね、コンセクエンスって。

忘れられた人気映画

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を

  • インディ・ジョーンズ5

と書く人が多かったのですが、

  • インディ・ジョーンズ4

と書く人も数名いました。『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』はシリーズ第五弾です。シリーズ第四弾はみんなが忘れている『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』ですぜ。

イーロン・マスク問題

当初はTiwtterAPIを使って投稿者アカウントの人気度を分析して
「映画沼アカウント千名が選ぶ!」
と集計者を千名だけに絞る予定で機能も開発済みでした。ところがイーロン・マスクのせいでAPIが使えなくなったので、この企画は断念。さらにAPIが使えないのでツイートの自動取得も出来なくなり、Togetter経由で集計しました。

得点調整

今回はTOP100に絡む得点調整は無しです。

有効投票数

この手の企画は「有効投票数が多いほど、知名度が高い作品が有利になる、でも有効投票数は一人でも増やしたい」というジレンマがあります。だからこそ「有効投票数を千人に限定する!」という機能を開発したのですが断念。私のところの企画はもう逆に「有効投票数をとことん増やす!」という方向に舵を切りました(検算がすごく大変ですが)。ですから私以外の2023年ベスト企画も是非チェックしてください。

最後に

Jsonデータ

集計用に作ったJsonです。類似企画を実施する方、是非ご活用ください。

次回は邦画アニメ!

2023年は邦画アニメがTOP25に五本も入るという邦アニ大豊作の年でしたが、これは映画ファンが選んだランキングです。別途邦画アニメのベストを決める邦アニベストテンが現在準備中です。邦アニを三本以上観た方は是非参加してください。去年は一位と二位のアニメが1点差という衝撃の結末でした。

*1:「冷蔵庫の女」のようにアメコミ界隈が長年指摘されていた問題でもあります

*2:バブル経済末期だったので微妙な説得力があった

*3:MiniDV

*4:赤字映画が多いため新作への投資が減った、日本ではあまり感じないが韓国国内では問題になっている

*5:ゴジラは世界で最も長いフランチャイズ映画でギネス認定されています